ナタリー PowerPush - THE COLLECTORS
新春3本勝負! vs. MONGOL800、TRICERATOPS、BRAHMAN
1月13日 THE COLLECTORS vs. TRICERATOPS
第2戦となる1月13日のゲストはTRICERATOPS。彼らは先輩・コレクターズの主催イベントへ華を添えるべく愛嬌のあるパフォーマンスを披露し、集まった観客を笑顔にした。
歓声の中登場した和田唱(Vo, G)、林幸治(B)、吉田佳史(Dr)の3人は、楽器を手にするとまず確かめ合うように音を鳴らし、そのままムーディなセッションを開始。じわじわとフロアを温めたところで、「あけましておめでとーう!」という和田の挨拶に続いてゴキゲンなナンバー「Neo Neo Mods」「あのね Baby」を投下した。
MCでは和田がこのイベントに出演することになった経緯を説明。和田は加藤ひさしのことを「加藤塾長」と呼びながら、昨年とあるライブの打ち上げで加藤から「トライセラさあ、来年の1月何やってんの? イベント出るだろ? もう決定な!」という有無を言わさないオファーをもらったことを打ち明ける。「こんなにいきなり言われていきなり決まったライブは初めて」と話しつつも、「同じステージに立てて光栄に思ってます!」と後輩らしい一面を見せた。
その後マイケル・ジャクソンのカバー「I Wanna Be Where You Are」、色気を匂わすミドルナンバー「if」、コール&レスポンスが起こった初期の名曲「オレンジライター」と続けて披露。最近できたばかりの新曲だという「ふたつの窓」で和やかな雰囲気を作り出したあとは、「Jewel」「Fever」とトライセラ流のロックンロールを熱演し、フロアの温度を上昇させたままコレクターズのライブへとつなげた。
対するコレクターズからは古市コータロー、小里誠、阿部耕作がふらりと舞台上に現れ、3人でジャムセッションを展開。古市は6日とは打って変わって、ネクタイを締めモッズスーツに身を包んだスタイルで登場した。そこにサーモンピンクのシャツと白地に青い花模様が鮮やかなスーツを着こなした加藤が加わり、「愛ある世界」を朗々と歌い上げる。バンドはそのまま「恋の3Dメガネ」「クルーソー」「ジェリーに相談」といった懐かしのナンバーでフロアを大いに沸かせた。
立て続けに4曲を届けると、加藤は「こういうR&Bをね、ここまでやれるバンドはないよ」と話しMCの口火を切る。加藤は和田を「ぼく」と呼び、「さっきトライセラのぼくがね、こういう口叩いたんですよ。『加藤さんて1977年ぐらいから活動してますよね』って。77年はねえだろ! 1977年っつったらまだ『すみれ September Love』も出てないんだよ?」といつもの調子で軽妙なトークを繰り広げた。
中盤では「恋はヒートウェーヴ」の直後に加藤がシャウトし、「最っ高に気持ちいい今日! どうしようかなあ、やりたくなくなっちゃったもう」と漏らしてライブへの満足感を露わにする場面も。このブロックではピースフルなムードをもたらした「5・4・3・2・ワンダフル」や、スケールの大きさを感じさせる「地球の歩き方」など、前回とはまた違った選曲でファンを楽しませた。
2度目のMCでは、「先週はMONGOL800。まああいつらも『参りました』っつって、ね。で今日、うまいもん食ってる若僧がやってきていい演奏してくれたよ」と加藤が先攻のトライセラの勇姿をたたえる。また翌週の対バン相手であるBRAHMANの話題になると、彼は「(BRAHMANのライブで)TOSHI-LOWくんは神輿みたいになって歌ってるらしいよ! そんなお客さんを前に俺たち何すりゃいいのよ? スローなブルースしかできないよ」「どう攻める? 来週は。今週はだってほら、いいとこ出のぼっちゃんが来てくれたからいいけど。おっかないんだよね今から」と率直な気持ちを吐露。それを古市が「大丈夫大丈夫」となだめるというやり取りが観客の笑いを誘っていた。
ライブ後半はひときわ爆音のバンドアンサンブルが奏でられ、オーディエンスは手を高々と掲げてそれに応える。彼らは「NICK! NICK! NICK!」「GROOVE GLOBE」を連投してクライマックスへと猛進し、「最高だ! ロックの歴史に残る日だね今日は。こんな熱い俺たち!」(加藤)と興奮した様子を見せた。そしてラストナンバーは哀愁たっぷりの「虚っぽの世界」。振り絞るような歌声と回るミラーボールが会場をウエットな空気に包み、コレクターズのブルージーな側面が提示されたところで本編が終了した。最後は6日と同じアンコール曲「僕の時間機械」で締め。バンドは圧倒的な存在感を放ってフロアを掌握し、満ち足りた表情でこの日のフィナーレを飾った。
TRICERATOPSセットリスト
1 | Neo Neo Mods |
---|---|
2. | あのね Baby |
3 | I Wanna Be Where You Are |
4 | if |
5 | オレンジライター |
6 | ふたつの窓 |
7 | Jewel |
8 | Fever |
THE COLLECTORSセットリスト
1 | 愛ある世界 |
---|---|
2 | 恋の3Dメガネ |
3 | クルーソー |
4 | ジェリーに相談 |
5 | プロポーズソング |
6 | 5・4・3・2・ワンダフル |
7 | 恋はヒートウェーヴ |
8 | 地球の歩き方 |
9 | TOUGH |
10 | 未来地図 |
11 | NICK! NICK! NICK! |
12 | GROOVE GLOBE |
13 | 虚っぽの世界 |
14 | <アンコール> 僕の時間機械 |
- THE COLLECTORS ニューアルバム「99匹目のサル」 / 2013年1月23日発売 / 日本コロムビア
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3675円 / COZP-733~4
- 通常盤 [CD] / 2625円 / COCP-37694
CD収録曲
- 喜びの惑星
- 未来地図
- プロポーズソング
- 99匹目のサル
- 誰にも負けない愛の歌
- オスカーは誰だ!
- ドーナツソング
- ごめんよリサ
- 残像恋人
- 雨と虹
- 電気を作ろう!
- COME ON LET'S GO!
初回限定盤DVD収録内容
- プロポーズソング(MUSIC VIDEO)
- 99匹目のサル(MUSIC VIDEO)
- COME ON LET'S GO!(MUSIC VIDEO)
- オスカーは誰だ!(MUSIC VIDEO)
- 未来地図(MUSIC VIDEO)
- 誰にも負けない愛の歌(MUSIC VIDEO)
- TRICERATOPS ライブDVD「TRICERATOPS “GOING TO THE MOON”-15th ANNIVERSARY SHOW at HIBIYA MUSIC BOWL-」 / 2012年12月12日 / 4200円 / TRINITY ARTIST / TTLV-1001
- TRICERATOPS ライブDVD「TRICERATOPS "GOING TO THE MOON"-15th ANNIVERSARY SHOW at HIBIYA MUSIC BOWL-」
DVD収録内容
- Going To The Moon
- I Go Wild
- シラフの月
- if
- Milk & Sugar
- Silly Scandal
- Fever
- プレゼント
- Walk In The Park
- 仲直り
- Fly Away
- Mirror
- Bass & Drums Groove!!
- Short Hair
- Jewel
- Rock Music
- 僕らの一歩
- Raspberry
- トランスフォーマー
SPECIAL FEATURES
- Walk In The Park-Take1-
- 劇場版でカットされたMC
- Backstage -開演前-
- Backstage -終演後-
THE COLLECTORS(これくたーず)
加藤ひさし(Vo)、古市コータロー(G)、小里誠(B)、阿部耕作(Dr)の4名からなるロックバンド。1986年に加藤を中心に結成。1987年に「僕はコレクター」でデビューすると同時に、ブリティッシュロック、サイケデリック等のエッセンスを取り入れたサウンドが話題を集め、日本のモッズシーンを代表するバンドとして認知される。ポップなメロディと洗練されたアレンジ、激しいライブパフォーマンスは、モッズの枠を超えて多くのロックファンの支持を集め、結成から20年以上経つ今もシーンの第一線で活躍し続けている。2013年1月23日、19枚目となるオリジナルアルバム「99匹目のサル」をリリース。
TRICERATOPS(とらいせらとっぷす)
1996年、和田唱(Vo, G)、林幸治(B)、吉田佳史(Dr)により結成されたロックバンド。ポジティブな歌詞と良質なメロディ、厚みのあるバンドサウンドを特徴とする。1997年7月にシングル「Raspberry」でメジャーデビューを果たして以降、精力的なリリースやライブ活動を続け、これまでに10枚のオリジナルアルバムを発表。2012年12月にはデビュー15周年記念ツアー「TRICERATOPS 15TH ANNIVERSARY TOUR」のファイナル公演の模様を収めたDVD「TRICERATOPS "GOING TO THE MOON"-15th ANNIVERSARY SHOW at HIBIYA MUSIC BOWL-」をリリースした。