転校少女*がメジャー1stシングル「情熱リボルバー」をリリースした。
昨年夏に新メンバー3人を迎え、11月にアルバム「COSMOS」でメジャーデビューを果たした転校少女*。精力的な活動を続けていたものの、今年1月に新メンバーのうち小西杏優が脱退し、さらに小倉月奏が活動を休止することに。グループは試練に直面することになった。塩川莉世、松井さやか、寺田葵、上原わかなの4人体制で制作されたシングル「情熱リボルバー」は、そんな逆境をはねのけるような前向きなロックナンバーに仕上がっている。
音楽ナタリーでは、メンバー4人に現在の状況に対する正直な気持ちや、「情熱リボルバー」について話を聞いた。
取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 後藤壮太郎
お互い前に進むために
──転校少女*には昨年夏に3人の新メンバーが加入しましたが、今年1月に体調不良のため小西杏優さんが脱退、さらに小倉月奏さんが活動休止することが決定しました。グループとしてかなりつらい状況だったと思います。
松井さやか 昨年秋にリーダーの(岡田)夢以が卒業して6人体制になったあと、メンバーが体調不良でライブを欠席することが相次ぎ、ファンの方に不安を与え続けてしまっていて。月奏は一旦休養することになりました。休養に入る前に1回は復帰したんですけど、また状態が悪くなって。無理させちゃうのもつらかったし、ちゃんとした形で活動休止を発表できたことは月奏にとってもよかったのかなと思っています。彼女が戻って来られるタイミングまで焦らずに待ちたいですね。杏優については、ずっと一緒に活動していくつもりだったので、正直寂しさはあります。
塩川莉世 新メンバー3人が入ってきたときは、いろんな方が「転校少女*がパワーアップした」と言ってくれてすごくうれしかったんです。それまでは私が最年少メンバーだったこともあり、歳下の杏優のことは妹みたいに感じていました。でも脱退はいろいろ考えた末の決断だったと思うし、杏優にはゆっくり休んでほしい。月奏も苦しい状態のまま活動を続けるよりは、一旦休んでリセットしてもらったほうがいいと思うので、彼女の帰りを待ちたいです。
──2人の脱退および活動休止が発表された際、塩川さんはTwitterで「アイドルという職業に誇りを持っています」と自身の決意も語っていましたね。
塩川 グループの初期メンとして活動してきて、「アイドルという職業がぴったりだね」と言われることが多かったんですよ。基本的にポジティブな人間なんですけど、自信がなくなってネガティブになったときは「莉世ちゃんの歌って踊っているところが好きだよ」という声を聞くと「がんばろう」と思えるんです。自分でも転校少女*の塩川莉世であることを誇りに思っているし、脱退と活動休止の発表を受けて不安になっているファンの方を安心させたくてツイートにそう書きました。「これからもがんばっていくよ」という気持ちを伝えたかったんです。
できる限りのことをがんばるのみ
──寺田さんは2人の脱退と活動休止が決定したとき、どういう心境でしたか?
寺田葵 Twitterでエゴサしたらファンの方もネガティブなことをつぶやいていて、ステージに立つのは楽しいことなのに悔しさと悲しさのあまり「自分はこのステージで何がしたいんだろう」と思ったときもありました。でも今は月奏を待ちつつがんばるしかないし、私たちがネガティブになっていたらファンの方も付いてきてくれないので、「やっぱり転校少女*を応援しててよかった」と思ってもらえるようにこれまで以上に1つひとつのことを一生懸命やりたいです。
──今はもう前向きな気持ちになっているんですね。
寺田 はい。脱退と活動休止が決まったときは何日も泣いてましたが、泣いていろいろ考えても答えは出ないので、今はできる限りのことを精一杯がんばるのみです。
──新メンバーの1人である上原さんも複雑な思いだったんじゃないですか?
上原わかな 2人と一緒にいる時間は私が一番長かったと思うので、脱退や活動休止の話を聞いたときはすごく寂しかったし、正直不安にもなりました。でも、寺田葵ちゃんも2018年に1人で新メンバーとして加入してがんばっていたと聞きましたし、今の転校少女*があるのは今までのメンバーのおかげなので、これまで以上に責任感を持って活動していきたいです。人数が減ったことを感じさせないくらいにがんばります。
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途中加入メンバーが感じるプレッシャー