THE BAWDIES×OKAMOTO'Sスプリットツアー特集|ROY、TAXMAN、ショウ、コウキが同窓生トーク (2/3)

同級生だったらきっと放課後は一緒に

TAXMAN OKAMOTO'Sとは雰囲気が似ているから、無理しなくてもこっちもスッと入り込んでいけて。やりやすいし絡みやすいんだよね。

ショウ 確かに。そこが一番、母校が同じであることを感じる部分かもしれないですね。違う年代なんだけど、もし同級生だったらきっと放課後一緒にいたみたいな。

コウキ 何気にがっつりツーマンツアーをするのは今回が初めてで、以前はちょっと近すぎるがゆえにそれをやったら……と躊躇していたところもあったのかな。せっかくやるんだったら、ちゃんと何カ所も回ったりとか、今回みたいにコラボ曲を作ったりとか、いろいろやりたいなという思いも強かったので、やっと実現したという気持ちです。

オカモトコウキ(G / OKAMOTO’S)

オカモトコウキ(G / OKAMOTO’S)

TAXMAN 昔、コウキと飲んだときに「対バンしたいね」みたいな話をしたことがあって。そのときもコウキは「どうせやるんだったら地方2カ所とかそういう規模感じゃなくて、がっつりやりたいっす!」と言っていたし、確かにやるならちゃんと形に残るツアーをやりたいなと思ってたことを、今話しながら思い出しました。

ROY いいこと言ってたんだね。

ショウ でも、実際のきっかけになったのは、去年の3月に札幌でやったイベントですよね。俺ら2組とKALMAという地元のバンドの3組でライブをするはずが、KALMAのメンバーがコロナに罹ってしまって、結果としてツーマンという形になって。終わったあとも打ち上げができないようなご時世だったけど、「つうか、めちゃくちゃ楽しかったよね?」って話になって、そこから「じゃあ来年の7月、空いてる?」と実現につなげていったという。現場で次につなげていく流れも、バンドっぽくてよかったんですよ。きっと、そういうきっかけを俺ら8人全員が待っていたんでしょうね。だから、今回のツアーでは札幌のみKALMAに改めて出演してもらうことになったんです。

コウキ コラボ曲まで作れたのもうれしかったし。

ショウ しかも、OKAMOTO'Sってこれまで7inchのアナログ盤を出したことがなかったんですよ。

TAXMAN 意外だよね。

ショウ アルバムはあったんだけど、初7inchがTHE BAWDIESとのスプリットなのはすごくうれしいよね。曲込みで俺らの真剣度が、みんなに伝わるといいなと思っています。

JIM(G / THE BAWDIES)

JIM(G / THE BAWDIES)

MARCY(Dr / THE BAWDIES)

MARCY(Dr / THE BAWDIES)

フェードアウトの謎を解く

──そのコラボ曲「GIMME GIMME feat. オカモトショウ」「Rock n' Roll Star feat. ROY」ですが、お互いどういうイメージで制作に臨みましたか?

コウキ 今回は難しかったよね。ストレートに行くのがいいのか、奇をてらうのがいいのかわからなくて。

ショウ 3、4曲作ってみたんですけど、「何か違うんだよなあ」と。

コウキ それで、卓さんに「THE BAWDIESはどんな曲を想定しているか、先に教えてもらえますか?」とデモを送ってもらって。

ショウ 最高の曲が送られてきて、それに刺激を受けて「Rock n' Roll Star」ができました。普段のタイアップのとき以上にいろんな曲を作ったよね。結果として、ストレートだけどOKAMOTO'Sっぽくて、いい意味でTHE BAWDIESに引っ張られていない、でも2組の共通点もしっかり感じられる曲になって、すごく満足しています。あと、最近は作らなくなっていたようなテイストというのも、THE BAWDIESのおかげで出せた感じもあって、そこも気に入っています。

OKAMOTO'SとROY(Vo, B / THE BAWDIES)。

OKAMOTO'SとROY(Vo, B / THE BAWDIES)。

ROY 僕らも最初にいろいろ考えてみたものの「やっぱりこれしかないんじゃないかな」と、ストレートでバカ丸出しに突っ走る形のほうがどっちのよさも引き出せるかなと思って。それで、4人で話し合いながら「じゃあ、この感じでいこう」と早めにデモを仕上げたんです。

TAXMAN ギターも普段だったら単音リフとコードみたいに分かれているけど、この曲は2人ともコードだけでいいみたいな感じがして。

ショウ そこがよかったですよね。

コウキ 1つ疑問に思っていたんですけど、送ってくれたデモって1分くらいでフェードアウトするじゃないですか。

TAXMAN そうだっけ? 俺が何かミスったのかなあ。

コウキ デモのフェードアウトってあまり聴いたことなかったから、お試しの1分バージョンだったのかなと思ったんですよ。

TAXMAN でも、ワンコーラスしかないときはなんとなくフェードアウトにしているかも。ほら、ブツ切りだとドキッとするじゃん。まだ全体の構成もできていなかったから、とりあえずワンコーラスで雰囲気をつかんでって感じでああいう形になったのかな。

コウキ そういうことだったのか。

THE BAWDIESとオカモトショウ(Vo / OKAMOTO'S)。

THE BAWDIESとオカモトショウ(Vo / OKAMOTO'S)。

ショウ 俺らはいつもデモをブツ切りにして終わらせてるから、「えっ、フェードアウトするんだ!」って驚いたんです。2人で聴いていて「カッコいい!」って思いました。あと、THE BAWDIESが「GIMME GIMME」みたいな曲を打ち込みで作っているのも新鮮で、普段とは別のカッコよさがあったなあ。

TAXMAN シンバルも3個くらい同時に鳴ってたりするしね。よくMARCYにもさ、「ここのドラム、こんなフレーズだとカッコいいよね」ってデモを渡すんだけど、「これ、手が4本ぐらいないと叩けないよ!」って言われる(笑)。

コウキ それはあるなあ(笑)。

ショウ 弾き語りでデモを作ったら、(オカモト)レイジに「これじゃイメージできない」って言われたけど、逆に打ち込みで作り込んだデモを送ったら「これだと、もうこれ以外なくなっちゃうよね」と返されちゃうし。

左からMARCY(Dr / THE BAWDIES)、オカモトレイジ(Dr / OKAMOTO’S)。

左からMARCY(Dr / THE BAWDIES)、オカモトレイジ(Dr / OKAMOTO’S)。

一同 (笑)。

コウキ だから、1分くらいでフェードアウトするのはいいかもしれない。

ROY そもそも、俺らが聴いてきたルーツミュージックがほとんどフェードアウトで終わるから、自然とそうしたくなっちゃうんだよね。

TAXMAN それこそLOVE PSYCHEDELICOのNAOKIさんにプロデュースしてもらっていた頃は、3曲ぐらいフェードアウトの曲が続いて。NAOKIさんに「フェードアウトばかり続くのも、どうなんですかね?」と聞いたら、「いいんだよ。曲がフェードアウトを求めているんだから」と言われたことがあったなあ。

ショウ 俺らもNAOKIさんと一緒に作った2曲(「BROTHER」「Dancing Boy」)、どっちもフェードアウトだったわ。

コウキ あ、確かに。

ROY NAOKIさんがシンプルにフェードアウトが好きなんじゃ……。

一同 (笑)。

2023年7月4日更新