戸松遥「DELUXE DELUXE HAPPY」 PR

戸松遥|愛知県出身、戸松が歌う名古屋愛あふれるアニメ「八十亀ちゃんかんさつにっき」主題歌

戸松遥がテレビ愛知、TOKYO MXほかで放送中のテレビアニメ「八十亀ちゃんかんさつにっき」の主題歌「DELUXE DELUXE HAPPY」を担当している。

戸松がキャストとしても出演する「八十亀ちゃんかんさつにっき」は、「月刊コミックREX」で連載中の安藤正基による同名マンガを原作としたアニメ作品。東京から名古屋に引っ越してきた主人公・陣界斗と、彼が転校先で出会った露骨な名古屋弁を話す少女・八十亀最中らの日常が描かれている。愛知県出身の戸松が歌う主題歌「DELUXE DELUXE HAPPY」は安藤と担当編集のアダチ氏が作詞、たむらぱん(田村歩美)が作曲を手がけた楽曲。楽曲の歌詞は小倉トーストや金のしゃちほこといった名古屋名物をイメージさせるワードで構成されたユニークな1曲となっている。

5月27日発売の原作コミック「八十亀ちゃんかんさつにっき」6巻特装版には、この主題歌「DELUXE DELUXE HAPPY」を収めたCDが同梱される。音楽ナタリーでは戸松にインタビューし、名古屋ネタが散りばめられたこの曲について、愛知県出身の彼女ならではの見解や “名古屋あるある”を語ってもらった。

取材・文 / 須藤輝 撮影 / 曽我美芽

愛知県出身で本当によかった

──新曲「DELUXE DELUXE HAPPY」ですが、すごい歌詞ですね。これでもかというくらい名古屋ワードが詰め込まれていて。

アニメ「八十亀ちゃんかんさつにっき」キービジュアル

歌詞をいただいた瞬間、もう「最高だなあ!」と。これは愛知県出身の安藤正基先生と岐阜県出身の担当編集アダチさんだからこそ書けたというか、愛知マインドをわかっていないと絶対に書けない歌詞だと思うんですよ。なので、この歌詞の意味がわかってしまう愛知県出身の自分としてはもう感動しかないし、きっと愛知の人がこの歌詞をフルで見たら「うおおお!」ってなるんじゃないかなって。

──僕は関東の人間ですが、かなり楽しく聴かせてもらいました。

うれしいです。私としてはもう名古屋のテーマソングにしてほしいと思うくらい、地元愛にあふれた歌なんですよ。一方で、この曲はアニメ「八十亀ちゃんかんさつにっき」の主題歌じゃなかったら、つまりタイアップがなければ歌えなかった曲でもあるんです。つまり、戸松のソロ楽曲として、ノンタイアップで名古屋の曲を歌っても「急にどうしたの?」って。

──「急に名古屋にすり寄ってきた」と思われてしまう(笑)。

戸松遥「DELUXE DELUXE HAPPY」ジャケット

そうそう、「地元に媚を売りだした」って(笑)。でも、愛知県を舞台にした作品のヒロインを演じさせてもらうというご縁があったおかげで、この曲を歌うことができました。ビジュアルにしても、頭に金のしゃちほこを乗せるというのも今回じゃないとできないことだと思いますし。

──褒め言葉になるのかわかりませんが、よくお似合いですね。

ありがとうございます。周りの人たちからの評判もすこぶるよくて、最初は「喜んでいいのか?」みたいなちょっと複雑な気持ちだったんですけど(笑)。曲もビジュアルも遊び心満載で、今回ほど自分が愛知県出身でよかったと思ったことはないですね。

──そこまでですか。

ホントに、心からそう思いました。実は愛知県出身の声優さんってすごく多いんですよ。その中から私を選んでくださったこともうれしかったですし、方言ってある意味、普段お仕事をするうえで妨げになってしまうものなんですよね。要は標準語でしゃべらなきゃいけないときに訛りが出ちゃうとNGなんですけど、今回は方言でしゃべれることを前提にキャスティングされていたり。

──その土地の人が声を当てることで説得力も出るでしょうし。

歌にしても、もし私が東京都出身だったら「なんで東京の人が名古屋の歌を?」みたいに思われるかもしれないじゃないですか。でも、そうならずに名古屋および東海地方のファンの方から「ありがとう」と言っていただけたのも、私が愛知県出身だったからだと思うんです。

「八十亀ちゃんかんさつにっき」を読む戸松遥。

──「八十亀ちゃん」の原作マンガを読んだときはどう思いました?

共感することばかりでしたね。もちろん純粋にいい面もあるんですけど、どちらかと言うと「どうせみんな愛知のことそんなふうに思ってるんでしょ?」みたいな自虐を織り交ぜて描かれているのがかなりリアルで。あと、愛知では当たり前の習慣や常識が、他県ではまったく知られていなかったり。実際、「八十亀ちゃん」を読んだいろんな人たちから「愛知ってホントにそうなの?」と言ってもらえたりして面白いです。

──僕はアニメの第2話で、名古屋の水道水は木曽川から水を引いているからおいしいという話に「へええ」と思いました。

「名水」(名古屋の水道水の略)なので(笑)。私も実家に帰ると水道水をグビグビ飲んでいます。だから逆に家族からは「東京の人はお金出して水を買ってるの?」と言われますし、私も東京に出てきた当初はペットボトルの水を買う人の気持ちが理解できなかったんですよ。まあ、今では私も普通にお水を買っているんですけどね。

自宅で小倉トースト作って食べてます

──ここからは歌詞について具体的に伺います。まず曲名の「DELUXE DELUXE HAPPY」(デラ デラ ハッピー)からして、名古屋弁の中でもとりわけメジャーな「でら」とかけていますね。

そうそう。

──「でら」は標準語の「とても」や「めっちゃ」に相当しますが、名古屋の人は「でら」ってよく使います?

私の世代は普通に使っていますね。ただ、「どえりゃあ」は言わないんですよ。よく名古屋のお土産のキャッチコピーとかで「どえりゃあうみゃあ」と書かれていたりするんですけど、そういう言い回しは80歳オーバーぐらいのお年寄りしか使わなくて。逆に若い人が「みゃあ」って言うと、名古屋の人からも「ぷぷ」って笑われちゃいます。

──そして1番Aメロ前半の歌詞は、「7時58分」に起きて、名古屋が発祥と言われる喫茶店の「モーニング」で、名古屋の喫茶店文化を象徴する「あんこたっぷり」の「トースト」すなわち小倉トーストを食べるという。

やっぱりモーニングは有名ですよね。コーヒー1杯分の料金でトーストとゆで卵がモリモリ付いてくるし、作中でもそのネタが出てくるんですよ。しかも「7時58分」っていうのも「758=ナゴヤ」にかけつつモーニングを食べに行くのにもちょうどいい時間なので、芸が細かいですよね。

──戸松さんは、小倉トーストはお好きですか?

好きなんです! 実は最近、小倉トーストがマイブームなんですよ。東京に出てきてから全然食べてなかったんですけど、あるとき「そういえば小倉トーストっておいしいよな」と思って、スーパーでチューブ入りのあんこを買ってきて、パンに塗って、ホイップクリームかバターを乗せて食べるとおいしくて。「なんだ、家で作れるじゃん!」ってうれしくなって、しょっちゅう食べています。

コンビニおでんに味噌が付かなくて寂しかった

──Aメロ後半の「派手でゴージャス」というのも……。

名古屋女子の特徴ですね。

──サビの「キラキラ待つの(DELUXE DELUXE HAPPY)時計の下」は、名古屋駅の金時計ですよね。僕も取材で名古屋に行ったときに前を通ったことがあります。

戸松遥

はい。東京で言えば渋谷駅のハチ公像クラスのザ・待ち合わせ場所というか……多分あそこしかないんですよ、名古屋駅の待ち合わせ場所って(笑)。私もよく金時計の下で待ち合わせしていましたし、これも作中に出てきますね。

──同じくサビの「この広い道(ME SO HAPPY)どこにいても」の「この広い道」も名古屋ワードですよね。

そうなんです。名古屋は道が異常に広くて、4車線、5車線の道路が普通にあるので。あと、「ME SO HAPPY」という掛け声の「ME SO」は当然「味噌」だし、そのあとの「キミの味付け濃い心」も、名古屋の食べ物は全体的に味付けが濃いからでしょうね。

──やはり名古屋では味噌をよく使うんですか?

当たり前のように使っていましたね。例えばコンビニでおでんを買うと「味噌をお付けしますか?」って聞かれるんですよ。私は絶対に味噌を付けるんですけど、東京だとどこのコンビニに行っても聞かれなくてすごく寂しかったです(笑)。

──続く「終わりがない乙女心」の「終わり」は、名古屋市を含む現在の愛知県西部にあたる旧国名「尾張」とかけてますよね。

そうか! それは私は気付きませんでしたけど、安藤先生たちだったら絶対そこまで考えていますよね。