アゲアゲなセットリストじゃなくても成立する空間

──皆さんが今年のラインナップで気になる方は？

黒沢　僕はMichael Kanekoくんですね。以前から気になってるんですけど、まだ生でステージを観たことがないんです。あとは2日目の草ケ谷遥海さんも観てみたいし、Kan Sanoさんも……土岐さんはKan Sanoさんと一緒にライブをやってたよね？

土岐　そうなんです。私のツアーを一緒に回っていただきました。

黒沢　「TOKYO MUSIC CRUISE」で注目した人とはすぐに距離を縮めて仲良くなるパターンが多いですね。「普段どうしてるの？」と話しかけて、素晴らしい才能の人脈をドンドン増やしています（笑）。

chihiRo　私はI Don't Like Mondays.を観てみたいですね。ドラムの方とは一度ご挨拶したことがあるんですけど、音楽のよさはもちろん、すごいイケメン集団だなあと思っているので。

黒沢　BRADIOも観たいし……結局全部観たいってことだよね（笑）。

土岐　私は黒沢さんと竹本（健一）さんの共演も観たいですし、Hanah Springさんも気になりますね。HanahさんとはSNSで共通の知り合いが多いので、よく「知り合いかも？」みたいな欄に出てくるんですけど、そこにアップされてるご自宅での歌唱動画がすごく素敵なんですよ。なので実際にライブを観てみたいなと思って。

黒沢　彼女は素晴らしいですよ。でも、僕も誰かのライブのゲストで歌ってるのはよく観てるんだけど、本人の単独のステージは観たことないかも。

chihiRo　彼女は飛び入りで参加するのが得意なんですよね。以前もジルデコのファンクラブイベントにいらっしゃって、ステージに上がってくれたんですよ。「歌う？」って聞いたら「歌う！」って二つ返事で（笑）。

──お三方はそれぞれ今回のライブで「TOKYO MUSIC CRUISE」ならではのセットリストや演出を考えてるのでしょうか？

土岐　会場にはイスがありますし、おいしいフードや飲み物もあって、自分の時間を自由に楽しめる雰囲気なんです。もちろん音楽に集中してもいいし、会場の空気感を楽しんでもいいし。ほかのフェスと違って必ずしもアゲアゲなセットリストじゃなくても成立する空間なので、普段あまりやらないような“隙間のある楽曲”も考えてます……とか言って、すごくアゲアゲのセットになったりして（笑）。

黒沢　僕は竹本くんと2人でステージに上がるんですが、2人で作ったコラボ曲だけじゃなくて、彼自身の歌をフィーチャーする時間もちゃんと用意しようと思っています。それと実はほかにもコラボを考えてまして。これはショックなんですけど、おそらく8月17日の出演者の中で僕がいちばん年上なんですよ（笑）。なので先輩の特権を生かして、何アーティストかに声をかけてまして、おそらくいつもとは全然違うステージになると思います。だから皆さん、僕のステージは22時からで遅いですけど帰らないでください（笑）。

chihiRo　私は2日目のスカイチャペルに出演するんですけど、ジルデコに「TOKYO TOWER」というタイトルの曲がありますし、会場の雰囲気に合いそうなものをいくつか披露しようと思ってます。先日JiLL-Decoy DUO名義の作品（2018年2月発売のミニアルバム「Zinger」）でコラボしたミズノマリさんと澤田かおりさんが両方出てくださるんですよ。リリースツアーのときは実現できなかった共演ライブがここでお披露目になります。

黒沢　コラボはそういう場がないと、なかなかできないもんね。

chihiRo　そうなんですよ。1人で2人分のパートを歌ってたつらい時期をやっと乗り越えて……。

黒沢　わかる！ レコーディングするときはデュエッターがいるからすごくアガってるけど、そのあとでパフォーマンスするときはお相手がいないことが多くて。2人の立場がそれぞれ違う曲を1人で歌うときのつらさはあるよね。あと、自分のアピールになってしまって恐縮なんですが、実は今回、僕はフードにも関わってるんですよ。会場で僕のプロデュースしたカレーを食べることができます。

土岐・chihiRo　え、すごーい！

黒沢　なので、今回は出演者の方にもご賞味いただけるとうれしいですね。

chihiRo　やったー！

──それはお客さんも食べられるんですよね？

黒沢　もちろんです！ 出演オファーをいただいたときにちょうど新作のレシピができたところだったので、タイミングがよかったです。どんなカレーになるのかは、当日までのお楽しみにしていただければ。会場がスパイスの香りで充満しないか心配ですね。

土岐　（笑）。

黒沢　僕の歌は嫌いになっても、カレーは嫌いにならないでください（笑）。

お盆に時間を持て余してる人にも

──ステージにせよフードにせよ「TOKYO MUSIC CRUISE」ならではの要素が楽しめる贅沢な2日間になりそうですね。

黒沢　参加者の方々が普通のフェスとはまた違った、非日常の空間を楽しめるところがすごくいいと思うんですよね。普段よりもさらにドレスアップしても大丈夫ですし、僕らもそういう人たちがより素敵に見えるように歌いますから。

土岐　時間をかけなくてもスッと来れる非日常の空間になるので、東京で時間を持て余してる人にもピッタリ。すごく贅沢な場所なんじゃないでしょうか。

黒沢　お盆で時間を持て余している都会人にもおすすめですね。

土岐　ホテルのエントランスにタクシーが止まってるからどんなに遅くなっても絶対に帰れるし。地下鉄の駅も近いし。

黒沢　そうそう。その日に思いついてフラッとも行けるし、宿泊プランでプチバカンスしてもいいし。こんなにも音楽があふれてるホテルって、ハワイとかカリフォルニアに行けばありますけど、日本には少ない気がするんですよ。だから日帰りだったとしても、ある種の旅行気分は味わえるかもしれないですね。

──毎年リピートして訪れているファンは必ずいるでしょうね。

chihiRo　去年来ていただいたジルデコのファンの中には「今年も行く」とおっしゃってくださる方が多くて。追加アーティストが発表されるたびに「あの人も出る！」って興奮状態になってます。たぶんラインナップ的にも“俺得”な人がいっぱいいらっしゃるんじゃないですかね。

土岐　ほかのフェスにはない贅沢さや気楽さがあることを知ったら、皆さん飛びつくんじゃないかなと思います。お客さんも年々増えてる印象がありますし、メンバーの家族が遊びに来たときも、お客さんのエリアでフードやお酒を楽しんでて、ワイングラスを片手に戻ってきたら、ほろ酔いで「こんなに楽しいイベントあるんですね！」と言ってたんですよ。お客さんも本当に楽しめてるんだと思いましたね。

黒沢　さっき土岐さんも言ってましたけど、会場の音もしっかりしてるのでライブをやりやすいんですよ。楽しいだけではなくて、ちゃんと音楽を聴かせたいことが伝わるフェスだと思います。シチュエーションによって楽しみ方が変わるだろうし、それによってホテルの楽しみ方も変わるだろうし。ホテル自体のレコメンドにもなってますよね。

──もし皆さんがホテルを会場に音楽イベントを企画できるとしたら、どんなイベントをやってみたいですか？

土岐　黒沢さんだったらきっと「カレーイベントをする」って言うんじゃないかと思ったんですけど、今回カレーを出されるわけですからすでに実現していることですね。

黒沢　ハハハ（笑）。僕はもう少し歳を重ねてからのマジメな夢として、ハワイでラウンジシンガーになりたいと思ってるんですよ。なので、もしオーナーになったら、まず自分がレコメンドするアーティストと一緒に、オーナー自ら夜な夜な歌えるような環境を作りますね。僕がいろんなアーティストに直接ブッキングして、毎日フェスをやるのが夢です。それとカレーのメニューは絶やさない（笑）。

chihiRo　私は大規模なパジャマパーティをしたいです。例えばホテルのスイートルームのような大きな部屋がステージになってて、みんな寝巻きで隣の部屋を行き来しながら、寝たい人はそこらへんに寝っ転がったりとかして。アーティストもあぐらをかいてたり、同じベッドの上にいろんな人が乗っかってたり。

土岐　おお。

黒沢　それ、面白い。廊下にもクッションをいっぱい置いとかなきゃいけない。

土岐　私は有線のチャンネルとかを使って、部屋でもステージの音を聴けたり、テレビで観たりできるといいなあと思って。

黒沢　それもいいねえ。例えばご家族で来てお子さんが寝てしまっても、部屋で楽しめますもんね。そういうときは部屋で飲みながら観れるわけだし。それはホテルのフェスじゃないとできない楽しみ方ですよね。

chihiRo　最高ですね。

──では最後に「TOKYO MUSIC CRUISE」というイベントに興味を持たれた方へのメッセージをいただけますか。

chihiRo　ジルデコのファンの中には「プリンスホテルは敷居が高くて……」とつぶやかれてる方もいるんですけど、全然そんなことはないと思うんです。興味を持っていただいたら気軽に来ちゃっていいと思うんですよね。もちろんお洒落してきてもいいし、フェスだと思って気軽なスタイルでもいい。敷居が高いものと思わず来てくれるとうれしいです。

黒沢　お友達同士だけでなく恋人同士の方、もちろんお一人で来られても十分楽しめるイベントだと思います。

土岐　ご家族とかご夫婦とか、いつも一緒にいる方とも特別な思い出を作っていただける空間だと思いますので、日常の延長の非日常を楽しんでいただければと思います。ご家族でぜひ。

黒沢　先ほども言いましたけど、チケット代もリーズナブルだと思いますし、出演者も腕に覚えのあるアーティスト、ミュージシャンばかりなので、ぜひ遊びに来ていただければと思います。「こんな素敵なアーティストがいたんだ！」という出会いが必ずあると思うので。できれば僕の出番がある22時になっても会場に残ってていただいて（笑）。なんなら宿泊もして、スカイチャペルでの特別なコラボも観に来てください！