SUMMER SONIC 2018|スーパースターから期待の新星まで大集結!サマソニ2018の見どころを徹底解説

女性のパワーを感じるディーヴァ陣にも注目

──MOUNTAIN STAGEにはQueens of the Stone AgeやNickelbackなどロックに振り切ったラインナップがそろいました。

清水 そうですね。今年は「LOUD PARK」が開催されないから、ロック好きのお客さんにはぜひMOUNTAIN STAGEを観に来てもらいたくて。ロック勢が中心なんだけど、その中にザ・ブラッディ・ビートルーツ(1日目)を入れているのもポイントです。彼のDJは打ち込み系でダンスミュージックの要素があって、ロックとポップをつなぐような存在だから、ゴリゴリのロックが好きな人たちがどう反応するのか、楽しみですね。2日目のMOUNTAIN STAGEの一押しはラテンポップシンガーのJ.バルヴィン。これから日本でもラテン勢がどんどん来ると思うし、将来的にはラテン系アーティストのフェスを開催することも視野に入れているので、ぜひプッシュしたくて。

アヴちゃん そうなんですね! J.バルヴィン、ヤバいですよね。好きです。

──SONIC STAGEはTame Impala、Paramore、セイント・ヴィンセントなど、まさに今注目すべきアーティストがそろっています。

清水 SONIC STAGEのアーティストは全部観てほしいですね(笑)。

SKY-HI (笑)。でも、本当にそういうラインナップですよね。

アヴちゃん 女性のアーティストも多くて、彩りが鮮やかですね。

清水 ありがとう。このステージだけでフェスが成立していると言うのかな。ジョルジャ・スミスやセイント・ヴィンセントをはじめ、女性アーティストのパワーも感じてほしいです。

アヴちゃん Paramoreもアツいですからね。去年のザラ・ラーソンにも感動したんですけど、私はディーヴァ然としたアーティストに惹かれるんです。今年はビリー・アイリッシュ、ケレラ、セイント・ヴィンセントとか。彼女たちがステージでどんなことをやっているかに興味があるんです。

清水 「サマソニ」のブッキングでは女性アーティストを常に意識してるんですよね。去年出てくれたデュア・リパもあのあと一気に世界的なアーティストになったし。

アヴちゃん

アヴちゃん 2009年のサマソニにビヨンセとレディー・ガガが出てたでしょ? それがずっと忘れられないんです。どちらも素晴らしいステージで、今も映像を観たりします。

清水 すごかったよね。ガガはもともとDANCE STAGEという4~5000人規模のステージにブッキングしていたんです。でも出演が決まったあと、どんどん知名度が上がって、その規模のステージでは無理だということになって。結局、夜中のMIDINIGHT SONICに出てもらいました。「サマソニ」にはこれまでテイラー・スウィフトやリアーナも出ていて、世界的な女性アーティストをほぼ網羅しているんだよね。今年のコーチェラ(アメリカで行われる大型野外音楽フェスティバル「コーチェラ・フェスティバル」)にビヨンセが出てたけど、ビヨンセをヘッドライナーにした最初のフェスは「サマソニ」だから。これはずっと自慢しようかなと(笑)。

フライング・ロータスが決まったらどんどん仲間が集まってきた

──RAINBOW STAGEのラインナップは1日目に凛として時雨やフレデリック、2日目はFear, and Loathing in Las VegasやSPYAIRなど、人気の邦楽アーティストで占められています。

清水 RAINBOW STAGEにはベテランよりも、中堅、新人を中心にしたフレッシュなバンド、アーティストをブッキングしています。サマソニの1年目がまさにそうだったんですよ。THE MAD CAPSULE MARKETS、Dragon Ash、SUPERCARなど、洋楽とも相性がいい若いバンドをブッキングしていて。そういう意味では、今年のRAINBOW STAGEは原点回帰と言えるかもしれません。

──BEACH STAGEにはカマシ・ワシントン、George Clinton & Parliament Funkadelic、サンダーキャットといったラインナップです。音楽ファンの中で「今年のBEACH STAGEはすごい!」と大きな注目を集めています。

清水 Beat Recordsの代表と「SONICMANIA」について話しているときに、彼が「フライング・ロータスに声をかけてみるよ」と言ってくれて。フライング・ロータスも「SONICMANIA」に興味を持ってくれて、彼が主催しているレーベルBrainfeederのアーティストで1ステージ作ることになったんです。それが「SONICMANIA」で展開される「Brainfeeder Night In SONICMANIA」。フライング・ロータス、サンダーキャット、ジョージ・クリントンと次々と出演が決まってこれはもう最高だなと思いました。せっかくみんなで来てくれるのに「ソニマニ」だけではもったいないから、「SUMMER SONIC」のBEACH STAGEにも出てもらうことにしたんです。さらに同じレーベルのカマシ・ワシントンも出たいって言ってくれて……最初はフライング・ロータスだけだったんですけど、いいアーティストが決まると、どんどん仲間たちが集まってくることがあるんですよね。実はQueens of the Stone Ageもそうなんですよ。ベックやNine Inch Nailsとつながりがあるから「俺らも出たい」って言ってくれて、出演が決まりました。

SKY-HI アーティストもオーディエンスと同じで「なんか面白そう」と思ったら、参加したくなるんでしょうね。

清水 うん、本当にそうだよね。今年はそれがうまくいって、「これがフェスのキモだよな」って20年目にして思った(笑)。

アヴちゃん おめでとう!

SKY-HI (笑)。しかもBEACH STAGEの2日目にはトム・ミッシュも出ますからね。流れも最高じゃないですか。そしてこのステージにMOROHAがいるのもいいですよね。

アヴちゃん やだ、泣いちゃうね。

SKY-HI 海のそばでMOROHAっていうのもレアですよね。何を歌うのかな? 

左からアヴちゃん、SKY-HI、清水直樹。

期待の新人を観るならBillboard JAPAN STAGEへ

──Billboard JAPAN STAGEは今年、新設されたステージですね。

清水 野外にあったGARDEN STAGEをなくして、マリンスタジアムの外周エリアに新たにステージを作ります。Billboard Live TOKYOをそのまま「サマソニ」に持ってきたというイメージのステージです。1日目はネッド・ドヒニー&ヘイミッシュ・ステュアート、ニック・ヘイワードなど大人っぽいラインナップになっていて、2日目は新人が中心。ジェス・グリンは大物だけど、期待の新人をいち早く見せてくれるのもBillboard Liveの特徴なので。あとはアジア勢。特にHigher Brothersが決まったことは大きいよね。

SKY-HI Higher Brothersが来てくれるのは本当にうれしいんですよ。今世界中を騒がしている中国のヒップホップグループだから単純にめちゃくちゃ観たいっていうのもあるし、「日本のフェスでトラップがどれだけ盛り上がるか?」を僕は観たいんです。

アヴちゃん え、どういうこと?

SKY-HI たとえばKOHHがLIQUIDROOMでトラップの曲をやればめちゃくちゃ盛り上がるんだけど、イベント出演で3000人以上の規模でそれをやると、お客さんがリズムを倍のテンポで取ってしまって、意外と盛り上がらないんです。僕を含め、ヒップホップ勢はトライ&エラーを繰り返していて。

アヴちゃん なるほど。私もトラップ好きです。あれって、90年代のグランジみたいなものかなって。

SKY-HI

SKY-HI そうかも。リリックの内容もそういう感じが多いし。

清水 ヒップホップやダンスミュージックでモッシュが起きたりするからね。5月に開催した「EDC Japan」でもマーティン・ギャリックスがプレイしてるときにフロアのなかにサークルができて。ためてためて……ドン!って来たときにモッシュになるっていう。

アヴちゃん まさにサークルモッシュですね。

清水 そう。DJやヒップホップの世界でそういうことが起きてるんだよね。海外ではかなり前からそうなってたんだけど、アジア各国、日本でもそういう機運が高まってる気がして。「サマソニ」のチャンス・ザ・ラッパー、「フジロック」(「FUJI ROCK FESTIVAL」)のケンドリック・ラマーもそうだけど、ヒップホップのアーティストが大型フェスの中心的な存在になっているわけだから。それが大きいムーブメントになっていくかどうか。今年はいろんな意味で転換期だと思いますね。

SUMMER SONIC 2018

幕張公演

2018年8月18日(土)
千葉県 ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ

MARINE STAGE

Noel Gallagher's High Flying Birds / マシュメロ / ショーン・メンデス / back number / Why Don't We / ルーエル / The Sherlocks

MOUNTAIN STAGE

Queens of the Stone Age / Bullet for My Valentine / Mastodon / The Bloody Beetroots / Marmozets / Pale Waves / Dream Wife

SONIC STAGE

Tame Impala / Friendly Fires / The Charlatans / ケレラ / Iamddb / ビリー・アイリッシュ / iri / 向井太一

RAINBOW STAGE

凛として時雨 / KEYTALK / フレデリック / 9mm Parabellum Bullet / 神様、僕は気づいてしまった / BiSH / Yogee New Waves / ポルカドットスティングレイ / さユり

BEACH STAGE

カマシ・ワシントン / Marian Hill / SOIL & "PIMP" SESSIONS / SPECIAL OTHERS ACOUSTIC / never young beach / あいみょん / MOROHA

Billboard JAPAN STAGE

ネッド・ドヒニー&ヘイミッシュ・ステュアート / THE BEATNIKS(高橋幸宏+鈴木慶一) / ニック・ヘイワード / Mili / クラウド・ルー / チャーリー・リン / No Party For Cao Dong

MIDNIGHT SONIC

SONIC STAGE

Sparks / Wolf Alice / 水曜日のカンパネラ / 女王蜂 / Moodoid

SPACE ODD STAGE

yahyel / DYGL / The fin. / RYOHU(KANDYTOWN) / MIYACHI

2018年8月19日(日)
千葉県 ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ

MARINE STAGE

ベック / チャンス・ザ・ラッパー / MIKE SHINODA of Linkin Park / MY FIRST STORY / Greta Van Fleet / ラムズ / THE ORAL CIGARETTES

MOUNTAIN STAGE

Nickelback / J.バルヴィン / アレッシア・カーラ / レキシ / Walk The Moon / ENDRECHERI / ノックス・フォーチュン

SONIC STAGE

Paramore / セイント・ヴィンセント / Portugal. The Man / ジョルジャ・スミス / レックス・オレンジ・カウンティ / プチ・ビスケット / SKY-HI & THE SUPER FLYERS / RIRI

RAINBOW STAGE

Fear, and Loathing in Las Vegas / SPYAIR / キュウソネコカミ / m-flo / ちゃんみな / DAOKO / PassCode

BEACH STAGE

George Clinton & Parliament Funkadelic / サンダーキャット / トム・ミッシュ / ナオト・インティライミ / Nulbarich / 七尾旅人 / YOUR SONG IS GOOD

Billboard JAPAN STAGE

ジェス・グリン / マックス / コスモ・パイク / Higher Brothers / Zion.T / イ・ハイ

大阪公演

2018年8月18日(土)
大阪府 舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)

OCEAN STAGE

ベック / チャンス・ザ・ラッパー / ONE OK ROCK / MIKE SHINODA of Linkin Park / Greta Van Fleet / ラムズ / THE ORAL CIGARETTES

MOUNTAIN STAGE

Nickelback / J.バルヴィン / アレッシア・カーラ / ナオト・インティライミ / Walk The Moon / ENDRECHERI / ノックス・フォーチュン

SONIC STAGE

Paramore / セイント・ヴィンセント / Portugal. The Man / ジョルジャ・スミス / トム・ミッシュ / レックス・オレンジ・カウンティ / indigo la End / RIRI

WHITE MASSIVE

Clean Bandit / ジェス・グリン / サンボマスター / yonige / DADARAY / Xmas Eileen / PassCode

2018年8月19日(日)
大阪府 舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)

OCEAN STAGE

Noel Gallagher's High Flying Birds / マシュメロ / ショーン・メンデス / back number / Why Don't We / ルーエル / The Sherlocks

MOUNTAIN STAGE

Nine Inch Nails / Bullet for My Valentine / Mastodon / The Bloody Beetroots / Marmozets / Pale Waves / Dream Wife

SONIC STAGE

Tame Impala / Friendly Fires / The Charlatans / ケレラ / Iamddb / ビリー・アイリッシュ

WHITE MASSIVE

フライング・ロータス / Marian Hill / SPECIAL OTHERS ACOUSTIC / フレデリック / never young beach / 向井太一

SONICMANIA

2018年8月17日(金)千葉県 幕張メッセ

CRYSTAL MOUNTAIN

Nine Inch Nails / My Bloody Valentine / Cornelius / 電気グルーヴ

SONIC WAVE

マシュメロ / Clean Bandit / プチ・ビスケット / アンクル / 中田ヤスタカ

SPACE RAINBOWBrainfeeder Night In SONICMANIA

フライング・ロータス / サンダーキャット / George Clinton & Parliament Funkadelic / ドリアン・コンセプト / ロス・フロム・フレンズ / ジェイムスズー

SKY-HI(スカイハイ)
ラッパー、ソングライター、歌手など幅広く活動を行うアーティスト。2005年にAAAのメンバーとしてデビューし、同時期からSKY-HIとして都内クラブで活動をスタートさせる。さまざまなラッパーとのコラボレーション企画「FLOATIN' LAB」を2011年に始動し、翌2012年に同企画のコンピレーションアルバム「SKY-HI presents FLOATIN' LAB」を発売。2014年3月には1stアルバム「TRICKSTER」をリリースした。2016年に初のホールツアー「SKY-HI HALL TOUR 2016 ~Ms. Libertyを探せ~」を行い成功に収める。2017年1月に3rdアルバム「OLIVE」をリリースし、5月には東京・日本武道館で単独公演を開催した。10月に最新シングル「Marble」を配信限定で発表。海外7公演を含むツアー「SKY-HI Round A Ground 2017」を開催し、大成功に収めた。6月に斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)をゲストに迎えた両A面シングル「Snatchaway / Diver's High」を発表する。
女王蜂(ジョオウバチ)
2009年神戸にて活動開始。2010年「FUJI ROCK FESTIVAL '10」のROOKIE A GO-GOステージに出演し、その衝撃的なルックスとパフォーマンスでオーディエンスの注目を集めた。2011年3月に初の全国流通盤アルバム「魔女狩り」をリリース。同年9月にはアルバム「孔雀」でソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズよりメジャーデビューを果たす。収録曲「デスコ」は映画「モテキ」のメインテーマに抜擢されたほか、彼女たち自身も本人役として映画に初出演し話題を呼んだ。話題沸騰の中、2012年12月にバンドの活動休止を発表。約1年間の活動休止期間を経て、2014年2月のワンマンライブ「白熱戦」で1年ぶりに復活し、2015年1月に新ギタリスト・ひばりくんが正式加入した。同年3月にアルバム「奇麗」をリリースし、12月から2016年3月にかけて対バンライブシリーズ「蜜蜂ナイト」を開催。2016年6月にはフランス・パリにてバンド初の海外ライブを実施し、2017年4月には約2年ぶりのアルバム「Q」を発表した。2018年4月に「東京喰種:re」のエンディングテーマ「HALF」をシングルとしてリリース。現在はキャリア最大規模のワンマンツアー「女王蜂全国ツアー2018『H A L F』」を開催中。
清水直樹(シミズナオキ)
株式会社クリエイティブマンプロダクション代表取締役社長。1965年静岡生まれ。数社を経て、1990年にクリエイティブマンプロダクションの立ち上げに参加し、1997年に32歳で代表取締役に就任する。2000年に都市型ロックフェスティバル「SUMMER SONIC」を始動させ、「PUNKSPRING」「SPRINGROOVE」「LOUD PARK」「SONICMANIA」といったフェスを立ち上げた。