「ニビイロ」のときと比べて声が変わった
──前回のインタビューでは、「自分の歌、自分の曲がすごく好き」だとおっしゃっていましたけど、「After the rain」のボーカルに関してはいかがですか?
めちゃくちゃいい出来だと思います。毎日ずっと聴いてます(笑)。
──今回の歌にはどんなこだわりを注ぎましたか?
AメロBメロはなるべく口を開けずに、ちょっと疲れたような、寝起きのダルそうなマインドで歌いましたね。UTAさんのトラックにはメリハリがあるので、歌に関してもそこを意識したほうがサビで一気にガツンと来ると思って。で、サビでは背筋がピンと伸びた感じで、緊張感を持ちつつテンションの高い歌い方を心掛けました。語尾に関してはちょこちょこディレクションしてもらった部分はありましたけど、大枠はUTAさんにも「バッチリだよ」と言ってもらえましたね。レコーディングはめちゃくちゃスムーズで、2時間で終わりました。
──ボーカルのアプローチで自分なりに新たにトライできたと思う部分はありますか?
ファルセットの使い方かな。大サビの最後は息を多めに出すファルセットで、なおかつビブラートをかけているんですよ。そこはUTAさんにリクエストされた部分だったんですけど、意識するとなかなかうまくできなくなっちゃったりもして。そこだけ何度も繰り返し録って、20分くらいかかったと思います。
──竹内さんのファルセットはすごくきれいですよね。
それ、今回UTAさんにも初めて言ってもらいました。「すごくきれいだし、サウンドにバチーンとハマるよね」って。「ニビイロ」や「Silence」のときには言われなかったところなのでうれしかったっすね。
──さまざまな曲を歌ってきたことによるボーカルの進化があったということなんでしょうね。
「ニビイロ」のときと比べると、声が少し変わってきてるんですよ。以前はもうちょっと子供っぽくて甘い声だったから、地声がファルセットに近い聞こえ方をしていたんですよね。でも今は地声が変化したから、ファルセットをしたときにメリハリがよりつくようになったんだと思います。最近またボイトレにも通うようになって、いろんなタイプの曲が歌いやすくなっているところもありますね。
──歌へのこだわりはより強まっている?
強くなってますね。特に「After the rain」でまた自分の意識がいろいろ変わったところもあったというか。音楽に対してより深く向き合うようになったし、それによって自分の歌をより追求するようにもなって。ここからもっともっと進化し続けなきゃなと思ってます。
──プロ意識がより高まったってことですかね。
はい。プロ意識はしっかり持ってないとダメですよね。以前はよくも悪くも遊び感覚で音楽をやっていたところがあったし、これまで関わっていたスタッフさんはそれを竹内唯人の面白さとして評価してくれていたんですよ。でも今はそれだけじゃダメだなと思うようになった。今回の制作のときに、チームの中で「1つ下のキーで歌ったほうがいいんじゃないか」という意見が出たんです。高いキーだとライブでキツイんじゃないかと心配されちゃったみたいで。それに俺はちょっとムカついちゃって(笑)、「いや、俺は絶対今のキーのままがいいです!」と言ったんですよ。最終的には俺の気持ちを理解してくれて、低いキーにはしなかったんですけど。
──なるほど。そういう出来事があったから、歌に対してより本気になったところがあったのかもしれないですね。気持ちが奮い立ったというか。
そうですね。これまでの自分にあった甘えみたいな部分に気付かされたんですよ。だからムカついたというか、めちゃくちゃ悔しかったんですよね。そこで、せっかく出会えた大切なチームのみんなをいい意味で見返してやりたいという気持ちになったんだと思います。今までは厳しい言葉をあんまりかけられたことがなかったので、そういう部分でも今のチームの人たちには感謝しかないですね。
──メジャーで展開されていくここからの活動がさらに楽しみになってきました。
今も制作はずっと続けているんですけど、これまでのようにハイペースではリリースしないと思いますね。以前はライブができるはずだったから曲数を増やすために短いスパンでリリースしていましたけど、ここからは1曲1曲をより大事に届けていきたい。あとはね、昔から「一緒に曲を作ってみたい!」と思ってた人たちとつながることができたんですよ! 誰と一緒にやるかっていうのはまだちょっと言えないんですけど、「まさか竹内唯人があの人と⁉」みたいな感じで、みんな驚いてくれると思いますね。いやー、ホントにうれしいんですよ。だって一緒にやれるんっすよ、あの人たちと!
──匂わせが激しすぎるんですけど(笑)。
あははは(笑)。とにかく今後の動きは楽しみにしていて欲しいですね。竹内唯人、メジャーに来て燃えてるんで!