ハマ・オカモト(OKAMOTO'S) meets Technics特集|作り手のこだわりを再現する高音質ワイヤレスイヤホン (2/2)

自分好みにカスタマイズできる専用アプリ

──「AZ80」は複数の端末を使いながらリスニングする際、音楽が再生されたほうに自動的に切り替えてくれるマルチポイント機能もあるのでかなり便利だと思います。

この機能は素晴らしいですよね! さらに業界初の3台同時接続でしょ。これはいろんな場面で重宝される機能だと思います。とても便利だから今後は標準的な機能になっていくんだと思うけど、Technicsがやってのけた感がすごいですよね。

──専用アプリ「Technics Audio Connect」をダウンロードすると、音やノイズキャンセリングなど細かい設定を調整できることも特筆すべき点かなと思うんですが、ハマさんはアプリを操作されましたか?

いや、まだ操作できてなくて……。触ってみてもいいですか?

「EAH-AZ80」で音楽を楽しむハマ。

「EAH-AZ80」で音楽を楽しむハマ。

スマートフォンで専用アプリ「Technics Audio Connect」を試すハマ。

スマートフォンで専用アプリ「Technics Audio Connect」を試すハマ。

(実際に操作しながら)おお! これはわかりやすいですね。これで結局EQをいじれるということじゃないですか。これでいいんですよ。味付けしたい人は自分で設定すればいい。

──直感的に触ることができる?

そうですね。とてもわかりやすい! オートパワーオフまであるし、イヤホンを外したときに音楽を一時停止するかも選べるし、1分以内で装着したら再開するかどうかも選べる。すごい、これは至れり尽くせりだなあ。

──機械が苦手な人でも難なく扱えそうですか?

うん。あと、音楽に興味を持ったばかりの中学生くらいの子の勉強にもなると思います。もともと「Technics Audio Connect」にはイコライザーのサウンドモードが5種類入ってるんですよね。例えばローが強い「バスエンハンサー」とか。あとはカスタムでグラフィックイコライザーでいじれるようになってるから、これは勉強になりますよ。このあたりを上げるとこういう帯域なんだというのが体感できるから。マジでこの形でいいんですよ。さっきも言いましたけど、味付けしたい人は自分でアプリを使ってカスタムすればいい。

説得力のある音

──そんな至れり尽くせりな「AZ80」でOKAMOTO'Sの作品、あるいはご自身のソロワークで聴いてほしい楽曲はありますか?

昨年、岡村靖幸さんがアイナ・ジ・エンドをプロデュースした「私の真心」という曲があるんですけど、それがいいんじゃないかな。illicit tsuboiさんがエンジニアで、石若駿がドラムを叩いていて聴き応えあると思いますよ。OKAMOTO'Sは最新曲の「Where Do We Go?」でいいんじゃないかな。わりとスカスカというか(笑)、音数を抑えた構成になっているから、「AZ80」で聴くと面白いかもしれない。

──「Where Do We Go?」は実音感をものすごく感じる仕上がりですしね。

OKAMOTO'Sは楽曲の構成はもとより、音にもこだわっているんです。メンバーがそれぞれが培ってきたものがそのまま反映されるのが楽器だと思う。僕らの楽曲は「楽器のいい音がするね」と言ってもらえることが多くて、そのよさを伝えるために聴くメディアにこだわるし、どんなものが実際に使われているのか気にする。だから「Where Do We Go?」を「AZ80」で聴くと、僕らのこだわりみたいなものがわかりやすいかもしれないですね。

──ベースの輪郭もすごいクリアに迫ってくる感じがよかったです。

よかった! あの曲はベースしか変なことしてないんで(笑)。

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

──改めて「AZ80」をどんな人にオススメしたいですか?

僕は日頃から斜めに物事を見るから、オオカミ少年的なとばっちりを受けそうで嫌だし、まっすぐ褒めているのが伝わらないときもあるんだけど、「AZ80」は本当にめちゃめちゃ好きなイヤホンだったからうれしくて。この記事を読んでくれている皆さんもまずは試してほしいです。今まで自分が使っていたイヤホンとどれくらい違うのかというのを体感してほしいし、例えば音楽が好きと自称している人ならば絶対に体感してほしい。「やたらとローが出るやつを使っていたんだ」とか「ハイが出るやつを使っていたんだ」とか、いろいろ系統がある中で自分がどういう環境で聴いていたかを「AZ80」のフラットさをもってして再確認することもできると思う。そこでどう思うかっていうのはその人次第ではありますけど、圧倒的にフラットでありながら、その楽曲が持つ高揚感を損なわない程度のフラットさというか。アウトプットされる音にちゃんと説得力が生まれる。

コロナ禍を越えて

──では、最後にOKAMOTO'Sのお話を。今年は年明けからツアーで各地を回ったり、アルバムのリリースがあったりと、忙しなく動いてる印象です。2023年の上半期が終わろうとしていますが、どうでしょう? OKAMOTO'Sの現在のモードは(※取材は6月上旬に実施)。

ツアーでいろんなところを回ってみて、声が出せることとか、コロナ前の状況に限りなく戻ってきているのは感じますね。でも、「あの頃に戻りたい」というのはすごく嫌な言い方だと思っていて。むしろコロナを乗り越えて、これから先どんどんよくなっていく気がするので、そういった体感の中でツアーを完走できたのはすごくよかったと思います。

──はい。

真面目なことをやったあとにはアメとムチではないですけど、6月末からTHE BAWDIESとツアーを回るとか、そういう楽しみが控えてるんですよ。僕らは休むことなく12、3年ずっとバンドを動かしてきて。大変だったコロナ禍も越えて、今年も活動を継続できてることはすごく自信になりますね。

──ツアーの中で世の中の状況が変わっていくグラデーションみたいなものを体感したのでは?

そうですね。コロナ禍中はツアーをやらなかった人たちもいたけど、やる意味がなかったというのもよくわかるんですよ。でも僕らはその中でもツアーを回ったので、おっしゃる通り、世の中の流れが変わっていくグラデーションは体感しました。だからツアー初日、出囃子が鳴ってステージに出ていくまでは怖かったけど、結果的にはすごくいいツアーになったと思います。いつも半分ジョーク、半分本気で言ってるんですけど、東京が一番そういうのに不感症というか、一番スンとしているんですよ(笑)。ツアー中にバンドの公式アプリで「ちゃんとしてくれよ。エンタメ慣れしてるんじゃないぞ」って再三言っていたら、最終公演の東京もすごくいい感じで迎えてもらえた。冗談抜きでここ数年の記憶にはないくらい、東京の反応がよくてうれしかったですね。でもそれは僕らがどうということではなく、「あの時期を越えたよね」という一体感がそうさせたんだと思います。

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

──最新曲「Where Do We Go?」はリリース前からツアーで演奏していたということですが、お客さんの反応はいかがでした?

けっこうよかったんじゃないかな。僕らとしてもリリース前にライブで新曲を披露するということはあまりやってこなかったことだから新鮮な感じがしました。あと、お客さんは初めて聴く曲だから、僕らがミスをしても気付かれないのはよかった(笑)。

──制作の流れ的には(オカモト)ショウくんと(オカモト)コウキくんが原型を作ってといういつも通りの進め方だったんですか?

「Where Do We Go?」は「Dr.STONE」というアニメのエンディング曲なんだけど、ショウがもともと原作のファンだったので、ストーリーを理解したうえで制作ができたみたいです。こうしたいというビジョンがあったから、録音もあっという間に終わったんですよ。なのでその勢いのよさみたいなのがパッケージングされているんじゃないかな。逆に長考してしまうと勢いが消えてしまうこともあるから、思ったまま弾いてる感じが出てよかったなと思っています。

──「楽しみ」とおっしゃっているTHE BAWDIESとのツーマンツアーも間もなく始まりますね。

去年、北海道でTHE BAWDIES、KALMA、僕らの3組でライブをする予定だったんですけど、前日にKALMAのメンバーがコロナにかかってしまって。中止またはTHE BAWDIESとOKAMOTO'Sのツーマンという話になったから、「じゃあツーマンやりましょうよ」となったんです。その日のライブがシンプルにすごく楽しかったから、終わったあとに「来年も一緒にやらない?」という話になって(笑)。THE BAWDIESとOKAMOTO'Sのスプリット盤も出すんですよ。OKAMOTO'Sの演奏でROYくんが歌うのと、THE BAWDIESの演奏でショウが歌う曲を両A面で出すので、それを持ってツアーを回るって感じです。

──すごく楽しみですね。

スプリットツアーってなんか昔のパンクバンドみたいですよね(笑)。配信もやるけど、7inchでレコードも出しますし……とにかく各地でのTHE BAWDIESとの競演を楽しみたいと思います。

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)


Technics「EAH-AZ80」

Technics「EAH-AZ80」

Technics「EAH-AZ80」

TechnicsがHi-Fiオーディオ機器の開発で長年培われた音響技術の粋を注いだ完全ワイヤレスイヤホン。10mmドライバー×アルミニウム振動板が搭載されており、低域から高域まで再現性の高いクリアな音を楽しむことができる。ノイズキャンセリングの性能は業界最高クラス。長時間の使用でも疲れにくい“コンチャフィット形状”を採用しているほか、業界初の3台マルチポイント接続にも対応している。

ライブ情報

THE BAWDIES × OKAMOTO'S SPLIT TOUR 2023「ON STAGE」

  • 2023年6月25日(日)北海道 サッポロファクトリーホール
  • 2023年6月27日(火)宮城県 Rensa
  • 2023年7月1日(土)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
  • 2023年7月14日(金)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2023年7月16日(日)大阪府 なんばHatch
  • 2023年7月17日(月・祝)愛知県 DIAMOND HALL

プロフィール

ハマ・オカモト(OKAMOTO'S)

1991年東京生まれ。ロックバンドOKAMOTO'Sのベーシスト。さまざまなミュージシャンのサポートも行い、2013年には日本人ベーシストとしては初の米国Fender社とエンドースメント契約を結んだ。ラジオやテレビ、雑誌などあらゆるフィールドで活躍しており、2020年5月にはムック本「2009-2019"ハマ・オカモト"とはなんだったのか?」を発売。TOKYO FM「THE TRAD」、テレビ朝日「ハマスカ放送部」、NHK「沼にハマってきいてみた」に出演中で、音楽ナタリーでは細野晴臣、安部勇磨(neveryoungbeach)との鼎談連載「細野ゼミ」に参加している。OKAMOTO'Sとしては、2022年7月に東京・NHKホールでライブイベント「90'S TOKYO BOYS IN HALL SPECIAL ~アフタースクール~」を開催。2023年5月にテレビアニメ「Dr.STONE」のエンディングテーマ「Where Do We Go?」を収録したシングルをリリースし、6月からはTHE BAWDIESとのスプリットツアー「ON STAGE」で各地を回っている。