MASUNORIの加入が与えたもの

──あと「JAZZY WALKIN'」も印象的で。スウィング系って今までありそうでなかったですよね。

TEPPEI　それはね、僕的にはMASUNORIの加入がデカいかなって思ってるんです。彼はこんな顔してるんですけど、けっこうオシャレなのを叩きよるし、いろんな引き出しを持ってて。あんまり癖がないからアレンジを加えやすいんですよね。

MASUNORI　僕は大変でしたけどね。まずむっちゃ気遣ってたんで。言われるがままやるみたいな。でもシャッフル使った曲とかもやりたかったんで面白かったですね。

──今もまだ言われるがままに作ってるわけではないですよね？

MASUNORI　最近ね、ちょっと言えるようになってきたんですよ！ 一緒にいる時間が長くなってきたから。

TEPPEI　俺とサトシはもう20年くらい一緒に曲作りをやっていて、言わんでもわかるみたいなところがあって、それはそれでいいけど、マンネリっちゃマンネリなんですよね。広がりがないっていうか。そういう意味ではMASUNORIは「こうやったらどうですかね？」って何気なく言ってくれるから刺激になったよな。

SATOBOY　うんうん。今まではドラムから発信するってことってあんまりなくって。MASUNORIはいろいろ言うてくれるからよかった。

MASUNORI　SUNSET BUSはセッションしながら曲を作っていくんですけど、やっていくうちにTEPPEIさんとサトシさんの中で、曲の形がどんどん明確になっていくんですよね。それを形にしていくのが楽しかったです。

──セッションで作っていくバンドで、20年くらい一緒にやってた2人に入っていくのってすごいことですよね。

SATOBOY　自分だったら絶対無理や。

TEPPEI　すごいな。大変やな。ありがとうな！

世代の違うバンドをつなぐ存在でありたい

──今年の6月21日には大阪・服部緑地野外音楽堂で自主企画イベント「BUS TRIP」が開催されます。「BUS TRIP」は去年から野外での開催になりましたが、いかがでした？

TEPPEI　おもろかったなー。

SATOBOY　SUNSET BUSの持つ“ほんわか感”みたいなものがうまく出せたかなと。手書きで旗作ったりして。

──今年はどんな1日になりそうですか？

TEPPEI　今年もアツい1日になるんちゃうかな。

──出演バンドの中にはDizzy SunfistやAT-FIELDといった大阪の若手バンドもいて。

SATOBOY　お客さんが入る入らないじゃなくて、いろんな世代のバンドを呼んで作っていくのが楽しいので、若手バンドは2組は出てもらいたいなと思ってるんですよ。大阪のバンドに限定しているわけではないですが、自分がアメ村にいるからそういうバンドが目に付きやすいのかも。とにかく若手バンドにとって何かのきっかけになったらいいなと。

──若手バンドのフックアップも兼ねていると。長く大阪のパンクシーンにいるSUNSET BUSの3人は、今の大阪のパンクシーンをどう見ていますか？

SATOBOY ＆ TEPPEI　（MASUNORIを見て）ライブハウス店員！

MASUNORI　バンドは少なくなってきてます。ジャンルが変われば多いですけど、特にメロディックのシーンは衰退してるんじゃないですかね。

──そうなんですね。大阪のメロディックパンクシーンって、今は盛り上がっているイメージがありました。Dizzy Sunfistを筆頭に、若手バンドが続々と出てきているので。

MASUNORI　HEY-SMITHとかが人気出始めたくらいに比べたらちょっと落ちましたね。その前って、ツアーで大阪飛ばされるときとかあったんですよね？

SATOBOY　あったあった。僕らが3.6MILKをやってるぐらいのときかな、一時期、大阪のパンクシーンがものすごく衰退したことがあって。お客さんが入らないから、バンドもツアーで回らないみたいな。でもSUNSET BUSを始めたくらいから、ライブハウスの人たちも同世代が多いから、こんなんアカンよなって話になって、みんなで協力していって。

──その衰退していた時期を知ってる人たちが上の世代になってきたから。

SATOBOY　そうそう、ブッキングとかに携わるようになって。そこからHEY-SMITHとかEGG BRAINとかが出てきて、今はDizzy SunfistとかAT-FIELDとか若手もがんばってっていう、最近の盛り上がりが信じられないくらいです。RAZORS EDGE、SPREADとか先輩のライブはいつでもほんまカッコいいし、イベントもしっかり続けていて。で、ロットンも10-FEETももちろんすごいし……。今、めっちゃいい状態なんで、これをどれだけ長く継続できるか、さらに若いバンドも出てくるように持っていけるかっていうのは考えますね。「BUS TRIP」でも集客を気にせず若手を呼んで。俺らはそういういろんな世代のバンドをつなぐ立ち位置でありたいと思っています。

これからもフレッシュに

──その中で、SUNSET BUSはどういう活動を続けていきましょう？

TEPPEI　フレッシュに！ 長いことやってるからって、老けたくない。ライブをやってるんだったらフレッシュにやらなアカンと思うし、じゃないと若い子とやるときに失礼だし。昔の栄光でやってるんやっていうのはカッコ悪いですしね。ずっとフレッシュにやってることで、観てる人とか若いバンドに何かを伝えられたらと思いますね。

SATOBOY　こうやって僕らが「フレッシュ！」「フレッシュ！」って言うてたら「あのおっさんら何言うてんねん」って面白がってもらえるかもしれんし。

TEPPEI　ね。この姿を見て「バンドって楽しいんや」とか「音楽やるの楽しいんや」とか思ってもらえたらうれしいですね。

──わかりました。では最後に何か言いたいことがあればお願いします。

TEPPEI　せーの……。

一同　フレッシュ！