前山田健一の曲提供に「夢かな？」

──「どーぱみんみん　あどれなりんりん」はヒャダインこと前山田健一さんの提供曲です。メンバーの皆さんは誰が書いた曲か明かされずにレコーディングをしたと伺いました。

阿部　そうなんです。レコーディングが終わってしばらくしてから、サプライズで前山田さん提供曲だと聞いて、「夢かな？」と思いました。誤表記かと思ったもん。

松本　ホント、信じられなかった（笑）。

星野　僕は女性アイドルの楽曲が好きで、ももクロ（ももいろクローバーZ）さんやとき宣（超ときめき♡宣伝部）ちゃんに前山田さんが提供した曲もよく聴いていて。「行くぜっ！怪盗少女」のようなアーティストの代表曲を書いている方ですし、いろんな提供曲がどれも記憶に残っているから、「どーぱみんみん　あどれなりんりん」も聴いてくれる人の記憶に残るような曲にしたいという意識が強くなりました。前山田さんに頼り切るのではなくて、自分たちのパフォーマンスや歌でこの曲を育てていかなきゃいけないなと思っています。

──スパフルは3ボーカル4ダンサー編成の楽曲が多いですが、この曲は2023年12月にリリースされた1stアルバム「青い果実」の表題曲に続きメンバー全員が歌唱に参加していますね。

阿部　はい。これまでのスパフルの曲とはニュアンスの引き出し方も違いますね。今までの曲はけっこう内向的な思いを歌うことが多かったのですが、この「どーぱみんみん　あどれなりんりん」はもっと外に開けたオープンな感じというか。

堀内　セリフ口調の歌詞が多いのが特徴ですね。そこでよりそれぞれの個性が引き出されているなと。

星野　スパフルを象徴するような歌詞を入れていただいたのもうれしいですね。僕はコスメが好きなので「デパコス」というフレーズが入っていたり、メンバーの好みを汲み取った「牛丼」という言葉が入っていたり。7人で歌う意味のある曲だなと思いました。

──皆さんそれぞれ、思い入れの強いフレーズはありますか？

鈴木　今回珍しく、デモをいただいた段階で「どのフレーズを歌いたいか」と希望を出すことができて。僕はサウンドの印象がガラっと変わるパートの「自己愛は世界を救うのです」というフレーズを担当したくて、チーフマネージャーさんに希望を出したら歌えることになったのがうれしかったですね。

小田　僕は「冷たい言葉 聞いてあげない」のひと言。僕自身も、SNSとかで冷たい言葉を見ないようにしているから、自分らしいなって。それと、ここのダンスがすごく好きなので振付もお気に入りのポイントです。

松本　「毎朝 リンパごりごり流して」の部分は、チーフマネージャーさんに「歌いたいです」と申し出たところです。僕は顔がむくみやすいから、毎日リンパを流しているし、お風呂に入っているときもドライヤーをかけるときも首を振ってリンパを流そうとしてる。ここは「本当に共感しかない！」と思って。ダンスの振りもリンパを流す動きをしていて、踊りながらリンパを流してます（笑）。

田倉　僕は「自分の機嫌は 自分で取るんだ」から「ぼくの人生なんだもん」のパートですね。「チグハグ」はどちらかと言うと、自分を受け入れることで自己肯定感が上がる曲だったけど、「どーぱみんみん　あどれなりんりん」は実際にアクションを起こして自分を鼓舞する曲になっている。そのちょっとした違いがここに表れているし、前山田さんが僕らのことをいろいろ考えて曲を書いてくれたんだなと感じました。「チグハグ」が優しさの曲だとしたら、「どーぱみんみん　あどれなりんりん」は楽しさを表現した楽曲で、すごく素敵だなと感じています。

阿部　僕は勇輝の「毎朝リンパごりごり流して」から結流の「おやつは 牛丼」まで。ここはスパフルの特徴が詰め込まれたブロックなので大好きです。踊りながらメンバーの顔が思い浮かぶくらい。

堀内　「おやつは 牛丼」の部分はもちろん大好きなんですが、そこと並ぶくらい好きなのが「ぼくって なんてったってナンバーワン！」と歌うところ。ここまで気持ちよく言い切ると歌っていて楽しいんですよ。振付も表情もすごく明るくなる。「ナンバーワン！」という言葉は魔法の言葉だなと感じました。

星野　僕は「自分のことすら愛せない人が 他人を思いやれないでしょ？」という歌詞が好き。SNSを見ていると、自分勝手だったり、都合のいいように解釈して自己肯定感を上げたり、間違った自己愛に走ってしまっている人が増えていると感じていて。前山田さんが書いてくれたこのフレーズは、自分を愛することで気持ちに余裕ができて、初めて他人にも優しさを配れるという、あるべき自己愛の形を歌っているなと感じました。自己愛や自己肯定感を利己的なものとして捉えるのではなくて、お互いにとってポジティブでいい効果をもたらすもの、という前山田さんなりの思いが込められていると感じました。

音程を気にせず騒げるコーレス

──「どーぱみんみん　あどれなりんりん」はすでにミュージックビデオを撮り終えたと聞いていますが、どんな振付になっているんでしょう？

阿部　今回、昨年夏に発表した「サマー☆★げっちゅー」ぶりにCRE8BOYさんに振り付けをしていただきまして。動きを見ただけで歌詞も連想できるような、わかりやすくて中毒性のあるダンスになっています。

堀内　振付の中に、指でドーパミンの化学式を表現するポーズが出てくるんです。これは1人でもできるけど、誰かと一緒にでもできるポーズ。MVを観た人にもぜひやってみてもらいたいです！

──全員歌唱で、これだけテンションの高い楽曲だと、フォーメーションも複雑になりそうですね。

松本　まばたきしたら全員の位置が変わってるくらい、ずっと動いているかも（笑）。

阿部　気付いたら全然別の位置にいる、みたいなことが多くなりそうだよね。

小田　ライブで披露したら盛り上がるだろうな。

鈴木　そのときのテンションによって歌い方を変えても盛り上がりそうですし、アレンジが効きそうな曲だとも思っています。

田倉　夏にピッタリの曲だよね。みんなと声を出せる部分もあるし。

──特にサビのフレーズは一度聴いたら忘れられないような中毒性がありますよね。ライブではコール＆レスポンスで盛り上がりそうです。

堀内　音程とかを気にせず、とにかくみんなで騒いだり、叫んだりして盛り上がれそうですよね。ライブで披露するのが楽しみです。

最大規模のワンマンへ

──11月3日にはスパフルにとってキャリア最大規模の会場となるTOKYO DOME CITY HALLでワンマンライブが開催されます。先日、会場の下見に行ったとX（Twitter）でポストしていましたが、実際に会場を見た感想は？

田倉　サプライズでファンの方と同時に知ったのですが、めちゃくちゃ大きい会場で驚きました。

堀内　ここを埋めたい、埋めなきゃいけないと改めて思いました。

小田　僕は過去にTOKYO DOME CITY HALLへライブを観に行ったことがあったから、客席からの景色は知っていたけど、ステージに立ったのは初めてだったので「こういう景色なんだ」と。ライブハウスとは構造が違って、左右だけじゃなくて上からもお客さんが見てくれるわけだから、どこから見ても映えるパフォーマンスを意識したいですね。

阿部　下見のときに全フロアを回りましたけど、ハズレ席がないんですよね。隅の席からでも眺めがよくて見やすいし、ぜひいろんな方に来てもらいたいです。

──そして11月20日にはミニアルバムがリリースされることもアナウンスされています。

松本　「らりるサプライズ！」と「どーぱみんみん　あどれなりんりん」以外に3曲の新曲が収録される予定です。

田倉　僕たちは今年から来年にかけて、1年を通してフルファミにサプライズを届ける“サプライズイヤー”「春夏秋冬サプライズYEAR! 2024-2025」中なんです。今回の前山田さんの提供も含めて、メンバーが受け取るサプライズもたくさんあるので、今後どんな新曲が収録されるのか、どんな活動ができるのか、僕ら自身も楽しみにしています。

堀内　あとこのミニアルバムは、初めてメンバーのソロ写真をジャケットに使用した7種類の“ソロ盤”が制作されるので、全員分そろえてインテリアみたいに飾ってほしいです。

阿部　セットで買うと特典もあるので、ぜひ！

つば男の“長男”として

──先輩グループであるCUBERSが解散し、そのメンバーだったTAKAさんが皆さんの事務所に入社してつばさ男子プロダクションのアシスタントプロデューサーに就任しました（参照：芸能界引退したCUBERSのTAKA、つばさレコーズに入社）。TAKAさんはどのように関わっているのでしょうか？

堀内　いつもオフィスで働いているので、僕らが会社に行ったときは必ず挨拶しています。そうすると、こっちを見てずっとニヤニヤしているんですよ（笑）。

星野　海外遠征のときは、TAKAさんがリハを観てくださったんですよ。それと単独でのファンミーティングが初めてだったので、トークがメインになるイベントの盛り上げ方を教えていただいたり。形は変わっても、一生先輩だと思っています。

阿部　アドバイスをしてくれつつ、ずっと背中を押し続けてくれる、本当に“兄貴”みたいな存在が近くにいて心強いですね。

──今年の夏にはつば男の新グループのメンバーが発表されるイベントも開催されます。今後はスパフルがつば男の“長男”になるわけですが、今の皆さんの心境は？

星野　正直に言うとプレッシャーを感じている部分が大きいです。今までは後輩という立場だったから、甘えることができた部分もあったと思うし。先輩たちも優しかったから、「つば男フェス」のようなイベントではアドバイスを求めることが多くて。でもこれからはそれが一転して、アドバイスをする立場になるわけですから、やっぱりこれまでとは違うんだなと感じています。

阿部　もちろんプレッシャーも、後輩ができることへの焦りもありますけど、これをきっかけに僕らが成長できるとも思っています。なので前向きに捉えています。

鈴木　僕は楽しみのほうが大きいかな。つば男をもっともっと大きくしたいから、後輩グループができるのはうれしい。

──グループのセンターである小田さんはどう感じていますか？

小田　想像ができないですね。僕はスパフルの最年少でもあるから、後輩グループのメンバーとは年齢が近いでしょうし。だからこそしっかりしなきゃいけないけど、後輩とも一緒にがんばっていきたい。そんな気持ちです。

──そういえば、先ほど撮影中に気付いたのですが、小田さんの身長がかなり伸びましたよね。7人で並んだときの印象が変わったなと感じまして。

小田　けっこう伸びました。

──阿部さんと同じくらいなのでは？

阿部　そこまでではないですね。僕も伸びましたから（笑）。

堀内　僕もまだ伸びしろはあるはず！

阿部　身長が伸びているのを感じるのは惟真くらいかな。あとのみんなの身長はもう伸びてないよ。

──身長はわかりやすい成長のバロメーターですが、身長以外でメンバーの成長や変化を感じることはありますか？

阿部　変化で言うと、くだらない話が増えたかな。

星野　増えた！

阿部　距離感が縮まったからかな。

堀内　あと、昔の写真と見比べると、みんなすごく垢抜けた感じがします。晴海はめっちゃ美しくなってるし。志音や輝は、髪型とかでいろんな形を経て自分らしさを定めてきている感じがある。みんな“自分らしさ”を見つけられたのかな。

星野　個人的に、志音くんはすごく成長したと感じています。

鈴木　本当に？

星野　リハの取り組み方がよくなった。本当に、前は何回言っても直らなかったんですよ！

鈴木　今でもそんなにできてないと思うけど（笑）。

星野　最近は「ここを直して」と言うと、一度で直せるようになった。ダンスは頭よりも体で覚えることが多いものだから、わかっていても直せないことが多いのに、最近の志音くんは一度ですぐ修正できてる。それがすごいんですよ。それとともに、グループのおふざけ担当から、ムードメーカーに変わってきたのを感じています。

鈴木　みんなのレベルに合わせられるよう、もっとがんばらなきゃと思ってます。

堀内　みんな大人になったよね。

──今後ますますワールドワイドに活動の場が広がっていくと思いますが、ライブをしに行きたい国はありますか？

堀内　アメリカに行ってみたいですね。自分が生まれ育った土地なので、みんなを連れて行きたい。フランスとはまた違うノリだと思うから、ライブしていて楽しいと思うし、僕の故郷はペンシルベニア州なのでニューヨークにも近いし、みんなの観光を兼ねてアメリカ遠征はしてみたいですね。

鈴木　行ってみたいなあ。アメリカ。

堀内　アメリカはとにかく土地が広いので、大きい建物ばかりだし、公園もめちゃくちゃデカい。自然豊かでいいところだから、みんなで楽しみたい！

星野　あとはもしまた海外でライブをする機会があるなら、今よりもっとパフォーマンス力を磨いて臨みたいです！