音楽ナタリー Power Push - Tokyo 7th シスターズ

茂木伸太郎×ヒゲドライバー×emon鼎談で探る 進化する「ナナシス」の世界

アイドルを育成、プロデュースするスマホ用ゲームアプリ「Tokyo 7th シスターズ(トーキョーセブンスシスターズ)」(通称ナナシス)に関連したリリースが続いている。

7月にメインユニット・777☆SISTERSが1stシングル「僕らは青空になる / FUNBARE☆RUNNER」でメジャーデビューを果たしたのを皮切りに、10月にはライバルユニットであるKARAKURIと4Uがハロウィンにあわせてシングル「-Zero / TREAT OR TREAT?」を発表。同日には、5月に開催されたライブ「Tokyo 7th シスターズ t7s 1st Anniversary Live in Zepp Tokyo 15'→34'『H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!』」のDVD / Blu-rayも発表された。さらに今回、777☆SISTERSの2ndシングル「Snow in "I love you"」と、ノベライズ版の主人公となる新ユニットLe☆S☆Caのデビューシングル「YELLOW」が12月9日にリリースされることとなった。

拡大し続けるナナシスの世界をより深く探っていくため、ナタリーでは2度目の特集を企画。総監督&総合音楽プロデューサー・茂木伸太郎と、楽曲クリエイターであるヒゲドライバーとemonによる鼎談と、777☆SISTERS、Le☆S☆Ca、KARAKURIの声優陣のコメントを通して、ナナシスというコンテンツが持つ魅力を紐解いていく。

取材・文 / もりひでゆき インタビュー撮影 / 笹森健一

DJイベントで盛り上がるナナシス曲

左からemon、茂木伸太郎、ヒゲドライバー。

──ヒゲドライバーさんはナナシス初期からクリエイターとして参加されていますね。

ヒゲドライバー そうですね。このプロジェクトがスタートしたばかりの頃に作ったのがWITCH NUMBER4の「PRIZM♪RIZM」でした。

茂木伸太郎 まずkz(livetune)さんにセブンスシスターズの「Star☆Glitter」を作っていただいて、そのすぐあとにお願いしたのがヒゲさんでしたもんね。もう2年くらい前ですか。

ヒゲドライバー 正直、当時はナナシスがどんなものになっていくのかがまだあまりわからない状況の中、曲を作った感じで。でも、そのあとにどんどんナナシスが盛り上がってきて、最近ではDJで「PRIZM♪RIZM」をかけるとめっちゃ沸くんですよ。「うおー!」って。「かけてくれてありがとう!」って超感謝されるっていう。

emon DJイベントではナナシスの楽曲がよく流れるし、めっちゃ盛り上がってますよね。

ヒゲドライバー そう。だから、当時はよくわからないプロジェクトだったけど、信じてよかったなって(笑)。

茂木 あははは(笑)。僕はヒゲさんの作るデジタルポップがすごく好きだったので、確かそういうオーダーをしましたよね。

ヒゲドライバー そうでしたね。僕に声をかけていただいた時点で、ある程度求められているイメージがわかったので、自分の色を素直に出せばいいかなっていう感じで。

茂木 だから制作はすごくスムーズに進みました。僕としては、クリエイターごとに制作の仕方が違うんだなっていうことを知り始めた時期でもあったので、ヒゲさんとのやり取りでもいろいろ勉強になりました。

──ヒゲドライバーさんとemonさんは以前からつながっていたんですか?

emon 実は今、僕らは同じところに所属していて。

ヒゲドライバー そうなんですよ。最近一緒になって。

emon ま、その前から一緒にライブをやったりしているので、友達の期間は長いんですけどね。

茂木 あ、そうなんですね。知らなかった。じゃ裏では「茂木の野郎がさ」みたいな話もしてたり?(笑)

ヒゲドライバー いやいや(笑)。emonさんがナナシスの曲をやってることは、サイト見るまで知らなかったんですよ。知ったあとでemonさんの曲を聴いて、さすがだなって思いました。

emon いやいやいや(笑)。僕もヒゲさんのナナシスの曲聴いたときは、ヒゲさんらしいいい曲だなって思いましたよ。

クリエイターがナナシスに参加することを楽しんでいる

茂木 ちなみに自分で曲を書くときに、ほかの人が作ったナナシスの曲を参考にすることってあるんですか?

ヒゲドライバー 僕はあんまりないかなあ。

emon 僕も基本的にはないですね。ただ、1回だけほかの方の曲を意識して速めのテンポの曲を作ったこともあったんですけど、結果的にそれはちょっと違うなってことになったんですよ(笑)。なので、ほかはあまり気にせず自分のカラーを出したほうがいいのかなって思ってます。

──自分のカラーを出しつつも、曲を提供するアーティストやユニットの個性を意識する部分はあるわけですよね?

ヒゲドライバー

ヒゲドライバー 僕の場合、それもあんまり意識してないかも。

茂木 そこはたぶん僕の役目なんです。ユニットの個性というか、次の曲のイメージを明確にしてそこに合わせたクリエイター選びをするっていう。

──ああ、なるほど。

emon ただ、自分の音楽を通して、そのユニットなりキャラクターなりがどう成長していくのかなっていうのは常に考えるようにはしてますね。あとは、茂木さんがくださる的確なリファレンスに沿って自分の色を付け加えていくという感じで。

茂木 僕ね、個人的にemonさんがすごく付き合いやすいんですよ(笑)。学生時代の友達っぽいというか、高校のクラスメイトだったら絶対に「一緒にバンド組もうぜ!」って言ってたと思う。で、上げてきてくれる曲もすごくいいので、ついお願いしちゃうんですよね(笑)。

emon ありがたいですね(笑)。

茂木 クリエイターごとに性格的な部分でもほんとにカラーがあるので、そういうところも面白いですね。ヒゲさんはお会いしたばかりの頃はけっこう寡黙な感じだったし!

ヒゲドライバー そうですか?(笑) 全然しゃべりかけてくれれば、しゃべるんですけどねえ。

茂木 ということで、最近は普通に話していますが(笑)。でも共通して言えるのは、皆さんがナナシスに参加することを楽しんでくれてる感じはすごくあって。皆さん「また曲書かせてください」って言ってくださるから、そういうところはこちらもすごくうれしいし、ありがたいなと思ってますね。

777☆SISTERS 2ndシングル「Snow in "I love you"」2015年12月9日発売 / Victor Entertainment
「Snow in "I love you"」
初回限定盤[CD] 1944円 / VIZL-911
通常盤[CD] 1296円 / VICL-37125
収録曲
  1. Snow in "I love you" / 777☆SISTERS
  2. ハネ☆る!! / はる☆ジカ(ちいさな)
  3. Snow in "I love you" -OFF VOCAL-
  4. ハネ☆る!! -OFF VOCAL-
  5. はる☆ジカ、聖夜の2日前(ドラマトラック)
初回限定盤封入特典

777☆SISTERS 2016年オリジナルカレンダー

Le☆S☆Ca デビューシングル「YELLOW」2015年12月9日発売 / Victor Entertainment
「YELLOW」
初回限定盤[CD] 1944円 / VIZL-912
通常盤[CD] 1296円 / VICL-37126
収録曲
  1. YELLOW
  2. Behind Moon
  3. YELLOW -OFF VOCAL-
  4. Behind Moon -OFF VOCAL-
  5. 泡沫七夜(ドラマトラック)
初回限定盤封入特典

Le☆S☆Ca オリジナルコースター3枚セット

KARAKURI / 4U ニューシングル「-Zero / TREAT OR TREAT?」2015年10月28日発売 / Victor Entertainment
「-Zero / TREAT OR TREAT?」
初回限定盤[CD] 1944円 / VIZL-865
通常盤[CD] 1296円 / VICL-37097
Tokyo 7th シスターズ ライブDVD / Blu-ray「H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!」2015年10月28日発売 / Victor Entertainment
「H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!」
Blu-ray Disc / 8000円 / VIXL-158
DVD2枚組 / 8000円 / VIBL-785~6
茂木伸太郎(モテギシンタロウ)

Donutsに在籍するクリエイター。「Tokyo 7th シスターズ」の総監督として同ゲームのビジュアル、脚本、楽曲の企画や制作、ライブ制作に携わっている。

ヒゲドライバー

ロックバンド・ヒゲドライVANのボーカルを務めるほか、“ピコピコ音楽クリエイター”としても活動。アニソンを多く手がけ、中でもアニメ「機巧少女は傷つかない」のエンディングテーマ「回レ!雪月花」が大きな注目を集めた。自身名義の作品を発表しているほか、リミックスやゲーム音楽を手がけたり、アイドルに楽曲を提供するなど幅広く活躍中。2016年1月に活動10周年を記念したベストアルバム「ヒゲドライバー10th Anniversary Best」をリリースする。

emon(エモン)

2002年よりインディーズバンドSHOWBITZのボーカルを担当。バンドでは作詞、編曲も行う。2008年にコンピレーションアルバム「Child's Fantastic Moment」にリミックスを提供したことを機にDTMを始める。同年にyumi(ex. ムラマサ、現エイリアンズ)とuda(ex. SHOWBITZ)とテクノポップユニットTes.を結成し活動を開始する。また2010年よりVOCALOIDプロデューサーとしても活動しており、「踊ってみた」やMMD動画で人気の「Heart Beats」「shake it!」「too Cute!」といった楽曲を手がけている。