鶯籠|話題のライブアイドルが取ったメジャーデビューという手段

鶯籠が2月19日にキングレコードよりメジャーデビューシングル「FLY HIGHER AGAIN」をリリースする。

東京・鶯谷を拠点に活動するアイドルグループとして2018年に結成された鶯籠。同年3月のデビューライブ以降、彼女たちはそのアグレッシブなライブパフォーマンス、パンクやオルタナティブロックの楽曲、個性的なキャラクターで瞬く間に注目を集めた。

音楽ナタリーではメンバー5人に「FLY HIGHER AGAIN」の話のほか、日々の活動やメジャーデビューに対する思いを聞き、鶯籠という異色のアイドルグループの正体に迫った。さらに特集後半には「FLY HIGHER AGAIN」の作詞を手がけたふなっしー、作曲を担当したRENO(ex. ViViD)の楽曲についてのコメントを掲載。鶯谷で撮り下ろした写真とあわせて特集を楽しんでほしい。

取材・文 / 西澤裕郎(SW) 撮影 / 宇佐美亮

人間の裏を想像することが好き

鶯籠

──鶯籠は鶯谷を活動拠点とするグループとして結成されたそうですね。

駄好乙 鶯谷はリッチで大人なお店がいっぱいある素敵な街ですね。

ばんぱいあ 人が少ないので落ち着きます。山手線の中で一番利用者数が少ない駅なんですよ。個人的にホテル街のど真ん中に神社があるのが好きです(笑)。

駄好乙 駅の南口改札外の階段を降りてすぐのところに焼き鳥屋さんがあるんですけど、焼鳥1本70円なんですよ! あとで行ってみてください。

──あははは(笑)。鶯籠は2018年3月に鶯谷のライブハウス・VALLEY×VALLEY×TOKYOでデビューライブを行ったそうですね。

ばんぱいあ 最初は、私とからあげとPINOCOの3人でデビューする予定だったんですけど、直前にエグゼクティブプロデューサーとして駄好乙に参加してもらうことになって。お披露目予定の4曲の振りをライブの1週間前に作り直してもらいました。3人で作った振り付けがひどすぎて……。

からあげ 3人のうち、誰も振り付けを作った経験がある人がいなかったんです。ダンス経験もなかったから歌詞のイメージのまま振りを考えていて。駄好乙はダンスの知識があったので、その経験の差が大きかったです。

ばんぱいあ

ばんぱいあ ほぼ、というか全部振り付けが変わりました。もともと考えていて、残った部分は1つもないと思います。

──駄好乙さんが担当しているエグゼクティブプロデューサーというのは、具体的にどんなことをするんですか?

駄好乙 主には振り付けを手がけていますが、振りを作るためには鶯籠のことを誰よりも知らなきゃいけないと思っていて。グループのコンセプト作り、世界観作りも必然的に自分がしていく必要があると考えています。

ばんぱいあ 最初はほかのメンバーも意見を出していたんですけど、最近は完全に任せています。

駄好乙 僕は妄想力や想像力が豊かで。これは例え話ですけど、メンバーが服を着ていても裸が想像できるんです。

PINOCOばんぱいあからあげ点点 気持ち悪い……!

駄好乙 それぐらい想像力は豊かです。人間の裏を想像することが好きなんです。

ばんぱいあ 男子中学生みたいだよね。

駄好乙から見たメンバーの変化

──駄好乙さんの中で、活動初期からグループのコンセプトや方向性は固まっていたんですか?

駄好乙 固まってましたね。最初に未来を想像し、そこから逆算して段階を追って進んでいます。もちろんその通りいくこともあれば、いかないこともありますが。鶯籠はこれまでにアルバムを3枚出しているんですけど、メンバーの声の出し方がどれも全然違っていて、ここに至るまで意識も変わったと思います。僕は人間観察が趣味なので、メンバーのことをなんでも知っているんです。

──ほかのメンバーは首をかしげてますよ(笑)。

からあげ

駄好乙 変わったよね? からあげちゃん。

からあげ そうかな?

駄好乙 もともと僕の中でからあげちゃんは、か弱い女の子というイメージだったんですよ。つまずいたらすぐに泣いちゃうような。でも今はすごく凛々しくなりましたね。点点は最初はヤバかったんですよ。蛇のように何も食べなくて。蛇って拒食になりやすいんですよ。一方、PINOCOはいい意味でも悪い意味でも変わっていない。ばんぱいあはスキルが高くて、周りが今グーンと伸びているからあまり成長しているように見えないけど、すごく変わっていると思います。あと、メイクがうまくなりましたね。

ばんぱいあ 鶯籠を始めるだいぶ前、髪の毛がピンクだったんですけど、ナチュラルメイクのやり方がわからずめちゃくちゃ模索していたんです。鶯籠を始めてからはMVやアー写の撮影とかでメイクさんがメイクをしてくれるようになり、それを見ながら自分でも覚えました。逆に、駄好乙はかわいげがなくなったよね。

駄好乙 いや、かわいくなりましたよ。

ばんぱいあ 最初は「何かしてあげたいな」と感じるような、「これ買って」と言われたら買ってあげたくなるような子だったんですけど、最近はがめついおじさんみたいになっちゃって。何かを買ってもらうのが当たり前みたいになってしまって、かわいくないんですよ。

──駄好乙さんがグループの中で最年少なんですよね。

駄好乙

ばんぱいあ そうです。あんなにかわいかったのにね。

駄好乙 私もだいぶメイクがうまくなりました。

ばんぱいあ そこじゃない! 内面。

駄好乙 中身も大人になりましたね。

ばんぱいあ いや、だんだん精神年齢が下がっていっているよ!(笑)