王道アイドルだったらメンバーになってなかった
──ヴィジュアル系というジャンルには以前から親しみはありました?
美乃 昔から曲はよく聴いていました。お兄ちゃんがヴィジュアル系の音楽が好きなので、その影響でJanne Da Arcさんやシドさんの曲をガッツリ聴いていて。れんちゃんはヴィジュアル系の曲を含め幅広い音楽を聴くし、いちごちゃんはライブにも行ってたって言うし、2人はそういうジャンルに親しみあるだろうけど、安眠ちゃんは?
安眠 私はバンギャっぽい見た目をしてるんですけど、正直ヴィジュアル系についてはよくわからなくて。どっちかと言うと王道アイドルになりたいと思っていたんです。でも、自分の好きな音楽とは真逆の系統のグループに入ったほうが面白いかなと考えました。
美乃 安眠ちゃんはめっちゃ熱心な子で。一緒の部屋に泊まったときにすごく大きな本を持って来ていて、ヴィジュアル系のことを一生懸命勉強してたんです。
安眠 ライブ参戦マニュアルみたいな本です(笑)。
──本当に勉強熱心なんですね。皆さん、アイドルという職業に対してはどういうイメージを抱いていました?
美乃 私は正直、アイドル自体には興味がなかったんです。もしmistressが王道アイドルだったらメンバーになっていなかったと思います。
れん 私もです。
いちご きっと王道系のアイドルだったらいろいろと我慢して、キャピキャピしたキャラクターを演じなきゃいけないときもあるじゃないですか。それは自分には無理だなと思っていました。
──なるほど。日々のレッスンは大変ですか?
安眠 YouTubeで「アイドル レッスン」って検索したらダンスの先生がメンバーにめっちゃ怒ってる動画を見つけてしまってビビっていたんですけど、私たちは和気あいあいとやれています。
美乃 楽しんでやれてるよね。体力がないから、ギャーギャー言いながら基礎トレーニングをやってますけど(笑)。
──衣装は今日初めて着たんですよね。
美乃 初めての衣装を着れたことの喜びが大きくて、それ以外の感情が湧いてこないです。
れん 自分のために衣装を作ってもらったのが初めてのことだったので、すごくうれしいですね。
──1人ひとり衣装のデザインが違うんですね。
安眠 はい。それぞれの個性に合うように作っていただいたので、そこに注目してほしいです。
自分を捨てた男に自殺を促す曲
──the mistressの始動にあたって、「Would you kill yourself now?」と「Lonely crowd」の2曲が制作されました。「Would you kill yourself now?」は渡邊亜希子さんが作詞、THREE LIGHTS DOWN KINGSのu-yaさんが作曲を手がけた激しいロックナンバーですが、最初に曲を聴いたときにどのような印象を持ちました?
美乃 もう、最高です!
安眠 曲を聴いて3秒くらいで「あっ、これはいい曲だ!」って確信しました。
いちご 自分を捨てた男に自殺を促す曲なんですけど、最初はそんなことを歌った曲だとは思ってなくて。
──アイドルが歌うにしてはかなり過激な内容の曲ですよね。
美乃 「消えてなくなりたい」「心臓を舐めたい」とか。最高です。
──レコーディングはいかがでしたか?
れん めっちゃ緊張しましたね。前に活動していたグループは大人数だったので、自分の歌割りはほとんどなかったんですよ。だから今回自分のパートを歌えて、達成感がありますね。
美乃 できあがった音源をいただいて何回も聴きましたもん。歌割りは最初から決められていたわけではなくて、4人共全パートをレコーディングして、それぞれよかったところが曲に使われています。
──安眠さんといちごさんにとっては人生初のレコーディングだったんですよね。
安眠 声にエフェクトがかかっているのもあって、自分の歌を聴いて「声が違う!」と驚きました(笑)。
いちご 私は声が震えちゃって、いっぱいいっぱいでした。これからみんなに追いつけるようにがんばって、自分の個性を出せるようになりたいです。
新しい革命を起こしていきたい
──一方の「Lonely crowd」は激しさもありつつ、メロディアスでじっくりと聴かせるような楽曲です。
れん 初めてこの曲を聴いたときにめっちゃ泣きました。「私の傷に気付かなくてもいい」っていうサビの歌詞がすごく素敵だなって。
美乃 盛り上げるだけじゃなく、お客さんに聴き入ってもらえるような曲だと思います。
安眠 私はヴィジュアル系っぽい曲だなと思いました。デスボイスも入っているし。
美乃 安眠ちゃんがデスボ担当なんです。普段はかわいらしい声なのに、意外な人選ですよね。
安眠 ギャップを突いていこうという方針です。
──レコーディングでデスボイスを出すのは大変じゃなかったですか?
安眠 初めてデスボに挑戦したので、めちゃくちゃ苦戦しました。でも初めてにしてはちゃんと声を出せているとスタッフさんに言っていただけたので、これから身に付けていけるようにがんばります。ライブでも煽っていきます!
美乃 日頃からめっちゃ練習してるんですよ。「デスボしりとりしよう。今からデスボでしか会話しちゃだめだからね」とか言い出すこともあって(笑)。
──ほかのメンバーにデスボイスを強要するんですね(笑)。8月にはこの2曲を携えてライブ活動をスタートさせるわけですが、ステージに立つことへの心境を聞かせてください。
安眠 とにかく楽しみです。早くライブがしたいです。
美乃 不安もあるけど、楽しみな気持ちのほうが勝ってますね。曲も歌詞もホントに素晴らしいものを作っていただいたので、その魅力を最大限に発揮できるようがんばらないといけないなと思います。
──今後、the mistressをどのようなグループにしていきたいですか?
いちご 「ロックアイドルと言えばthe mistressだよね」と言ってもらえるくらいの存在になりたいです。
美乃 最近ロック系アイドルってすごく多いじゃないですか。その中でほかのアイドルとは何か違う、一線を画したグループになりたいです。
安眠 ヴィジュアル系のロックアイドルとなると、ほかにあまりいないしね。
──旧体制のmistressのファンの方もライブを観に来るでしょうし、中にはメンバーが総入れ替えになったことを喜ばしく思わない人もいるかもしれません。そのことに不安はありませんか?
美乃 ファンの方は前体制のmistressのイメージが頭に染み付いていると思うので、受け入れてもらえるのかなっていう不安はあります。でもポジティブな気持ちでがんばっていきます。
安眠 自分も好きなアイドルグループのメンバーが総入れ替えになったら、イヤだなという気持ちになると思います。でも前体制の方々が築き上げてきたものを私たちも受け継いで大事にしつつ、新しい革命を起こしていきたいです。
──今後の目標や、挑戦してみたいことはあります?
安眠 パフォーマンスで魅せられる、ダンスのうまいグループになりたいです。最終的には日本武道館のステージに立ちたいですね。
れん 私はワンマンツアーで47都道府県を制覇したいです。
美乃 私は現実主義で夢を見れないタイプなので、とりあえず目の前のお客さんに最高と思ってもらえるアイドルになりたいです。
いちご まだステージに立っている自分が想像できないんですけど、お客さんを巻き込んでいけるグループを目指したいです。