鶯籠|話題のライブアイドルが取ったメジャーデビューという手段

仲が悪いと思われがち

──ばんぱいあさんからしたら、駄好乙さんは妹みたいな存在なんですか?

ばんぱいあ いや、それはないですね。

点点

駄好乙 私じゃなくて点点が最年少と思われることが多いんです。

──点点さんは最初全然ものを食べなかったという話が出ましたが、デビューから約5カ月というタイミングでグループに加入したこともあって緊張していたんでしょうか?

点点 私、人見知りどころじゃなくて……最初は全然しゃべれなかったです。

──でもこうやって5人と話をしていると、自分の意見を主張するメンバーが多いという印象を受けます。あまりしゃべりたがらない人たちなのかなと勝手に思っていました。

PINOCO

PINOCO メンバーみんなしゃべりますね。

ばんぱいあ 自分の主張や意見を一番持っているのは駄好乙ですが、ほかのメンバーもわりと言いたいことは言いますからね。だから、よく仲が悪いと勘違いされるんですよ。

からあげ メンバーに対して「ブス」って言うこともあるんですけど、それを見て仲悪いと思われることもありますし。

ばんぱいあ お客さんにも「メンバー同士仲悪いの?」ってめっちゃ聞かれるんですよ。全然そんなことないのに。

駄好乙 ほかのアイドルさんって一緒にディズニーランドや遊園地に行ったり、買いものに行ったりするじゃないですか。鶯籠はそういうプライベートでの関係が一切ないんですよ。ほとんどライブや練習、取材などで時間が費やされるので、「プライベートまで会う?」という感覚で。

からあげ プライベートぐらい1人で過ごしたいよね(笑)。

ばんぱいあ だから、お互いに連絡先も交換していないんです。そのことを話すと余計に仲が悪いと思われるんですけど、ほぼ毎日会ってるから連絡先も要らないんだよね。

駄好乙 今まで連絡先がなくて困ったのは迷子になったときぐらいだし(笑)。

鶯籠

普通の生活を送るのは嫌だった

──これはメンバー1人ひとりにお聞きしたいんですが、アイドルをやることの一番の動機というか、どういう気持ちで活動をしているのかをそれぞれ教えてもらえますか?

PINOCO 私は表現をすることがすごく好きで。鶯籠の曲はちょっとエロチックで、ライブでしか表現できないものがあると思うんです。なので、ライブが楽しいことが鶯籠で活動する一番の理由ですね。例えば舞台を観たり、誰かから貴重な話を聞いたりすると、自分の価値観が変わることがあるじゃないですか。鶯籠でも歌詞や曲を通して、人の価値観を変えるような表現をしたいんです。もともとお芝居が好きで、その延長線上で活動しているような感覚ですね。

点点 私も楽しいというのが一番です。活動していく中で自信を持てるようになって、鶯籠が好きな場所になりました。鶯籠に加入する前、私は観客として鶯籠のことを見ていて、自分も入りたいと思ったんです。それくらい衝撃で、「普通のアイドルじゃない。カッコいいな」と思ったのが始まりでした。

ばんぱいあ

──ばんぱいあさんは?

ばんぱいあ 私はやりたいことがなくて、「何かやりたいことが見つかったらいいな」と思ってこの世界に入ったんです。今は鶯籠に対して夢を見ていて、その夢を追いかけるのが楽しいです。明日を生きるために活動しているというか、ホントにほかにやりたいことがないので、鶯籠を通していろいろなことを実現させていけたらいいなと思っています。

──やりたいことが見つからない人は、世の中にたくさんいると思います。ばんぱいあさんはどうやって鶯籠という場所を見つけたんでしょう?

ばんぱいあ 前は田舎に住んでいて、家族の転勤でこっちに引っ越してきたんです。「都会だから何かあるかもしれない」と思ってぷらぷらしていたらスカウトされ、「やるだけやってみよう」と思って鶯籠に入りました。

──思い切って飛び込んでみたら熱中できるものが見つかり、自分の居場所になったと。

からあげ

からあげ 私は逆に、やりたいことがほかにあって上京してきました。ファッション系のことだったんですけど、結局続かずにその学校を辞めちゃって。親に無理を言って上京してきたので、すごく申し訳ない気持ちでした。もともとアイドルには興味はなかったんですが、スカウトされたのをきっかけに、「これだったらちょっと親孝行できるかも」と思って活動を始めました。

──実際、ご家族は喜んでくれていますか?

からあげ 喜んでますね。たまにライブにも来てくれるんです。

──駄好乙さんはどうしてこの世界に?

駄好乙 子供の頃から芸能界に憧れていて。小学生のときにダンスを始めて、いろいろなオーディションを受けていました。特にしたいことがあったわけではないんですけど、とあるオーディションで書類審査に受かったあとに次の歌唱審査で落ちてしまって。僕は歌が超下手で、挫折とまではいかないけどすごく悔しい思いをして、そのあともオーディションを受けては落ちるというのを繰り返していたときに、スカウトで今の事務所に入ることになったんです。それまで自分はなんでもできると思っていたんですが、芸能界に入ってから怒られることが多くて、自分に自信がなくなりましたね。今も自信はないし、子供の頃に憧れていた芸能界だけど、いざ入ってみたら、そんなキラキラしている世界じゃなかったです。

──鶯籠に入る前に、そんな過去があったんですね。

駄好乙 そんなとき、この事務所で新しいアイドルを始めると聞いて。最初、僕は鶯籠に入れず、悔しくて超泣いたんですよ。鶯籠のデビュー1週間前というタイミングで「絶対入りたいんです!」と泣きながら訴えて、それもあって僕も鶯籠に入れることになりました。普通に学校に行って普通の生活を送るのは嫌だった。そんなときやっと鶯籠に出会えたんです。そして自分で振りを作るようになり、自分で作っているものがあるという感覚がすごく楽しかったです。