音楽ナタリー Power Push - Tokyo 7th シスターズ

クリエイター陣が解説する「ナナシス」と音楽の関係

“アイドル氷河期を迎えた西暦2034年”を舞台にアイドルを育成、プロデュースしていくスマホ用ゲームアプリ「Tokyo 7th シスターズ(トーキョーセブンスシスターズ)」(通称ナナシス)。その中に登場する、メンバー12人からなるメインユニット“777☆SISTERS(スリーセブンシスターズ)”がシングル「僕らは青空になる / FUNBARE☆RUNNER」でメジャーデビューを果たした。

ゲーム内で使用される楽曲の制作には、kz(livetune)、ヒゲドライバー、Uji(aka 霊長類P)をはじめ、気鋭のクリエイター陣が参加。それにより、ゲームとしての面白さはもとより、音楽的な評価がアプリの人気を牽引している状況となっている。アプリ会員数は70万人を突破。今年4月にはゲーム内で使用されていた楽曲を収録した1stミニアルバム「t7s Re:Longing for summer」がiTunes Storeにて配信され、iTunes総合アルバムチャート1位を獲得する。5月にリリースされたインディー盤アルバム「H-A-J-I-M-A-L-B-U-M-!!」はオリコンデイリーCDアルバムランキング6位を記録、さらに同月に東京・Zepp Tokyoで開催されたゲームのライブイベントは超満員の中で大成功を収めるなど、高まり続ける本作への熱い注目度は、777☆SISTERSのメジャーデビューでさらに加速することになるはずだ。

今回音楽ナタリーでは、「ナナシス」の総監督であると同時に総合音楽プロデューサーでもある茂木伸太郎と、777☆SISTERSの初期三部作ナンバー(「KILL☆ER☆TUNE☆R」「Cocoro Magical」「H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A-!!」)を手がけたfu_mou、y0c1e、emonの座談会を企画。「ナナシス」における音楽の魅力について語り合ってもらった。

取材・文 / もりひでゆき インタビュー撮影 / 笹森健一

 
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ライブ前提の「ナナシス」

──「Tokyo 7th シスターズ」は、ゲーム内容はもちろん、その中で使用されている音楽への評価が非常に高いですよね。

Tokyo 7th シスターズキービジュアル

茂木伸太郎 ありがたいことにそういう評価をいただけているのは実感しています。「ナナシス」では基本的にまずは自分の心に刺さる楽曲を作るつもりで作ってはいるんですけど、自分と同じようにそこに刺さってくれる若い人たちがたくさんいて、なおかつ「ほかのコンテンツとはどこか違う」っていうことを感じてくれているのはすごくうれしいことで。5月にやったライブ(5月31日に東京・Zepp Tokyoで開催された初ライブ「H-A-J-I-M-A-L-I-V-E」)ではファンの皆さんのそういった思いをより実感できたところはありました。皆さん非常に盛り上がってくれていましたから。

──ライブの開催を決めた裏には、楽曲に対する制作側の自信もあったんでしょうね。

茂木 もともと、プロジェクトを立ち上げた段階からライブはいつか必ずやるという気持ちで楽曲を作ってはいました。なので、楽曲を作る際にもライブをイメージしていましたし、そもそもゲーム内のユニットのコンセプトや衣装、音楽性に関してもライブを頭の片隅に置きつつ制作してきたところがあったので。まあ、当初は絵空事でしかなかったので周りからは否定されたり、バカにされたりはしてましたけど(笑)。僕は本気でした。

──クリエイターの方々も「ナナシス」への反響を実感することはありますか?

fu_mou 僕はアニソン系のイベントでライブすることもあるんですけど、そこに「『ナナシス』やってます。曲いいっすよね!」って言ってきてくれる人がけっこういて。ちゃんと届いてるんだなって実感することは多いですね。

y0c1e 参加してるクリエイターをきっかけにゲームを始めたって話もよく聞きますからね。

fu_mou そうそう。テーマソングをkz(livetune)が作ってることへの安心感からゲームを始める人も多いと思う。で、蓋を開けてみたら「ほかの曲もすげえいいじゃん」って感じでのめり込んでいくっていう。

左からemon、茂木伸太郎、fu_mou、y0c1e。

emon 僕の周りには「ナナシス」をやってる人が多いんですけど、「僕、曲作ってんねん」って言うと驚かれますからね。それだけ浸透してるんだと思います。

y0c1e 基本は音ゲーなんで、僕らの曲でより楽しいと思ってもらえてるとしたらありがたいことですよね。

茂木 そもそもこのプロジェクトは、ゲームだけを作るというよりも作品というか、コンテンツを作ろうと思って動き出したところがあるんで、絵や音楽もナナシスの表現の一部として細部まできっちり愛情を持って1つひとつ作ってきたという自信だけはあります。

キャラクターのストーリーを見せる曲作り

──参加されている音楽クリエイターの人選はどのようにされているんですか?

茂木 kzさんに関してはそもそも僕がファンだったのでお願いしました。その後、kzさん界隈の方の音源を聴かせていただく機会が増え、そこからヒゲ(ドライバー)さんやU-ji(a.k.a 霊長類P)さんも参加してくれて。今日集まっていただいた3人も基本的にはそういった流れの中で出会った感じです。僕自身、ネット音楽のムーブメントを作っているような若い世代の方々にすごく興味があったんで、企画当初はほんとにたくさんの音源を聴いていたんですよ。その上で声をかけさせていただいたのは、出会い方はともかく単純に自分の心に響く音を作っている方々。皆さん、ある種のメッセージ性を発することから逃げない音楽を作ってらっしゃるというか。音だけよければいいんでしょっていう感じで音楽を作ってないところがよかったんですよね。歌詞がどうこうってだけじゃなくて。

y0c1e ああ、なるほど。僕がアイドルの曲を作るときは、その子たちのストーリーが見えるメロディを作るようにはしてますからね。確かに音だけ聴かせればいいっていう考え方はないです。

fu_mou ドルソン(アイドルソング)に関しては、ほんとにそこが大事だと思いますね。あと僕は個人的に“ライブが見える”ことを念頭に置いて作ってるところもあります。ライブでとにかく盛り上がるような曲を作ろうって。そこがマッチしたのかもしれないです。

──「ナナシス」に音楽で参加することが決まったとき、その世界観にスムーズに入り込むことはできました?

y0c1e 実は僕、茂木さんからお話をいただく前からずっとゲームをやってたんですよ。

茂木伸太郎

茂木 そうだったみたいですね。単純に「ナナシス」のユーザーだったという(笑)。

y0c1e そう。だからすごいうれしかったし、キャラクターのことも全部わかってたんで、曲のイメージもしやすかったんですよね。

fu_mou 僕はゲームのことを知らなかったので、「え、(メインユニットである)777☆SISTERSって12人もメンバーいるの?」っていう衝撃がデカかったですね(笑)。今まで手がけたアイドルは多くて私立恵比寿中学の9人とかだったんで。

emon 僕も人数の多さに戸惑ったところはありました。実際レコーディングをするときにも、どうやってディレクションしたらいいのかっていうところでてんてこまいでしたね(笑)。

fu_mou レコーディングはほんとに大変でしたね。2日で12人分レコーディングしたのは初めてですもん。

茂木 それ、みんな言いますね(笑)。曲の中でのメンバーの歌い分けは基本的に僕が準備はしていくんですけど、例えば4人で歌ってるところでもそれぞれの声をどう並べるのかっていうのもすごく大変みたいで。ミックスの段階でエンジニアさんもかなり苦労してましたから。

emon ただ、歌い手の方もエンジニアさんも、皆さんプロなので、自分が思っていた以上の仕上がりになるんですよ。そこで「ナナシス」の音楽に参加する面白さを実感できたところもありました。

Tokyo 7th シスターズ

2014年2月にサービスインしたスマートフォン向けのリズム&アドベンチャーゲーム。“アイドル氷河期の西暦2034年”を舞台にアイドルを育成&プロデュースしていく。ゲーム中にはメインユニット・777☆SISTERSをはじめ多くのアイドルグループやユニットが登場する。2015年5月には東京・Zepp Tokyoにて、ゲームに参加する声優たちによる1stライブ「Tokyo 7th シスターズ 1st Anniversary Live 15'→34' ~H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!~」が行われた。また同年7月に777☆SISTERSがシングル「僕らは青空になる / FUNBARE☆RUNNER」でメジャーデビューした。

777☆SISTERS 1stシングル「僕らは青空になる / FUNBARE☆RUNNER」2015年7月29日発売 / Victor Entertainment
初回限定盤 [CD] 2376円 / VIZL-856
通常盤 [CD] 1296円 / VICL-37089
初回限定盤収録曲
  1. 僕らは青空になる
  2. FUNBARE☆RUNNER
  3. 僕らは青空になる -OFF VOCAL-
  4. FUNBARE☆RUNNER -OFF VOCAL-
  5. Message from -HARU-
  6. Message from -MUSUBI-
  7. Message from -RONA-
  8. Message from -HIME-
  9. Message from -MOMOKA-
  10. Message from -SUMIRE-
  11. Message from -SUI-
  12. Message from -SHIZUKA-
  13. Message from -SUSU-
  14. Message from -SAWARA-
  15. Message from -KAJIKA-
  16. Message from -SHINJYU-
通常盤収録曲
  1. 僕らは青空になる
  2. FUNBARE☆RUNNER
  3. 僕らは青空になる -OFF VOCAL-
  4. FUNBARE☆RUNNER -OFF VOCAL-
茂木伸太郎(モテギシンタロウ)

Donutsに在籍するクリエイター。「Tokyo 7th シスターズ」の総監督として同ゲームのビジュアル、脚本、楽曲の企画や制作、ライブ制作にも携わっている。

fu_mou(フモウ)

Hifumi,inc.所属のクリエイター。アニメ「なりヒロwww」のオープニングテーマ「なりゆきだってオーライwww」やアニメ「蒼き鋼のアルペジオ」のエンディングテーマ「Innocent Blue」をはじめ、アニメ「アイカツ!」や、劇場版「とある魔術の禁書目録」の劇中歌なども担当。黒崎真音、私立恵比寿中学、アップアップガールズ(仮)、ナノなどの楽曲制作やサウンドプロデュースも担当する。

y0c1e(ヨシエ)

Hifumi,inc.所属のクリエイター。アニメ「人生」のオープニングテーマ「凸凹解決せんせーしょん」、アニメ「琴浦さん」のエンディングテーマ「ESP研のテーマ」やアニメ「恋愛ラボ」のオープニングテーマ「恋愛したいっ!」をはじめ、内田真礼、petit miladyへの楽曲提供など、アニメソングを多く手がけている他、BUGLOUD名義で米Play Me Recordsよりリリースをするなど海外でも活躍中。

emon(エモン)

テクノポップユニットTes.のメンバーとしても活躍するクリエイター。ボーカロイドプロデューサーやDJとしても活動している。オリジナルのボカロ曲を収録したアルバムもコンスタントに発表している。