“ながら聴き”の時代だからこそマルチポイント機能を
──「AZ80」はイヤホン本体に搭載されている振動板と同じくアルミの素材がケースに用いられていたり、初めてゴールドのTechnicsロゴが採用されていたりと、デザインにもこだわっています。
大人っぽくてカッコいいなと思います。僕はモノトーンの服を着ることが多いので、ブラックとシルバーのカラー展開はすごくうれしい。本体のデザインがレコードっぽくなっているのもTechnicsらしいなと思いました。手に取った瞬間に馴染む感覚があって、長く愛せるデザインだなと。
──装着感はどうでしょう? 従来のイヤホンは耳を圧迫する力を利用していたのに対し、「AZ80」は筐体が耳の形に合わせたデザインになっているので、安定感が増して長時間の装着をしても耳が疲れにくいんです。
なるほど。確かにしばらく使っていると“着けている”という感じになるのかなと思ったんですけど、違和感や疲れみたいなものはなかったですね。それなりに大きなものが耳に入っているのに全然不快感がなかった。
──複数の端末を使いながらリスニングするときに、音楽が再生されたほうに自動的に切り替えてくれるマルチポイント機能も進化しています。これまでは最大2台までだったのですが、「AZ80」は業界初となるデバイス3台まで同時接続することができます。
「こっちの回線を切って、こっちにつなぎ直して」というわずらわしさがないということですよね。音楽ってドラマや映画、アニメとは違って耳だけで成立するエンタテインメントじゃないですか。今はいろんなエンタメがあるし、時間の使い方がシビアになっているから、“ながら聴き”はさらに増えると思っていて。複数の端末に同時につなげることができる機能はすごく便利だし、時代のニーズに合っていると思います。
思わず触りたくなる専用アプリ
──通話中に自分の声だけをクリアに届けることができる「JustMyVoice」の機能も向上しているのですが、いしわたりさんはこのイヤホンを使って通話はしましたか?
はい。この間、「AZ80」を着けた状態で通話してみたんですけど、相手から「普段よりも明らかに声がクリアに聞こえる」というリアクションが返ってきたんですよ。発話者の音声を認識して周囲のノイズを低減してくれるから、人通りの多い場所で電話するときはすごく便利ですよね。あとはこのイヤホンでオンラインミーティングもやってみたけどとても快適でした。接続が途切れる可能性を考えて、これまでは有線で参加していたのですが、「AZ80」はつながりづらさも感じませんでした。
──専用アプリ「Technics Audio Connect」の操作性はいかがでしたか? ノイズキャンセリング / アンビエントモードの聞こえ方のレベルを調整できたり、お好みの音質にカスタマイズができるイコライザー機能などがあります。
視覚的に操作できるというか、パッと見た瞬間に何をどうすればいいかわかるのがよかったですね。こういうアプリって、操作しづらかったら使わなくなるじゃないですか。ユーザーに対してフレンドリーというか、思わず触りたくなるようなアプリだと思いました。
──いしわたりさんは「AZ80」をどんな人に使ってもらいたいですか?
音にこだわる音楽ファンはもちろんですが、僕のように今までは有線のイヤホンを使っていて、ワイヤレスに抵抗があったという人にもぜひ試してほしいです。当然ですが、再生する機器が何かによって音楽の印象は大きく変わってくるので、アーティストのこだわりがそのまま届く「AZ80」で聴くことによって、いろいろな音楽を好きになるチャンスが増えると思いますね。
音楽を聴くのが楽しくなるイヤホン
──いしわたりさんが読者に「AZ80」の魅力をアピールするとしたら、どんな音楽を聴くことをオススメしたいですか?
どんな曲もいい音で聴けると思いますが、個人的には低音から高音までしっかり入っている最近の楽曲を聴くのがオススメですね。各音域のバランス、再現性の高さが大事になってくるので。僕は2年前からTHE BLACKBANDというユニットでも活動していて、今年「旅人よ」という曲を出したんですが、生楽器で録音しているので、この曲を聴くと「AZ80」の再現性の高さを実感しますね。
──ご自身のリスニング環境も変化するのでは?
そうですね。僕はもともと外出中はあまり音楽を聴いていなかったんです。外では解放されたいというか、「音楽を作るために自分の暮らしがある」という状態が嫌なんですよ。「耳の中を常に音楽が支配している」というのを避けるためにも外では聴かないようにしていたんですけど、今回「AZ80」を試してみて少し考え方が変わってきました。見ている風景と聴いている音楽が重なることで感動がさらに大きくなるような気がするというか。
──いしわたりさんは「関ジャム 完全燃SHOW」で年間ベスト10を発表していますが、その選曲にも影響が出てくるかもしれないですね。
ははは。確かに。実際、家でヘッドホンで聴いているときよりも、街の中でワイヤレスイヤホンで聴いているときのほうが「この曲、いいな」と思うことが格段に増えましたからね。好きな曲に出会うチャンスがもっと増えて、音楽を聴くのが楽しくなるイヤホンだと思いますね。
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Technics「EAH-AZ80」
TechnicsがHi-Fiオーディオ機器の開発で長年培われた音響技術の粋を注いだ完全ワイヤレスイヤホン。10mmドライバー×アルミニウム振動板が搭載されており、低域から高域まで再現性の高いクリアな音を楽しむことができる。ノイズキャンセリングの性能は業界最高クラス。長時間の使用でも疲れにくい“コンチャフィット形状”を採用しているほか、業界初の3台マルチポイント接続にも対応している。
プロフィール
いしわたり淳治(イシワタリジュンジ)
1977年生まれ、青森県出身の作詞家 / 音楽プロデューサー / 作家。1997年にロックバンドSUPERCARのメンバーとしてデビューし、オリジナルアルバム7枚、シングル15枚を発表。そのすべての作詞を担当する。2005年のバンド解散後は、Superfly、Little Glee Monster、King&Prince、SMAP、関ジャニ∞、Hey!Say!JUMP、DISH//、矢沢永吉、石川さゆり、TOMMORROW X TOGETHER、EXO、NCT127、JUJU、中島美嘉、まふまふ、上白石萌音などの作詞、チャットモンチー、9mm Parabellum bullet、flumpool、ねごと、NICO Touches the Walls、GLIM SPANKY、BURNOUT SYNDROMESなど、ジャンルを問わず数多くのアーティストの楽曲プロデュースを手がける。現在までに700曲以上の楽曲制作に携わり、数々の映画、ドラマ、アニメの主題歌も制作。2017年に映画「SING/シング」、2022年に「SING2」の日本語歌詞監修を行い、国内外から高い評価を得た。音楽活動の傍ら映画・音楽雑誌などで執筆活動も行っており、著書に短編小説集「うれしい悲鳴をあげてくれ」、エッセイ「次の突き当りをまっすぐ」がある。朝日新聞デジタル「&M」にて「いしわたり淳治のWORD HUNT」を連載中で、2020年12月には掲載されたコラムをまとめた書籍「言葉にできない想いは本当にあるのか」が発売された。2021年からはユニット・THE BLACKBANDを結成し、そのメンバーとしても活動中。
いしわたり淳治オフィシャルブログ・KIHON THE BASIC