アドリブで変化する楽曲

──8月に777☆SISTERSがメジャーデビューを果たしたわけですが、畳みかけるようにリリースラッシュが始まりました。まずはKARAKURIと4Uによるハロウィンシングル「-Zero / TREAT OR TREAT?」が10月にリリースされて。

茂木　ハロウィンをコンセプトにしたCDを出したいなと思ったときに、777☆SISTERS関連のユニットだとちょっとイメージが湧かなかったんですよ。なので、ライバルという立ち位置の2組に、ちょっとヒールっぽい雰囲気で曲を歌ってもらおうかなと。僕の中ではKARAKURIは紫のイメージのEDM、4Uはオレンジのイメージのバンドサウンドにしたいなっていう思いがありましたね。

──「-Zero」はemonさんによる楽曲ですね。

emon　はい。茂木さんから具体的な説明は伝えられていなかったんですけど、KARAKURIの髪の色がパープルなので、頭の片隅ではそういうイメージがあったかもしれないですね。安直ですけど（笑）。

茂木　ただ前回お話した「KILL☆ER☆TUNE☆R」のときのように（参照：「Tokyo 7th シスターズ」特集）、今回もリテイクをお願いしちゃったんですよ。ほんとごめんなさいっていう感じなんですけど。最初に作っていただいた曲は、ちょっとポップな仕上がりだったんですよね。

emon　あと、自分の中では紫よりも青っぽいイメージの曲でしたね。僕の中ではちょっと自分なりの挑戦をした曲でもあったので、茂木さんのリテイクも全然納得できました。結果的に「-Zero」は、KARAKURIの1曲目として発表した「B.A.A.B.」と同一線上にありつつも、彼女たちの新たな表情は出せたと思うのでよかったなって。

茂木　うん。「B.A.A.B.」よりもクールで重めのEDMにしてほしかったんですよ。あとは印象的なイントロを付けてほしかった。それはもうバッチリ仕上げてもらえたと思いますね。「超カッコいい！」って即決でした。

──サウンドにボーカルの声がものすごくマッチしていますよね。

茂木　秋奈（ちゅな / KARAKURIの空栗ヒトハとフタバの声を担当）さんは、自分が持っているKARAKURIのイメージを歌でもストレートに伝えてくれるんですよ。なんの打ち合わせもなくアドリブを入れてくるし。で、それを僕ら2人がガンガン採用しちゃうっていう（笑）。

emon　そうなんですよ（笑）。正直、仮歌とは全然違う歌い方なんだけど、それがすごくよくて。「あ、こんなアプローチがあったんだ」っていう新たな発見があるんです。

茂木　だから今のKARAKURIは秋奈さんが作ってきた感じがある。これまでの経験からキャストさんが特長だと捉えているキャラの個性は、それが僕の表現と致命的にぶつかるようなものでない限り、できるだけ前に出してあげたほうがよいっていうのはありましたから。

ヒゲドライバー　僕も「PRIZM♪RIZM」でそういうエピソードが1つあって。あの曲の落ちサビで、ちょっと微妙に跳ねて歌ってる部分があるんですけど。

茂木　篠田みなみ（春日部ハルの声を担当）さんのパートですよね。

ヒゲドライバー　そう。僕はそういう歌い方を想定してなかったんですけど、妙に気持ちいいんですよ。で、即採用しちゃったっていう。ファンの方からもそこの歌い方がめっちゃいいって話をよく聞くので、そういう部分は生かすべきなんだなってすごく思いますね。

好き勝手にやらせてもらった4U

──一方の「TREAT OR TREAT?」は、ガールズバンドである4Uの魅力がストレートに表現された曲ですね。

茂木　そうっすね。この曲が4Uの王道だと思うんですけど、デビュー曲からケレン味のあるものをやるとキツイかなって思ってたんですよ。でも、今回で4Uとしては3曲目の曲なのでそろそろいいかなと。ニコニコしながら「4Uっていいでしょ？」って説明はもうしなくてよいというか、だから好き勝手にやらせてもらった感じですね（笑）。僕の中のガールズバンドのイメージをそのまま出しました。

──このシングルと同日には、5月に開催されたライブを収録した「Tokyo 7th シスターズ t7s 1st Anniversary Live in Zepp Tokyo 15'→34'『H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!』」のDVD / Blu-rayもリリースされました。ナナシスの盛り上がりの起爆剤ともなったライブは必見ですね。

茂木　アートワークなどもかなりやらせてもらったので、ぜひ見てほしいと思います。

ヒゲドライバー　カッコいいですよね。そう言えば、この間大阪でDJやったとき、このDVDにサインしてくれって言われましたよ。

emon　おー！

茂木　マジですか！ いいっすね、それ。細部までこだわって作ったので、これはぜひ観てほしいですね。