日向坂46齊藤京子、初の単独主演ドラマ「泥濘の食卓」で見せる“別人の顔”

日向坂46の齊藤京子がテレビ朝日系で放送中の「泥濘の食卓」で初のドラマ単独主演を務めている。

「泥濘の食卓」は伊奈子による同名マンガを原作としたドラマ。支配的な母親と2人で暮らす主人公の捻木深愛が、恋愛関係にあるパート先の店長・那須川と「幸せになりたい」と考え、その家庭に入り込んでいく“パラサイト不倫”が描かれる、センセーショナルな物語だ。併せてTELASA(テラサ)ではオリジナルのメイキング動画「完全密着!ドラマ『泥濘の食卓』の軌跡!~女優・齊藤京子のすべて~」を配信中。初のドラマ単独主演という大役に臨む彼女の姿がつぶさに記録されている。

今年初めて公開したブログに「今年も歌頑張りたいなぁと思うのと同時にお芝居も頑張りたいなぁと思ったり…ドラマに出てみたいなぁ…」とつづっていた齊藤。音楽ナタリーでは、願いを叶えた彼女にインタビューを行い、その胸中を語ってもらった。演技や、深愛という役との向き合い方、メイキング動画の見どころ、共演者との“感動した”エピソードとは。

取材・文 / 湯澤穂波撮影 / 曽我美芽

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不安よりも好奇心のほうが強かった

──シングル表題曲のセンターや、冠バラエティ番組など、これまでさまざまな大役を経験してきた齊藤さんですが、連続ドラマの単独主演というのも相当な大役ですよね。

自分がドラマの主演ということをまだ完全には実感できていなくて、こんなに素敵なお仕事を任せていただいていいの?と思っているんですが、とにかくこのような機会をいただけて感謝の気持ちでいっぱいですし、すごく気合いが入っています。主演のお話をいただいたときは、1回じゃ聞き取れないくらい衝撃を受けました(笑)。でも不安よりも好奇心のほうが強かったです。初めてセンターになったときも「こんなことなかなかないし、楽しまないと人生損するな」と思ったんですよ。

──日向坂46でのパフォーマンスも、楽曲の世界観を身体で表現するという意味では演技と共通する部分があるかもしれませんが、「自分以外の誰かを演じる」ということについて、齊藤さんはどのように考えていますか?

自分の人生を生きるので精一杯なのに(笑)、別の人間になりきるというのは本当に2人の人生を歩んでいるような気持ちになる。それと同時に、こんな経験ができるチャンスは生きていてなかなかないので、大切にしたいと思っています。今回は捻木深愛という役なんですけど、本当に宝物のように演じていきたいですね。

齊藤京子
齊藤京子

今までに見たことのないきょんこ=深愛を作り上げる過程

──「泥濘の食卓」の台本や、伊奈子さんによる原作マンガを読んでみて、いかがでしたか?

主演が決まってからすぐに原作5巻を買いました。「泥濘の食卓」はとても面白くて、一気に読んでもう1周しました。

──特にグッと来たポイントは?

「泥濘の食卓」は深愛の純粋すぎる愛が店長の家族も巻き込み、仲よくなっていくというのが新しくて、唯一無二の物語だと思いました。

──深愛はどんな人物なのでしょうか。

深愛は本当にかわいらしい、おっとりとした女の子で、サバサバしていると言われる普段の私とは真逆ですね。深愛を毎日一緒に作り上げてる衣装さんやメイクさんに「深愛は本当にかわいい」「深愛みたいな人に会いたいなあ」と話しています(笑)。

齊藤京子扮する捻木深愛。

齊藤京子扮する捻木深愛。

──そんな深愛を演じるうえで意識していることは?

普段はやらないような仕草、口の動きなどで、孤独感や“ちょっとかわいそう感”が出るように意識してます。自分とは真逆と感じるキャラクターだからこそ、かえって演じやすいかもしれません。

──ティザー動画の時点で、あまり見たことのない表情をしていると思いました(取材は放送開始前に実施)。ちゃんと“別の人”になっている感じがありますよね。

うれしい! 私は声が低いんですが、今までのドラマなどのお仕事では、このままの声でお芝居をすることが多かったんです。でも今回は声のトーンを明るめに変えて、語尾を上げてかわいらしくセリフを言ったり、普段よりゆっくり話したり。「今までに見たことのないきょんこだ」と言っていただけるようなキャラクターになれているかなと思います。普段と違う一面をどんどんお見せしたいです。

──自分とかけ離れた役を演じる面白さみたいなものは感じていますか?

そうですね。私が今出演させていただいている「キョコロヒー」(テレビ朝日系)という番組に天海祐希さんがゲストでいらしたとき、「今後、自分と全然違う役のオファーが来たら、どうしたらいいですか」と伺いまして。天海さんは「全然違う役は普段生きていて絶対にやることがないからこそ、思い切りその役になりきって楽しんじゃえばいいんだよ」と教えてくださったんです。その言葉を心に宿して深愛を演じていますね。

齊藤京子
齊藤京子

──天海さんになぜその質問を?

天海さんにお芝居についての質問をするコーナーがあって。私が以前、舞台「サザエさん」でワカメちゃんを演じたときに感じた苦労などを思い出して、自分と全然違う役のときに、天海さんはどうされているのか聞いてみたかったんです。思い返せば、あのときの質問が今につながっているなと思います。