音楽ナタリー Power Push - 東城陽奏
フレッシュな17歳アニソンシンガーが描く未来
17歳の新人アニソンシンガー、東城陽奏のデビューシングル「Misty」が11月30日にリリースされた。
表題曲「Misty」はテレビアニメ「奇異太郎少年の妖怪絵日記」のエンディングテーマに採用された。アニメの主人公・奇異太郎の心情ともリンクする切なくも温かいミディアムバラードだ。カップリング曲「想い出の宝箱」も同じくバラードで、本人曰く「大切な人たち」に向けて歌った1曲。いずれもレコーディング当時16歳とは思えない情感あふれる歌声を披露している。
音楽ナタリーではこのデビューシングルに込めた思いはもちろん、音楽の原体験からデビューへ向けての戸惑いや意気込み、そして今後の展望まで、本人に話を聞いた。
取材・文 / 須藤輝 撮影 / 木場ヨシヒト
「天才てれびくん」で音楽に目覚めた
──音楽に興味を持った最初の記憶は?
2歳とか3歳くらいのときから歌ったり踊ったりしてたみたいです。自分ではよく覚えてはいないんですが、両親が撮ってくれたビデオには記録として残ってます。「天才てれびくん」のエンディングとかで、てれび戦士(番組に出演する子役タレント)たちの真似をしていました。
──「私は歌が好きなんだ」と自覚した瞬間って、覚えてます?
自覚的に……瞬間……うーん。
──いや、そんな明確なきっかけじゃなくても、なんとなくでもいいんですけど。
うーん、やはり「天才てれびくん」の影響は大きかった気がします。「歌っていいなあ」っていうふうに思ったきっかけかもしれません。
──では、本気で歌手になろうと決心したのはいつ頃?
小学生の頃から漠然と「歌を歌う仕事をやりたい」っていう気持ちはあったんですが、私はあんまり口に出して自分の夢とか目標を言える性格ではなかったんです。でも、中学1~2年生くらいのときに、仲のいい友達が「私、歌手を目指してるんだ」って言ってきたことがあって。それ以来、私も「歌手になりたい」って言ってもいいんだなと、積極的にオーディションも受けるようになりました。
ニコ動発信のアニソンがきっかけでアニメ好きに
──オーディションというのは、具体的にはどういう?
最初に受けたのがアニメソングのオーディションだったんです。それがきっかけで、アニメソングを歌う、いわゆるアニソンシンガーという存在を知ったんですよ。結局、全部で10回くらいオーディションを受けてきたんですけど、どれもアニソン系でしたね。
──アニメはもともとお好きだったんですか?
はい。小さい頃から観てきました。あと、私は小学生のときからニコニコ動画が好きで、ニコ動ではVOCALOIDやアニソンも流行ってたので、その流れでいろんなアニメを観るようにもなって。
──ニコ動発信のアニソンから、その曲が使われているアニメ作品につながるみたいな?
そうですね。中学生のときには「マクロスF」とかが流行ってました。最初のオーディションでは中島愛さんの「星間飛行」を歌って、「キラッ☆」もちゃんとやりましたよ。あとは「涼宮ハルヒの憂鬱」も好きだったので、その関連楽曲も別のオーディションで歌いました。
──で、そのようなオーディションを経て今回デビューが決まったと?
はい。あるオーディションで最終審査まで残ったときに、今お世話になっているレーベルさん(AQUA ARIS)に声をかけていただきまして、こうしてデビューすることになりました。
深夜アニメは撮り溜めてまとめて見る派
──そのデビューシングルの表題曲「Misty」は、アニメ「奇異太郎少年の妖怪絵日記」のエンディングテーマに採用されています。
私はもともとギャグ要素の強い、コミカルなアニメが好きなのですごくうれしいです。「奇異太郎」は、一見すると妖怪が出てくる日常系のギャグアニメっぽいんですけど、それでいてほんわかするところが好きです。
──「奇異太郎少年の妖怪絵日記」は5分枠のショートアニメで、おっしゃる通り深夜にちょっと気分が和むというか、ちょうどいい感じがしますよね。
ですよね。完全にコメディに走るのではなく、最後はいい話で締めてくるパターンが多くて。キャラもかわいいですし。
──僕らの世代だと、妖怪といえば水木しげる先生で、「奇異太郎」という名前もキャラの見た目も「ゲゲゲの鬼太郎」のオマージュだと思われますが、今の10代もそのへんわかります?
わかります。よく目玉おやじのマネしてる子とかいますよ。「おい、鬼太郎!」って。
──こういう深夜アニメは普段からご覧になります?
見ます。でもちょっとマイペースというか、リアルタイムでは追えてなくて。1話は放送日にだいたいチェックして、その中から気に入った作品は2話以降を録画して、時間があるときに追いかけるみたいな。だからうっかりネットでネタバレを知っちゃうこともあるんですけど(笑)。
次のページ » 今、この瞬間に戸惑っている?
収録曲
- Misty
[作詞:Reom / 作曲:U-NO / 編曲:Kanki、U-NO] - 想い出の宝箱
[作詞:Reom / 作曲:U-NO / 編曲:Kanki、U-NO] - Misty(Instrumental)
- 想い出の宝箱(Instrumental)
- Misty(-TV ver.-)
ライブ情報
- LEVELS Night vol.1
- 2016年12月9日(金)東京都 新宿 RUIDO K4
- <出演者>
逢瀬アキラ / 紫苑雪 / 東城陽奏 / 福山沙織 / MISAKI(Confetti Smile)
東城陽奏(トウジョウハルカ)
女性アーティスト。幼少の頃より歌手を目指し、2016年10月に放送がスタートしたテレビアニメ「奇異太郎 少年の妖怪絵日記」のエンディングテーマ「Misty」を担当し16歳でデビューを果たした。11月に同曲を表題曲とした1stシングルをリリースした。