the telephones石毛輝×7ORDER諸星翔希|テレフォンズ×PAPUN BAND×諸星の海を越えたコラボ (2/2)

長い付き合いの友達のような閃亮

──諸星さんと閃亮さんはどんなところが気が合うんですか?

諸星 直感的なところや好奇心旺盛なところですかね。あと閃亮はすごく優しくて。

石毛 そうそう、めっちゃいいヤツ。

諸星 輝くんもそうです。やっぱり優しい人が好きですね。

諸星翔希(7ORDER)

諸星翔希(7ORDER)

石毛 閃亮とは最初の来日の前にオンラインで話したことがあって。その時点で共通点がたくさんあったから、「早く会いたい」と思ってました。だから会えたときは溜まってた思いをぶつけながら、とりあえず横でずっとお酒をイッキしてました(笑)。僕は人見知りで3回くらいイッキしないとちゃんと話せないので。閃亮も根はシャイだと思います。最初はずっと「カンパイ!」しか言ってなかった気がする。

諸星 途中から閃亮が「安全ベルト!」と何回も言い出して。たぶん自分に対して「飲みすぎるなよ?」と忠告していてくれたと思うんですけど(笑)。

石毛 第一言語が違うから、最初はがんばって英語でしゃべってましたけど、今は長い付き合いの友達のような感覚になっていて、そんなにしゃべらなくても楽しく過ごせていますね。

諸星 僕も最初は英語でがんばって話してましたけど、確かに今はもう何語でもよくなってますね。

──「Zan“讚”」の歌詞は英語と中国語と日本語が混ざっているうえに、言葉遊びがかなり入っていますよね。

石毛 言葉遊びしてる僕と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のことをひたすら歌ってる閃亮という感じです。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のセリフの「Hey Doc」というフレーズが何回も出てくるんですよ。閃亮は、めちゃめちゃその時代の映画やアニメが好きなオタクで。行ったことはないんですけど、閃亮の家は“台湾ズドリーム”と呼ばれてて、高そうなビンテージのフィギュアがめちゃくちゃたくさんあるらしいです。

左から石毛輝(the telephones)、諸星翔希(7ORDER)。

左から石毛輝(the telephones)、諸星翔希(7ORDER)。

左から諸星翔希(7ORDER)、石毛輝(the telephones)。

左から諸星翔希(7ORDER)、石毛輝(the telephones)。

the telephonesのライブで一番グッときた

──1つ前のコラボ曲「LV99勇者」についてもお聞きしたいのですが、この曲はPAPUN BANDからデモが送られてきたんですか?

石毛 そうですね。デモが2曲送られてきて「どっちが好み?」と聞かれて、「ドラクエ」っぽい「LV99勇者」を選びました。デモの段階でかなり好きなサウンドでしたね。そこからゲーム音楽のようなイントロを作ったり、サビっぽいパートを足したり、ギターをちょっといじったりしました。

──石毛さんが歌う「いつだって未来は 何も話さない だから底から 笑え 笑え 笑え 笑え」という歌詞の泣き笑い感はthe telephonesらしい歌詞だと思いました。

石毛 メロディにつられて出てきた歌詞ですね。最初に閃亮が作ってきた歌詞は全然違っていて。途中からベースの大寶(Bo Huang)も作詞に参加してくれたんです。そしたら「もしもし」「だれ」とか日本語が追加されていて。Snuffというイギリスのポップバンクバンドが岡本真夜さんの「TOMORROW」をカバーしてたのを思い出しましたね。外国の人が英語に聞こえるような発音で日本語を歌うような感じ。それもあって違和感がないなと感じていました。

石毛輝(the telephones)

石毛輝(the telephones)

諸星 「LV99勇者」を聴いたあとに、the telephonesさんとWiennersさんの対バンを観に行ったんですけど、今まで観たthe telephonesさんのライブで一番グッときました。the telephonesさんは、少し前に長島涼平さんが脱退して3人での活動が始まっていて。そういうタイミングだからこそ、輝くんは「LV99勇者」の泣き笑いのような歌詞を書いたのかなと感じました。自分の中で勝手にストーリーがつながってエモかったです。

石毛 あの日のライブは確かによかったですね。「Disco Punk Night!!!」という新曲を初めてやったというのも大きかったと思います。ちなみに翔希はその日の打ち上げにもいました(笑)。

諸星 謎に参加してましたね(笑)。

──石毛さんといるのは居心地がいいですか?

諸星 居心地はマックスいいです。輝くんも(松本)誠治くんもノブくんもファミリーとして自分を迎え入れてくれる感じがあって。ライブ後に楽屋に行くと自然にビールを持ってきてくれたりして。

石毛 でも7ORDER側も僕をファミリーのように受け入れてくれるんですよ。だから僕も7ORDERの打ち上げにけっこう行ってます。

石毛輝(the telephones)

石毛輝(the telephones)

諸星翔希(7ORDER)

諸星翔希(7ORDER)

地方で一緒にDJ後、潮干狩り

──諸星さんは石毛さんから音楽面で何か学んだことはありますか?

諸星 ORANGE RANGEのトリビュートバンド・アレンジレンジとORANGE RANGEの対バンイベントに誘ってもらって、そこでは「難しいことを考えずに一発カマす」ということを教わりました。最初は「どういうアプローチでいくのがいいんだろう?」と考えてたんですけど、とりあえずカマせばいいと背中を押してくれて。実際思い切って飛び込んだら、自分が音楽の中にグッと入り込めた感覚がありました。ライブの終盤、輝くんとおでこをくっつけながらお互い楽器を鳴らし合う中で、ライブの醍醐味を感じました。もちろんしっかり頭で考えることも大事だと思いますけど、本番では音楽に身を任せることが一番気持ちいいし、お客さんもノッてくれるっていうことを教えてもらいました。そこから7ORDERのライブでも決めるところはパワーで決めるみたいなスタイルになりました。

──the telephonesのライブはストッパーがなくて、とにかく振り切っている感じですよね。

石毛 そうですね。音楽に入り込んでます。その場にいる人を楽しませたいという気持ちが軸にあるけど、まず自分が楽しまないと楽しませることはできないと考えているバンドなんで。新体制になってからより、まず自分たちが楽しむことを極めたいと思ってやってます。

諸星 僕もライブが始まったら難しいことは考えずに楽しむスタンスになってきてますね。最初に対バンでthe telephonesさんのライブを観たとき、1音目から強さを感じたというか、音の圧を感じたんですよね。あと、終盤にノブくんがモップを持ち出していて驚きました。僕らがステージにモップを持ち込むことはしないかもしれないですが(笑)、そういうエンタメ性や即興性は7ORDERもどんどん取り入れていきたいなと思ってます。

──お互いのグループ、バンドの好きな曲はありますか?

石毛 「Who I Am」かな。「Zan“讚”」とはまた違うベクトルのシンセウェイブ感があるし、普通に曲としてカッコいい。あと、新曲の「STEP ON STEP」を7ORDERのファンクラブイベントで初めて聴いたときにすぐにいいなと思いました。めちゃめちゃファンクで、テンション上がりましたね。

諸星 僕は下北のSPREADの5日間連続ライブ(2024年に開催された「Disco Punk Night!!! Vol.1~the telephones 19th anniversary 5days party~」)で演奏されていた「Melancholy」ですね。会場の空気が透き通っていくような感じがして、「俺らもこういう曲を作りたい」と思いました。だから一緒に作ってください。

石毛 喜んで(笑)。この前、7ORDERの「Love shower」のライブアレンジをやらせてもらったんですけど、またそういうこともやっていけたらいいですね。

諸星 「Love shower」をライブ用にアレンジしたいねという話になったとき、すぐにメンバーの総意で「輝くんにお願いしよう」となりました。

左から石毛輝(the telephones)、諸星翔希(7ORDER)。

左から石毛輝(the telephones)、諸星翔希(7ORDER)。

石毛 最初、やりすぎて怒られましたけど(笑)。

諸星 でもあのバージョン、マジで面白かったです。

石毛 ダンスシーンで使うのかと思ってダンスしやすいようにアレンジしてみたら壊しすぎだったようで。

諸星 でも結局そのバージョンの一部をイントロに入れましたよね。

石毛 そう。

諸星 輝くんが1回バコーンって曲を壊してくれたので、自分たちの中で「Love shower」に対する固定観念がなくなったんですよ。それで、せっかくアレンジするんだったら突き抜けた部分もあったほうがいいと気付いて、最初のバージョンをイントロに使わせてもらいました。

石毛 あと、翔希にはDJ機材をあげたこともありますね。

諸星 そうなんです。輝くんと水面下で話しているのは、俺がDJを始めれば輝くんの地方のイベントにDJとして参加できる。そうしたら地方でも飲めるので。そのために今DJを勉強中です。

石毛 もちろんDJはちゃんとやりつつですけど、そういう楽しみ方もできたらなって。お互い貝がめっちゃ好きなので、地方でDJして、そのあと一緒に潮干狩りがしたい。

諸星 それめっちゃいいですね!

石毛 ちゃんと貝毒がないところを探してね。そしたら俺が寿司も握るから。

諸星 最高です!

左から石毛輝(the telephones)、諸星翔希(7ORDER)。

左から石毛輝(the telephones)、諸星翔希(7ORDER)。

公演情報

PAPUN BAND×the telephones Presents LV1 to LV99 Tour -GAME START-

  • 2025年1月31日(金)東京都 渋谷duo MUSIC EXCHANGE
    <出演者>
    the telephones / PAPUN BAND / 四星球
  • 2025年2月1日(土)大阪府 Shangri-La
    <出演者>
    the telephones / PAPUN BAND / THE BAWDIES
  • 2025年2月16日(日)台中 Legacy Taichung
    <出演者>
    the telephones / PAPUN BAND
  • 2025年2月19日(水)台北 Legacy Taipei
    <出演者>
    the telephones / PAPUN BAND

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プロフィール

the telephones(ザ・テレフォンズ)

2005年に埼玉県北浦和にて結成されたロックバンド。現在は石毛輝(Vo, G, Syn)、岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek, Cho)、松本誠治(Dr, Cho)の3人で活動している。ポストパンク / ニューウェイブにも通じるダンスロックサウンドで各地のフェスを席巻し、2009年7月にアルバム「DANCE FLOOR MONSTERS」でメジャーデビューを果たした。その後もコンスタントに新作をリリースし、2013年9月にはPOLYSICSと合同で初のヨーロッパツアーを敢行するなど、ワールドワイドに活動を展開している。2024年11月に「LV99勇者」、12月に「Zan“讚”」と、台湾のポップパンクバンドPAPUN BANDとのコラボ曲をリリースした。2025年1月から2月にかけて対バンツアー「PAPUN BAND×the telephones Presents LV1 to LV99 Tour -GAME START-」を行う。

7ORDER(セブンオーダー)

2019年5月に結成されたグループ。現在は安井謙太郎、真田佑馬、諸星翔希、萩谷慧悟、阿部顕嵐、長妻怜央の6人で活動している。2019年8月始動。2020年3月に1stシングル「Sabãoflower」を主宰レーベル7ORDER RECORDSより発表した。2021年1月に1stアルバム「ONE」をリリースし、メジャーデビュー。日本武道館を皮切りに「7ORDER LIVE TOUR 2021 "WE ARE ONE"」を行った。その後も個々が舞台や映画などで活躍しながら、グループとしては積極的に音楽活動を展開している。2025年1月22日には新作ミニアルバム「EGG」をリリースし、同アルバムを携えて4年ぶりの日本武道館公演を含む全国ツアー「7ORDER LIVE TOUR 2025 EGG ~笑顔で頑張る5人~」を1月29日より開催する。