ファンやバンド仲間など、多くの人々が彼らの魅力のひとつとして語るのが、そのダイナミックなライブパフォーマンス。その様子を、6月1日のSAKAE SP-RINGでチェックしてみた。

名古屋市内きってのライブハウス密集地帯・栄で毎年行われているライブハウスサーキットイベント「SAKAE SP-RING 2008」。その2日目、全会場の中でもっとも大きな舞台である名古屋クラブクアトロにthe chef cooks meが登場した。

彼らにとって名古屋は2007年の「若若男女サマーツアー」オープニングアクトで初の大舞台を踏んだ思い出の地。ではあるが今回は出場アーティスト168組を誇る超ギチギチイベント、5人がクアトロに到着したのも出番ギリギリ！感慨に浸る間もない（ように見えた）まま、ステージ上では急いでセッティングが進む。

パタパタとセッティングを終え、サウンドチェック代わりに5人が鳴らしたのはまもなく発売のミニアルバムから新曲「WE CITY」。オーディエンスはほとんど聴いたことがないはずの曲なのに、一瞬「！！」という表情をして顔を上げる。「この曲知ってる」ではもちろんなく、「これから楽しいことが始まる」ということに気づいたような、そんな表情。

この日のライブでは、おなじみの「SUNRISE」「僕らの住む町」「WEEKEND MAGIC NUMBERS」といった曲のほか、「WE CITY」「Oh yeah, music! You are mine!!」「ライフスタiLL・メイクスマイル」などの新譜収録曲も披露。さらにシモリョー曰く「俺の中では嵐に提供したい曲です！俺たちがこの曲でCD出してもあまり売れないと思うけど、嵐だったら絶対売れる！」となぜか言い切った新曲「papapa（仮タイトル）」もお披露目した（余談だがこの日のナゴヤドームでは、ちょうど嵐のコンサートが開催中。それを踏まえてのMCかと思いきや、全く知らなかったらしい。何そのシンクロ具合）。

ゆったりとしたメロディラインと軽やかなグルーヴが混ざり合って心地よい空間を作り出す、tccmならではのナンバーを中心にライブは続く。「papapa」ではシモリョーとタカミー（B）が「それじゃジャニーズには入れないなー」的レベルの振り付けで踊り出し、「ライフスタiLL・メイクスマイル」では5人が叩きつけるぶっ飛んだサウンドとパフォーマンスで観る人の度肝を抜く。キーボードを乗り越えるようにして前に出てくるシモリョーのマイクケーブルが、何度も何度も機材に絡む。そんな様子に思わず笑いがこぼれるうちに、初めて観る人も彼らのステージパフォーマンスの魅力と、「一緒に楽しんじゃったほうがお得ですよ？」というメッセージに酔わされていく。

そうこうしているうちに全7曲のライブはあっという間に終了。ラストを飾るのはもはや定番、「WEEKEND MAGIC NUMBERS」。何度も観ているファンはもちろん、この日初めてライブを観た人も全員一緒になってハンドクラップを続ける。彼らのライブの楽しさに心を奪われた人々が、共に楽しい空間を作り出そうとする意志を感じられる光景だった。