ナタリー PowerPush - スムルース

フルカラーで描き出す心の風景 ニューアルバム「Beautiful Days」

ささいな日常の風景を、美しく耳になじみやすい楽曲の形で切り取り続けているスムルース。彼らが今回リリースする13枚目のオリジナルアルバム「Beautiful Days」には、まさにそんな“心の風景”が凝縮された全10曲を収録。キャッチーなメロディと普遍性を持った歌詞が、幅広い年齢層にアピールする1枚となった。

ナタリー初登場となる今回は、アルバムの制作秘話についてメンバー3人を直撃。作詞作曲を手がける徳田憲治(Vo, G)のメンタリティについても深く迫った。

取材・文/川倉由起子

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恋愛の歌詞は“あるある”を綴っている

──今作は前のアルバム「HAND」から半年ちょっとというやや短いスパンでのリリースですね。制作は前作の発表後に始めたんですか?

小泉徹朗(B, Cho) 基本はそうですね。

徳田憲治(Vo, G) でも制作は同時進行でずっとやってるんで。少し前に作ったデモもあるんですが、基本は書き下ろしです。

──スムルースの音楽には、日常的で、すぐ身近にあるような気持ちがあふれてるなって感じました。歌詞は実話をベースにしているんですか?

徳田 いや、僕の歌詞に関しては基本的にイメージで書いてますね。僕の人生だけで書くと、キリがあるというか、すぐ終わっちゃうんで(笑)。基盤になるのは自分の経験だけど、大体は「こうなれば、こう思うだろう」って想像して。そういう“あるある”を書き綴っている感じなんです。

──でも、それにしてはちょっとリアルすぎて(笑)。変な意味ではなく、少女マンガを読んでいるようで。

徳田 ああ、ロマンチストですからね、僕が(笑)。

──やっぱり!?(笑) それは女性によく言われるんですか?

徳田 いや、僕自身がそう思ってるだけです。付き合う女性に必ず言われるのは「デリカシーがない」です。

──でも、こんなロマンチックな歌詞を書かれる人が、そんなデリカシーのない行動をとるとは思えないです。付き合った女性から見たら、そういうふうに映ることもあるんですかね。

徳田 むしろ、そうとしか映ってないみたいです(笑)。やっぱりパッと見る感じと私生活とは全然違うんでしょうねぇ。

全員 わはははは(笑)。

基本は女性に聴いてもらいたい歌が多い

──先程「基盤には自分の恋愛経験も入ってる」っておっしゃってましたよね。歌詞を読む限り、徳田さんはちょっと情熱的なタイプなのかなぁって思って。例えば切ない失恋ソング「ALL MY SONGS FOR YOU」、すごく胸に響きました。

徳田 ありがとうございます。これは僕的にも納得のできばえですね。エエの書けたぞっていう。

──ストーリーが映画みたいですよね。

徳田 確かに。でもこれもイメージで「(カップルで)マグカップ探すやろう!」と思って書いたり。あとは僕が書くのって、基本は女性に聴いてもらいたいっていう歌が多いんです。恋愛の歌なんでね。恋愛の話って男同士はしないじゃないですか?

──みたいですね。女性から考えたら不思議なんですけど。

徳田 すっごいオチのある話だったらしますよ? でも普段は本当にしないんですよ。

小泉 具体的なことまではね。

回陽健太(G, Cho) それやったらラーメンの話とかになるなぁ。

徳田 ああ、なんでやろ(笑)。男子はラーメンの話のほうが長続きしますね。

──女子は恋愛の話しかしないくらいですよ。

徳田 そうでしょ? だから僕、そういうところを気にかけながら歌を作っていこうかなと。でも、男子も“女性性”っていうのを持ち合わせてるはずなんです。女子は声に出してコミュニケーションする一方、男子はそれをしないだけで。だから女性限定っていう意味じゃなく、“女性性”に向けて歌ってる感じになりますかね。

付き合ってみたら、何個隠しブタあんねん!って(笑)

──そういうスタンスは、デビュー当時から変わらず?

徳田 はい。わからないことのほうがやっぱり興味がわくから。男性が感じることってほぼみんな同じかなって思うんですけど、女性は行動パターンにしろ考えにしろ女性の数だけ違うものがある気がするんです。で、奥が深いなって思って付き合ってみたら、何個隠しブタあんねん!みたいな(笑)。心のこんなところに扉あんのや、ここ開けたらアカンのかな、とかね。

──なるほど。でも、そのおかげなのか、それぞれの曲で歌われているのは全部別の女性なのかなって具体的にイメージできるぐらい豊かな歌詞で。聴いてて、そのバリエーションが単純に面白かったです。

徳田 良かったです! それ、うれしいですね。

──あと歌詞だけでなく、演奏からもいろんな思いを感じます。「ALL MY SONGS FOR YOU」の間奏のギターソロ、切なくていいですよね。

徳田 あれ、セクシーですよねぇ。

回陽 ありがとうございます。

──このギターフレーズはどういうイメージで?

回陽 言葉でいうなら、そのギターソロに入るまでに高まった気持ちが、フレーズとして出るっていうだけなんです。もともとギターソロが入るかどうか決まってない曲も多いんで、ここに隙間あるな、じゃあギターソロ弾いていいってことかな、みたいな感じで作っていきますね。今回のレコーディングは特に、現場に入ってから考えたり調整つけたりするってことが結構多かったです。

ニューアルバム「Beautiful Days」 / 2011年1月12日発売 / ヤマハミュージックコミュニケーションズ

  • 初回限定盤[CD+DVD] / 2800円(税込) / YCCW-10123/B / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤[CD] / 2200円(税込) / YCCW-10124
CD収録曲
  1. デコレーション・マイ・ウェイ
  2. 休日シンデレラ
  3. Beautiful Girl (Album Mix)
  4. ALL MY SONGS FOR YOU
  5. ドーナツについての考察
  6. ファイティング・スマイル
  7. 海にみとれて
  8. かたちをかえて
  9. ストンときれいな日々の意味
  10. ビューティフルデイズ
初回限定盤DVD収録内容
  1. Beautiful Girl PV
  2. Beautiful Girl イメージVTR
  3. ドーナツについての考察 PV by 徳田憲治
  • レコチョク / スムルースアーティストページ
  • iTunes Store
スムルース

徳田憲治(Vo, G)、回陽健太(G)、小泉徹朗(B)による3人組ロックバンド。1997年に京都の大学内の音楽サークルで結成し、現在も関西在住で活動を続ける。ユーモアあふれる歌詞と幅広い音楽性、一度観たら忘れられないライブパフォーマンスに定評がある。2003年、インディーズにして「SUMMER SONIC」に出演。2004年にはシングル「帰り道ジェット」でメジャーデビュー。以降、コンスタントに音源リリースとライブツアーを重ね、ファン層をさらに広げ続けている。