THE RAMPAGE「自由への大脱走」インタビュー|リスペクトする湘南乃風とのコラボ実現、愚直に突き進んできた10年のその先へ (2/2)

300円くらいの山盛りポテトだけ頼んで……

──湘南乃風と共演したMVはかなり豪華な仕上がりです。

川村 ロケ地はもともとサバゲーができるような場所らしくて、そこにセットを組んで撮影しました。

 撮影は7月末だったよね。最初にボーカルチームが撮って、僕らは日が暮れる頃から撮影に参加したんですよ。普段パフォーマーの撮影は24時から開始みたいのもザラなんですけど、今回はテンポよく進んでいきました。

──湘南乃風さんも出演されていますが、当日はどんなコミュニケーションを?

川村 バスケコートがあったので、隙間時間にたくさんバスケをして遊びました。順番でフリースローを打ったり。

──ははは。それは楽しそうです。ところで皆さんはかなり湘南乃風世代ですよね。

 「睡蓮花」「純恋歌」は僕らが中学生のときにリリースされているんで。あと「曖歌」とか。

川村 めっちゃカラオケで歌ってきましたね。逆に歌わなかったメンバーいるんですか?

 いないでしょ。今回コラボが決まって、改めて聴いたら懐かしすぎて泣きそうになりましたもんね。当時、大阪のカラオケによく行ってて、お金がないから300円くらいの山盛りポテトだけ頼んで、食べながら歌ってたなあって思い出しちゃって……。

陣

川村 わかります。僕は地元で湘南乃風さんのCDを借りて、たくさん聴いていました。

 逆になんであんなに聴いてたんやろうな。

神谷 時代背景だと思いますよ。湘南乃風さんは「睡蓮花」が爆発的に売れたじゃないですか。で、あの頃って映画「クローズ」がめっちゃ流行ってて。

 「カラス」のジャケは原作マンガ「クローズ」の作者(高橋ヒロシ)さんが描かれてたもんな。

神谷 そういう不良っぽい文化がカッコよくなってきたところに、湘南乃風さんが出てきたんですよ。「応援歌」のジャケも高橋ヒロシさんでしたよね。「親友よ」も映画「ドロップ」の主題歌だったし。

──元BAD HOPのYZERRさんも中学時代に湘南乃風さんの歌をよくカラオケで歌っていたらしいんですが、そのときに刷り込まれた感覚を「内なるJ」と表現されていたんです。

 その感覚はわかるかもです。あの当時はそんなに気にせえへんけど、実はめっちゃ仲間のことを歌ってて、ラブソングとかもまっすぐやん。男子は湘南乃風とEXILEに憧れるみたいな雰囲気はありましたね。

神谷 俺、いまだにパスタ作ってるときに「おいしいパスタ作ったお前♪」って口ずさんじゃいますもん。

 「家庭的な女がタイプの俺♪」ってな。

神谷 そう。「純恋歌」は完全に自分の中に組み込まれてますね。

なんでこんなに汗かきながら踊ってるんだろう?

──「自由への大脱走 ~Running Running Running~」のカップリング曲「"BOOM"」は一転してスタイリッシュな楽曲ですね。

川村 この曲は「蜘蛛の糸」に引き続きJUNEさんにディレクションしてもらったんですが、すごく楽しかったです。この前のライブに来てくれて。お互いにいいバイブスでレコーディングできてすごく楽しい時間でした。

──どんなパフォーマンスになるのか楽しみです。

川村 アクティブな感じがいいですね。

 そうやね。演出やシチュエーションを作って、ストーリーが見えるような、ドラマチックなステージに仕上げる感じなのかな、と思っています。

──今、個人的に日本のダンスカルチャーを勉強している最中なので、皆さんのお話の1つひとつに重みを感じます。楽曲をもとにこうやってアーティスト自身が考えてステージを作っているんだなと。そして冒頭の話に戻りますけど、ファンの皆さんに最大限喜んでもらえるパフォーマンスをするためにたくさんトレーニングや食事制限をしているんだなと思うと、本当に頭が下がります。

 この前、(EXILE)AKIRAさんがジムで「なんか切ねえよな」って言いながらトレーニングしてはったんです。実際、もうあの方はトレーニングなんてしなくても踊れるし、舞台にも立てちゃう。でもおそらくそれだと自分に納得できないんです。ただ、トレーニングって誰も褒めてくれなくてホンマに自分と向き合うだけ。AKIRAさんはそれを20年以上やってはって……それゆえの「切ねえ」なんですね。AKIRAさんがそこまで思ってるかわかりませんけど、僕はそれが後輩への励ましのようにも聞こえたし、なんかすごく刺さってしまった。僕はまだまだ弱音を吐いてる場合じゃないというか。

──自分はリスナーとして音楽を聴いてきましたが、皆さんは身体性をともなって音楽を聴いていると思うんです。普段はそこまで意識されないと思いますが、皆さんはダンスカルチャーをどのように捉えていますか?

 視覚的に見る情報と耳に聞こえる情報ってやっぱ違うじゃないですか。種類も色もたぶん違う。それにTHE RAMPAGEはボーカルチームも踊るので、より観ている人が飽きずにいてくれているのかなと思っています。

神谷 スポーツでたとえるとわかりやすいと思うんですけど、50メートル走なり、100メートル走なりのために1年かけて準備するわけじゃないですか。オリンピックだったら4年かけて準備する。だからこそ観てる人が感動すると思うんです。俺らもその感覚に近い。同じステップでもやってる回数、年月がまったく違う。そこに歴史があるから刺さるカッコよさがあると思います。我々はオーディションや合宿を経験してきてますから……重みが違いますよね(笑)。

神谷健太

神谷健太

川村 マジの地獄だったよな(笑)。

 時代と逆行してるかもしれないけど、それがカッコいいと思ってたりもします。俯瞰で自分たちの活動を振り返ると、メンバー全員が素直すぎるなと感じるんですよ。でも僕たちは愚直に活動していきたいし、それが合っているなって。そこでメンバーの中でも「自分らのアイデンティティを大事にせなあかんな」と明確になってから、グループの雰囲気もよくなってきたんですよね。

神谷 あったね。

 コロナ禍の頃だよね。

──サービスカメラにウインクしたりではなく、やっぱりTHE RAMPAGEには全力で踊ってタンクトップを破いていてほしい、と思うところがあります。

 まさに(笑)。今年のフェスで1曲目の前に脱いだヤツがいますから。

川村 THE RAMPAGEらしさの意思統一はメンバーの中にしっかりとありますね。たぶんそこは今後も誰かに何か言われても変わることはないと思います。

川村壱馬

川村壱馬

ずっと引っかかっていたあのツアーをもう一度

──今年は大晦日にカウントダウンライブを開催されますね。22:00に始まる単独公演は初めてですか?

 はい。ワクワクしちゃいますよね。夏休みに友達の家で夜更かしするときみたいなテンションといいますか。

──さらに、2月からはアリーナツアー「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2026 "(R)MPG"」を行うことも発表しています

川村 そうなんです。ツアータイトルにも入っていますが、これは2020年に4公演だけ実施できた「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2020 "RMPG"」の続きになります。その後、僕らはいろんなプロジェクトを経て、ホールツアー、アリーナツアー、東京ドームを成功させたけど、2020年のあのツアーがずっと引っかかっていて。

 チケットを持っていた人からすると、返金してもらっていたとしても、例えば「何列目のチケットが取れた!」みたいなものまでなくなってしまっているわけで。その虚しさは僕らにはわからない。だから、2月から同じタイトルのツアーを開催することで、過去を変えたいというか。少しでもポジティブな気持ちになってもらえたらなと思っています。

川村 2026年はLDHの「PERFECT YEAR」ですが、2027年はTHE RAMPAGEのデビュー10周年になるので、再来年を僕らの「PERFECT YEAR」にするためにも、2020年に悲しい思いをさせてしまったファンの皆さんに何かしてあげたい、という気持ちがあります。セトリも当時のツアーをベースにする予定で、さらにあの頃から進化もしているので、より最高のライブをすると約束します。そして2027年に再び東京ドームに挑戦できたらと考えています。

神谷 ほら、結局俺らは来年が勝負だし、再来年も勝負……その連続なんです。今もツアー中、つまり勝負の最中ですし。

 さっきのスポーツのたとえで言うなら、僕らにとっては1つひとつのツアーやライブが大会のようなものなので、すべての公演で金メダルがとれるようにこれからも日々がんばっていきます。

左から神谷健太、川村壱馬、陣。

左から神谷健太、川村壱馬、陣。

公演情報

THE RAMPAGE LIVE TOUR 2025 "PRIMAL SPIDER" ~巡らせる糸~

  • 2025年6月3日(火)宮崎県 宮崎市民文化ホール
  • 2025年6月10日(火)長崎県 べネックス長崎ブリックホール
  • 2025年6月26日(木)香川県 レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
  • 2025年7月18日(金)青森県 リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
  • 2025年7月29日(火)鳥取県 米子コンベンションセンター BiG SHiP
  • 2025年8月4日(月)山口県 KDDI維新ホール
  • 2025年8月13日(水)群馬県 高崎芸術劇場
  • 2025年8月25日(月)岡山県 倉敷市民会館
  • 2025年8月29日(金)北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
  • 2025年9月1日(月)和歌山県 和歌山県民文化会館 大ホール
  • 2025年9月3日(水)滋賀県 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
  • 2025年10月15日(水)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
  • 2025年10月17日(金)山梨県 YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
  • 2025年10月21日(火)新潟県 新潟県民会館
  • 2025年11月1日(土)沖縄県 沖縄コンベンションセンター

THE RAMPAGE LIVE TOUR 2025 "PRIMAL SPIDER THE FINAL"~大暴年会~

  • 2025年12月24日(水)千葉県 LaLa arena TOKYO-BAY
  • 2025年12月25日(木)千葉県 LaLa arena TOKYO-BAY

THE RAMPAGE COUNTDOWN LIVE 2025→2026

2025年12月31日(水)愛知県 IGアリーナ


THE RAMPAGE LIVE TOUR 2026 "(R)MPG"

  • 2026年2月28日(土)三重県 三重県営サンアリーナ
  • 2026年3月7日(土)千葉県 LaLa arena TOKYO-BAY
  • 2026年3月8日(日)千葉県 LaLa arena TOKYO-BAY
  • 2026年3月21日(土)長野県 ビッグハット
  • 2026年3月22日(日)長野県 ビッグハット
  • 2026年3月26日(木)愛知県 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)ホールA
  • 2026年3月27日(金)愛知県 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)ホールA
  • 2026年4月15日(水)大阪府 大阪城ホール
  • 2026年4月16日(木)大阪府 大阪城ホール
  • 2026年4月28日(火)福岡県 マリンメッセ福岡 A館
  • 2026年4月29日(水・祝)福岡県 マリンメッセ福岡 A館
  • 2026年5月13日(水)大阪府 大阪城ホール
  • 2026年5月14日(木)大阪府 大阪城ホール
  • 2026年5月19日(火)神奈川県 横浜アリーナ
  • 2026年5月20日(水)神奈川県 横浜アリーナ
  • 2026年6月20日(土)福井県 サンドーム福井
  • 2026年6月21日(日)福井県 サンドーム福井
  • 2026年7月1日(水)静岡県 エコパアリーナ
  • 2026年7月2日(木)静岡県 エコパアリーナ
  • 2026年7月11日(土)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
  • 2026年7月12日(日)宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ
  • 2026年7月25日(土)広島県 広島グリーンアリーナ
  • 2026年7月26日(日)広島県 広島グリーンアリーナ

プロフィール

THE RAMPAGE(ザランペイジ)

リーダー兼パフォーマーのLIKIYAと陣、ボーカルのRIKU、川村壱馬、吉野北人、パフォーマーの神谷健太、与那嶺瑠唯、山本彰吾、岩谷翔吾、浦川翔平、藤原樹、武知海青、長谷川慎、龍、鈴木昂秀、後藤拓磨からなる16人組のダンス&ボーカルユニット。グループとしての音楽活動だけではなく、各メンバーは俳優、モデル、タレント、小説家など多岐にわたるジャンルで活躍している。LDHによる3つのオーディションを経て結成され、2017年1月に1stシングル「Lightning」でメジャーデビューを果たした。2024年9月には2度目の東京・東京ドーム単独公演を開催。10月30日にはテレビアニメ「FAIRY TAIL 100年クエスト」のオープニングテーマでもあるシングル「Endless Happy-Ending」をリリースした。2025年3月に2年ぶり6枚目のアルバム「(R)ENEW」を発表し、同月よりツアー「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2025 "PRIMAL SPIDER"」を開催。10月に湘南乃風とのコラボシングル「自由への大脱走 ~Running Running Running~ feat. 湘南乃風」をリリースした。