TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND「MUSIC FOR ANIMATIONS」 PR

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND|多彩な楽曲で魅せてきた25年間

結成25周年を迎えた3人組のテクノポップユニット、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが3月27日にベストアルバム「MUSIC FOR ANIMATIONS」をリリースする。

2枚組のアルバムには25年間の歴史の中で生まれたアニメソングを中心に全34曲を収録。DISC 1には「おそ松さん」のエンディング曲「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」や「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」のエンディング曲「打ち寄せられた忘却の残響に」、「トリニティセブン」のエンディング曲「BEAUTIFUL≒SENTENCE」といったアニメ提供曲、DISC 2にはアーティストへの提供曲やセルフカバー、リミックスなどが収められている。楽曲のジャンルは多岐に渡り、エレクトロニカやテクノポップはもちろん、ファンクもあれば、ラップやメタル、オペラもある。どんな発注もTECHNOBOYS流のスタイルで応えてきた彼らに、楽曲制作にまつわる思い出を聞いた。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 曽我美芽

本気で悩んだ「天才バカボン」

──まず、バンド結成25周年を迎えた心境から聞かせてください。

石川智久 何も変わりません! 次に進まないといけないので、今は新しいことを考えようという心境ですね。

フジムラトヲル 本当に実感がないんですよ。25歳の方がテレビに出ているのを見ると、これだけバンドをやっていたんだなというくらいの感覚です。数えたら25年経ってたけど、ずっと続けてきたことなので、25年と言われてもピンとこないというのが正直な気持ちかな。

松井洋平 20周年のときも10周年のときも、もっと言えば、3人でバンドを始めたときから、次にやることが更新されていっているので、「25年経ったからこれだ!」というのはないんですよね。でも、振り返るきっかけとしてはいい区切りだなと。改めて今回のアルバムを聴いたときに、アニメ提供曲だけを取ってみても、これだけのことをやらせてもらってきたんだなと思いました。

──ベスト盤が出るということで、過去を振り返っていただきたいなと思います。DISC 1とDISC 2の各盤から思い入れのある曲を1曲ずつ挙げていただけますか?

松井洋平

松井 思い入れだけで言ったら、僕はDISC 1だとアニメ「深夜!天才バカボン」のオープニングテーマ「BAKA-BONSOIR!」ですね。「天才バカボン」は何をやってもオリジナルの曲に勝てる気がしない、もう無理だなと思ったんですよ。もちろん、バンドを始める前から憧れていた高野寛さんと一緒にやった「Book-end, Happy-end」や、松岡英明さんとの「幻想レボリューション」にも思い入れはあるんですけど、本気で悩んだということで言えば、「BAKA-BONSOIR!」が一番悩んだし、よく突破口を見つけたなと思いますね。

石川 いつもは勝手に作っているんですけど、この曲だけ、作詞の件で私のところに「どうしたらいい?」という電話がかかってきて。かなりプレッシャーを感じていたんでしょうね。

松井 この曲は苦しんだ分、監督が笑ってくれたり、バカボンのパパ役の古田新太さんも「好きな曲だ」とおっしゃってくださったりしたことがすごくうれしかったですね。聴いてくださっている方はもちろん、歌った方や関わってくれた方が「すごいよかった」と言ってくれるのが一番うれしいです。

ヨーロッパの電車内で作った
メジャー1stシングル曲

──続いて、フジムラさんは?

フジムラ 僕はベタですけど、メジャー1stシングル「打ち寄せられた忘却の残響に」(テレビアニメ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」エンディング主題歌)ですね。正直、自分たちがTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDとしてメジャーデビューするとは一切思ってなかったので、「あ、出していただけるんだ」という驚きがありました。ただ、1枚しかメジャーで出せない可能性もあるので、しっかりとTECHNOBOYSという印は残しておこうと思いながら作っていた記憶がありますね。そこで大竹佑季さんというシンガーに出会えたのも大きかったです。この曲にすごいマッチする歌声だと思ってお願いして、その後もいろいろと歌っていただきました。

松井 最終的に歌は一発録りになったんだよね。

フジムラトヲル

フジムラ 何テイクか録ったあとに聴いてみて、いつもは歌が終わったところでエンジニアさんが曲を止めちゃうんですけど、1回アウトロまで通して聴いたら、大竹さんがハッとした様子で「もう1回、歌わせてください」と言ったんです。そのあとに1曲通して歌ったテイクが使われていますね。

松井 AメロやBメロとか、パートごとに分けて歌わずにね。

フジムラ そう。アウトロを聴いてすべてがわかったって。一発OKだったよね。あと、これはのちにわかったことなんですけど、原作者の太田(紫織)さんは執筆するときには気が散るから音楽はかけないそうなんですね。でも、ある人の曲だけはかけていたというのが、大竹さんのソロ作品なんですよ。だから、太田さんは大竹さんがフィーチャリングボーカルだと聞いたときに、めちゃめちゃ驚いたらしいんです。「そのことはひと言も言ってなかったのに」って。いろんな運命が集約されていたという意味でもこの曲は印象に残ってます。

松井 いろんな巡り合わせがあったね。

──大竹さんがハッとしたアウトロって、きっと石川さんのピアノのフレーズですよね。あの繊細な音色は、桜の花びらが落ちていく様子を表現しているのかなと思ったんですが。

石川 桜の花びらでいいんじゃないでしょうか(笑)。この曲、フランスで作ったよね?

松井 そう。そのときたまたま石川がヨーロッパで仕事があって、僕も面白そうだから付いていったんですよ。ついでに向こうでライブもしたんですけど、曲のベースを作ったフジムラから「納期があるから、早く歌詞を作って曲を完成させて」と言われて。フランスからイタリアに電車で移動するときにフジムラからデータが来たので、2人で向かい合わせの席に座って、パソコンをガチャッと出して、「できたメロディを寄こして。俺、歌詞を付けていくから」と進めていきました。その様子を見てた外国人の方々に「WAO!」って写真を撮られまくったので、当時の制作風景の写真が世界のどこかにあるはずです(笑)。

──でも、フランスで作ったのに不思議と和のムードがありますね。

松井 外国にいたから余計に和の感じが出たのかもしれないです。「日本のごはんが恋しいな」というときにアレンジを詰めたりしてたから。

新しく挑戦した電波曲

──石川さんの思い入れのある曲はどれでしょう?

石川 難しいな。一番新しい「KI-te MI-te HIT PARADE!」かな。

松井 お、意外!

──三森すずこさん、茜屋日海夏さん、高橋李依さん、東山奈央さん、芹澤優さん、日高里菜さんが演じるキャラクターのユニット、パーリィ☆フェアリィの曲ですね。

石川智久

石川 2014年にリリースした「ウィッチ☆アクティビティ」も電波曲だけど、それとはまた全然違う電波曲を作ろうと思って。とにかく「ウィッチ☆アクティビティ」の亜流になってしまわないように、新しく挑戦した曲ですね。

松井 録っているときの意識の持ち方は決定的に違ったかもしれない。「ウィッチ☆アクティビティ」のときのボーカル録りはお任せだったけど、この曲はフジムラがボーカルディレクションをしたんですよ。だから、より自分たちの曲になってると思います。

フジムラ たまたま三森さん以外は近々に録っていた方々だったので、どういうボーカルの感じかわかっていたんです。そういう意味でも、個人的にはディレクションしやすかったですね。そもそも皆さんうまいしキャラ感もしっかり残してくださるんですけど、単純に言葉が詰まってるところとか、主メロよりも合いの手やハモ、コーラスがめちゃめちゃ多いので、そこをどうスムーズに録るかというところを悩ませないようにディレクションしました。情報量が多い曲なので、やることを噛み砕いて伝えましたね。

──サウンドも「ウィッチ☆アクティビティ」とは全然違いますよね。

石川 僕らはずっと80年代モノしかできないのかなという意識でしたけど、これ、90年代のサウンドですよね。

松井 そうだね。「Book-end, Happy-end」も90年代だし、最近意識が90年代に向かっているのかな。