「Tokyo Jazz X 2」 PR

Tokyo Jazz X 2|岸本亮(fox capture plan)×mabanua(Ovall)新しい何かを取り入れようとするのがジャズ

8月31日、9月1日に東京・WWWおよびWWW Xで、ライブイベント「Tokyo Jazz X 2」が開催される。

「Tokyo Jazz X 2」は国内最大級のジャズフェスティバル「第18回 東京JAZZ」の関連イベントとして、NHKエンタープライズとぴあが合同主催するショーケースイベント。1日目はfox capture plan、2日目はmabanua(Ovall)がキュレーターを務める。音楽ナタリーでは岸本亮(fox capture plan)とmabanuaによるキュレーター同士の対談をセッティングし、それぞれが掲げるテーマやキュレーションしたアーティスト、さらに「第18回 東京JAZZ」の見どころなどについて語ってもらった。

取材・文 / 西澤裕郎 撮影 / 斎藤大嗣

聴く人の解釈次第

──昨年初開催されたライブイベント「Tokyo Jazz X」が、今年も2日間にわたり開催されます。初日のキュレーターはfox capture planで、テーマは「X-Planation(エクスプラネーション)」ですよね。

左から岸本亮(fox capture plan)、mabanua(Ovall)。

岸本亮(fox capture plan) fox capture planの“plan”を文字って「X-Planation」(explanation=説明・解釈)というのが面白いんじゃないかと思い、聴く人の解釈次第でジャズを広い角度で見てもらえるようなテーマで出演アーティストを選びました。fox capture planはスタンディングの箱だけじゃなく、ジャズクラブ、ホール、野外フェスと場所を選ばずにライブをするし、演奏曲のジャンルもそんなに区別せずに活動していて。そういう部分の感覚にも近いラインナップになっているんじゃないかと思います。

──土岐麻子さん、jizue、グッドラックヘイワ、SANABAGUN.という1日目のラインナップについてmabanuaさんの感想を聞かせてください。

mabanua(Ovall) グッドラックヘイワはだいぶ昔に「朝霧JAM」で観た記憶があるんですけど、まさか「Tokyo Jazz X 2」に出てくるとは思わなくて、すごく新鮮な印象を受けました。jizueはインストで、土岐さんは歌モノですけど、醸し出しているオーガニックさみたいな部分は共通しているなと。fox capture planもフィールドは違うんだけど、音楽の中に共通する匂いみたいなものをすごく感じるんですよね。並べてみたときに統一感が取れていて、すごくびっくりしました。

──mabanuaさんが言う「オーガニックさ」とは、どういうものなのでしょう?

mabanua 例えば土岐さんの音楽を好きな人は多いと思うんですけど、土岐さんの人柄を通じてファンになっている人もたくさんいると思うんです。グッドラックヘイワも野村卓史さんや伊藤大地さんの人となりが好きでファンになっている人も多いかもしれない。音楽はもちろん大事なんだけど、音楽のうしろにある人柄みたいな部分を感じられることがオーガニックな部分かなと思います。

──なるほど。岸本さんのブッキングのポイントはどこでしたか?

岸本亮(fox capture plan)

岸本 土岐さんは海外公演でご一緒したりと実際に共演経験があったので、すぐに声をかけさせていただきました。jizueはよく対バンをすることと、レーベルが異なることが大きなポイントでしたね。Playwrightのレーベルメイトもたくさんいるんですけど、ほかのレーベルで活躍しているバンドを呼んだほうが広がりが見えて面白いかなと。グッドラックヘイワに関しては自分たちが結成する前からリスペクトしていたバンドだったということと、彼らのファンもまたジャズとかインスト以外の音楽に対しても幅広く興味がある方たちが多いという点ですね。「Tokyo Jazz X」らしくないブッキングというか、意外性が面白いかなと思って選びました。

──そこにSANABAGUN.も出演が決定しました。

岸本 彼らはライブパフォーマンスが圧倒的なんです。札幌で対バンしたとき、ボーカルの高岩(遼)さんのビバップのフレーズを取り込んだスキャットがすごかった。ジャジーヒップホップというよりもヒップホップ的ですけど、そこにがっつりジャズを感じました。バランス感覚もすごいので、今回出てくれることがとてもうれしいです。

カッコよく新しいものを取り入れる

──岸本さんはオフィシャルサイトに掲載されたコメントで「ジャズミュージシャンがヒップホップ、ポストロックなどを取り込んだ音楽がメインストリームで支持される昨今」と書かれていましたが、初日のミュージシャンたちは、ジャズに何か違うものを取り入れているアーティストでもありますよね。

岸本 まさに土岐さんの最近の音源にはポップス要素があるんですけど、ベーシックにはジャズミュージックを感じるんです。ベーシックにジャズがあるという点ではjizueやSANABAGUN.もそうですよね。ジャズの影響はあるんですけど、それを表面には強く出さずに、ポストロックやヒップホップなどの音楽性を表現しているのが今の日本っぽいかなと。

左から岸本亮(fox capture plan)、mabanua(Ovall)。

──fox capture planもジャズに新たな要素を積極的に取り入れていますね。

岸本 そういう意味でjizueには、自分たちよりも先にそこに挑戦していたというリスペクトがあります。

──mabanuaさんはジャズに新しい要素を入れることについて、どのように考えていますか?

mabanua 新しいものを取り入れようと、奇をてらいすぎてしまうといけない気がしていて、Ovallではカッコよく新しいものを取り入れるにはどうしたらいいかをよく考えています。Ovallがジャズかと言われたら、あまりジャズではないのかもしれないんですけど(笑)。新しい何かを取り入れようとする行為そのものがジャズで、そういうことが大事なのかなと思いますね。

岸本 確かに新しいことをやっていかないと行き詰まるという気持ちはありますね。マイルス・デイヴィスとか、ハービー・ハンコックは常に進化しているというか、急激に違うことを始めたりするじゃないですか。自分の中でこの2人はジャズミュージシャンらしいイメージです。

こだわり抜いた「クロスオーバー」

──2日目はmabanuaさんのキュレーションで、「X-Over(クロスオーバー)」というテーマのもと、Ovall、向井太一、PYRAMID×Hanah Spring、STUTS、starRoがラインナップされています。

mabanua(Ovall)

mabanua このテーマを考えたとき、海外と日本、世代間、メジャーとアンダーグラウンドの3方向で出演アーティストをクロスオーバーさせたいと思いました。出てもらいたいミュージシャンがいても、ベテラン×ベテランになってしまうので仕方なくリストから外した人もいるぐらいこだわっています。starRoさんや神保彰さん(PYRAMID)は海外で活躍しているし、Ovallと(向井)太一くんも最近アジアでもライブを行うようになっていて、国内外で活動し始めているチームでもある。STUTSくんは星野源さんの楽曲制作を手がけたり、自分のアルバムをインディーで出したりして、メジャーとインディーを行き来する人代表として選びました。PYRAMIDの神保彰さん、和泉宏隆さん、鳥山雄司さんたちとSTUTSくんはお父さんと子供ぐらい世代の開きがあるのもすごくいいなと思っていて。そういう要素で選びましたね。

──2日目のラインナップを見て、岸本さんはどのような印象を持ちましたか?

岸本 すごくバランスがいいなと思いました。STUTSさんやstarRoさんはコアな音楽好きにもすごくハマると思いますし、Hanah Springさんも素晴らしいですよね。向井太一くんとは、僕がKeishi Tanakaのサポートをやっているときに小さなライブハウスで対バンをしたことがあったんですが、めちゃくちゃ素晴らしいボーカリストが出てきたなと思ったのを覚えています。自分たちのキュレーションする初日に出てほしかった。やられたと思ったけど、カラー的には「X-Over」の日のほうが合っていたと思いますね。PYRAMIDは意外だったんですが、mabanuaくんとPYRAMIDがつながってHanahさんと共演というのは、すごく面白いアイデアがたくさん詰め込まれているなと思いました。

mabanua 実は各々が全員関係しているんです。starRoさんと僕は一緒にイベントでセッションさせていただいたことがあって。Hanahちゃんは昔からの知り合いだったし、太一くんは僕がプロデュースをさせてもらいました。太一くんはstarRoさんと一緒に曲を作っていたり、STUTSくんは僕と共通のアーティストのプロデュースをしていたりしていて。PYRAMIDは僕とHanahちゃんがボーカルでレコーディングに参加していて、全員が全員、実はどこかで関わっている。そういう意味でも、全員がクロスオーバーしているんですよ。

Tokyo Jazz X 2

  • 2019年8月31日(土)東京都 WWW / WWW X OPEN 15:00 / START 16:00<出演者> fox capture plan / SANABAGUN. / jizue / 土岐麻子 / グッドラックヘイワ / SALIOU(オープニングアクト)
  • 2019年9月1日(日)東京都 WWW / WWW X OPEN 15:00 / START 16:00<出演者> Ovall / 向井太一 / PYRAMID×Hanah Spring / STUTS / starRo

第18回 東京JAZZ

the Hall
  • 2019年8月31日(土)東京都 NHKホール [昼の部]OPEN 11:30 / START 12:30<出演者> MISIA×黒田卓也(コーリー・キング、クレイグ・ヒル、大林武司、ラシャーン・カーター、トモ・カンノ) / ミシェル・ンデゲオチェロ(クリス・ブルース、エイブ・ラウンズ、ジェビン・ブルーニ) [夜の部]OPEN 17:00 / START 18:00<出演者> The Chick Corea Akoustic Band with ジョン・パティトゥッチ and デイヴ・ウェックル / Avishai Cohen Trio featuring マーク・ジュリアナ and エルチン・シリノフ
  • 2019年9月1日(日)東京都 NHKホール [昼の部]OPEN 11:30 / START 12:30<出演者> チャールス・ロイド "Kindred Spirits" featuring ジュリアン・ラージ、ジェラルド・クレイトン、ルーベン・ロジャース and エリック・ハーランド / カマシ・ワシントン(リッキー・ワシントン、ライアン・ポーター、BIGYUKI、ロナルド・ブルーナー・ジュニア、トニー・オースティン、マイルス・モズレー、パトリス・クイン) [夜の部]OPEN 17:00 / START 18:00<出演者> The Chick Corea Elektric Band with フランク・ギャンバレ、エリック・マリエンサル、ジョン・パティトゥッチ and デイヴ・ウェックル / Snarky Puppy(マイケル・リーグ、マルセロ・ウォロースキ、ボブ・ランゼッティ、ビル・ローレンス、ボビー・スパークス、ジャスティン・スタントン、ジェイムソン・ロス、クリス・ブロック、マイク"Maz"マーハー)
the Plaza
  • 2019年8月30日(金)東京都 代々木公園ケヤキ並木 <出演者> Hanah Spring / Z EXPRESS BIG BAND
  • 2019年8月31日(土)東京都 代々木公園ケヤキ並木 <出演者> Kie Katagi / bohemianvoodoo / マーティー・ホロウベック with SMTK / Laurent Coulondre / Jeff Herr Corporation
  • 2019年9月1日(日)東京都 代々木公園ケヤキ並木 <出演者> 青山学院大学Royal Sounds Jazz Orchestra / Eiko + Eriko / Afro Begue / Maris Briezkalns Quintet / Gentle Forest 5 & Gentle Forest Sisters / Wojtek Mazolewski Quintet / Andrew Lim Trio / モミーFUNK!
fox capture plan(フォックスキャプチャープラン)
fox capture plan
岸本亮(Piano / JABBERLOOP / POLYPLUS)、カワイヒデヒロ(B)、井上司(Dr)からなるバンド。それぞれ違った個性を持つバンドで活動する3人が集まり2011年に結成した。“現代版ジャズロック”をコンセプトとしたサウンドで話題を集め、2012年8月にタワーレコード新宿店のみで発売したCD-R「Sampleboard」はフロアデイリーチャート1位を記録する。2013年5月には初のフルアルバム「trinity」、2013年12月に2ndアルバム「BRIDGE」をリリース。2015年は「fox capture planとして3枚のアルバムをリリースする」と宣言し、4月にミニアルバム+ライブDVD作品「UNDERGROUND」、7月にカバーアルバム「COVERMIND」、11月にオリジナルアルバム「BUTTERFLY」を発表した。2017年にTBS系ドラマ「カルテット」、2018年4月にフジテレビ系月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」、同年7月にフジテレビ系「健康で文化的な最低限度の生活」の劇伴を担当。2019年5月には初の配信シングル「夜間航路」をリリースした。
fox capture plan「夜間航路」
2019年5月22日配信開始 / Playwright
fox capture plan「夜間航路」
mabanua(マバヌア)
mabanua
バンドOvallのドラマーをはじめ、プロデューサー、シンガーとしても活躍するアーティスト。Ovallの活動と並行して2008年にソロ活動をスタートし、11月に初のソロアルバム「done already」をリリースした。2012年に発表した2ndソロアルバム「only the facts」はiTunes Storeのダウンロードランキングで1位を獲得するなどロングヒットを記録。またChara、Gotch(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、矢野顕子、くるり、RHYMESTER、米津玄師、藤原さくら、Negiccoなどのプロデューサー、ドラマー、リミキサーを担うほか、CM楽曲や映画、ドラマ、アニメの劇伴も多数担当する。2018年にはテレビアニメ「メガロボクス」の劇伴を手がけ、6月にオリジナルサウンドトラックも発売。同年8月には前作から約6年ぶりとなるアルバム「Blurred」を発表した。
mabanua「Call on Me feat. Chara」
2019年6月14日配信開始 / origami PRODUCTIONS
mabanua「Call on Me feat. Chara」