スフィア「10s」 PR

スフィア|4人で歩んできた10年間、そしてこれから

スフィアが5月8日に“10th Anniversary Album”として「10s」をリリースした。

約1年半の“充電期間”を経て、スフィアは今年の2月に千葉・舞浜アンフィシアターで行われたライブ「LAWSON presents Sphere 10th anniversary Live 2019"Ignition"」をもって音楽活動を再開。“点灯”の意味を持つ“Ignition”をタイトルに冠したこのライブを皮切りに、結成10周年のアニバーサリーイヤーに突入した。

アルバム「10s」には、4人がスフィアとして初めて作詞に携わったリード曲「Music Power→!!!!」やJAM Projectが参加している新曲「鋼のVictress with JAM Project」、メンバー4人それぞれにフォーカスした楽曲「CITRUS*FLAG」「My Sweet Words」「SPOTLIGHT」「パルタージュ」といったバラエティ豊かな12曲が並ぶ。音楽ナタリーでは1年半の間にますますパワーアップした4人にインタビューし、新曲に込めた思いとスフィアのこれからについて話を聞いた。

取材・文 / 須藤輝

アルバム出すって言いたい……けど言えない

──音楽ナタリーではスフィアの充電期間中に4人それぞれソロでインタビューさせてもらいました。そのときは皆さん口をそろえて「充電してる気がしない」とおっしゃっていましたね。

高垣彩陽 それは、まさにこのアルバムを作っていたからなんですよ。実質的なアルバムの話し合いは去年の2月頭から始まっていて、そこから月イチで楽曲会議もしていましたし、レコーディングはもちろん、ジャケットやミュージックビデオの撮影と水面下で動き続けていて。そのことを2月16日のイベント「チョコ祭り」(「LAWSON presents スフィア チョコ祭り2019 supported by スフィアポータルスクエア」)までずっと内緒にしていたんです。

寿美菜子 だから「言いたい……けど言えない」みたいな。

高垣 でも今は、少なくともアルバムについては何も隠す必要がないんだと思うと、すごく解放された気持ちもあります(笑)。

──「チョコ祭り」の翌日に行われた音楽活動再開ライブ(「LAWSON presents Sphere 10th anniversary Live 2019"Ignition"」)もめちゃくちゃ盛り上がりましたね(参照:スフィア結成10周年イヤー“点火”!4人のみでステージに立った音楽活動再開ライブ)。

寿 デビュー曲の「Future Stream」(2009年4月発売の1stシングル)から始まるという、自分で言うのもなんですがエモい幕開けでした。でも、あんなに緊張した「Future Stream」は初めてで。

戸松遥 うんうん。

寿 歌い出しが私からなんですけど、そこで歌詞を間違えようものなら「1年半の充電はなんだったの?」って。

豊崎愛生 「漏電してたんじゃ?」って思われちゃいそう。

寿 そうそう、プレッシャーがすごかった。だからみんなの歌声が重なって、1番サビのあたりでようやく安心できたんですよ。でもライブ中はもちろん、ライブが始まる前からずっとお客さんの歓声は聞こえていたので、「ただいまー!」というスパーク感は4人の中にきっとあったんじゃないかな。

戸松 もう、充電期間中にお客さんの士気も充電されていたような気がしたよね。みんな笑顔で「おかえり!」と言ってくれる一方で号泣してる人もいたり、そういう姿を見て私たちの士気もより上がったというか……もちろん始まる前から「今日は絶対に楽しんでもらうぞ!」という気持ちでいたんですけど、今までのライブとは全然違う、ただ「楽しい」だけではない、いろんな思いが湧き出てきましたね。

豊崎 このライブでは「お待たせ」「ただいま」といった気持ちを込めると同時に、「ここから10周年がスタートするよ」という幕開け的な意味も大事にしていて。だからセットリストは“ザ・ベスト”的なものにしつつ、“これからのスフィア”が見えるよう演出家さんと私たち4人でかなり練り上げて作ったライブだったんです。

高垣 4人だけでステージに立つというのもね。

豊崎 そう。2010年の武道館公演以降、スフィアはずっとバンドさんと一緒にライブをやらせてもらっていたんですけど、今回はデビュー当初の絵面を再現しようと。その姿を見たお客さんが懐かしい気持ちになってくれたらしてやったりだし、かつデビュー当初と比較してより成長したスフィアを、さらに言えば“未来”を感じさせるライブを密かに目指していました。

5人で言葉を紡いだスフィアのこれまでとこれから

──そのライブでアルバムリード曲の「Music Power→!!!!」を初披露されました。MCではスフィアの4人と、これまでスフィアの楽曲に携わってきたrinoさんと一緒にこの曲の歌詞を書いたとおっしゃっていましたね。

スフィア「10s」初回限定盤ジャケット

高垣 10周年を記念するアルバムを作るにあたって、まず「rinoさんと一緒に5人で曲を作りたい」と思ったんです。というのも、今までrinoさんに作詞作曲していただいた曲はどれもスフィアにとって大切な曲になっていて。

豊崎 だから「rinoさんが書いたメロディに、4人の言葉を乗せたいね」って。

高垣 それが叶って、まずrinoさんが曲と頭サビの歌詞を書いてくださったんです。そこから1番のAメロとBメロの歌詞を寿→高垣→戸松→豊崎の順に書いて、それを受けてrinoさんがサビの歌詞を書き、また2番のA、Bメロで4人がリレー形式で歌詞をつないでいく。そしてDメロはファンの皆さんに向けて1人1行ずつ言葉をつづろうと。

──歌詞のテーマは、1番がデビューから充電前までのスフィアで、2番が充電後の、つまりこれからのスフィア?

寿高垣 そう!

戸松 ちゃんと伝わってる。

豊崎 うれしみ。

──で、高垣さんがおっしゃったように作詞の第一走者が寿さん。

寿 はい。頭サビでrinoさんが「新しい幕開け(ストーリー)」と書いてくださったんですけど、やっぱり10年間の活動の中からどこを切り取ろうか悩みまして。結局、私としては「駆け抜けてきたんだ」という思いが強かったので、その気持ちをベースに3パターン書いて彩陽に渡しました。

高垣 私は優柔不断なので、そこから1つに絞れなくて。だから私もみなちゃん(寿)の3パターンをそれぞれ引き継いだ歌詞を書いて「でもこのままだと3つ分の歌詞ができちゃうから、誰か止めて」と思いつつはるちゃん(戸松)に投げたら……。

戸松 私がせき止めましたね(笑)。私は作詞をするのが初めてだったし、まず自分の伝えたい思いの多さと文字数の限界のジレンマにすごく苦しみました。1番Bメロは2行しかないから「全然足りない!」みたいな。でもいろいろ考えた結果、言葉選びの上手い下手は度外視して自分らしい言葉で書こうと。そしたら自ずと1つに絞られて、愛生ちゃんにバトンをつなぎました。

豊崎 私は「ちゃんと届けられるかな」と思っていたので、そう書きました。私たちが充電前に何を心配していたかというと、スフィアの選択を言葉にしてみんなに発信したときの捉えられ方だったんです。「活動休止」ではなく「充電」という言葉を使ったのも、これからのスフィアのことを考えたうえでゆっくり作品を作りたいという思いがあったからなんですけど、言葉のチョイス次第で伝わり方が変わってしまうじゃないですか。

高垣 「休止」って言っちゃうと、「解散か?」みたいに受け取られちゃうかもしれない。

豊崎 そう。で、曲の前半はモヤモヤしたまま終わりたいという個人的な好みもあって語尾は「~かな」と、ちょっと不安げに。この曲はミュージカルみたいな華やかさがある中で、メロディラインだけ見ると突き抜け切らないエモーショナル感がそこはかとなく漂っているんですよ。だからモヤモヤが晴れるのは後半でいいというか、2番からまたはるちゃんが勢いをつけてくれるんじゃないかなって。

4人じゃなきゃダメなんだ

──実際、2番Aメロの戸松さんの歌詞には強い意思が感じられます。

戸松 私は「4人じゃなきゃダメなんだ」という言葉をどうしても入れたくて。10年前、スフィア結成を発表したイベント(2009年2月15日に開催された「ミュージックレインgirls 春のチョコまつり」)のあとの取材で、私がドヤ顔で「ユニット組むならこの4人じゃなきゃダメだったんで」と言ったんです(笑)。

──超カッコいいじゃないですか。

戸松 それ以来スフィアの中で名言メーカーとしてネタになってるんですけど、10年経ってもその思いは変わらなかったんですよね。それをこのタイミングで伝えたいなと思ってストレートに書きました。

──そして再びバトンは豊崎さんへ。

豊崎 ここは、私の中ではマンガ「ONE PIECE」ですね。麦わらの一味って、ずっと一緒にワンピースを目指して航海を続けているんですけど、あるタイミングで一度散り散りになるんです。でも、再集結したときにはそれぞれが修行してパワーアップしていて。

寿 スフィアは「少年ジャンプ」系だからね(笑)。

豊崎 そもそも「ONE PIECE」と比べるなんておこがましいんですけど、充電中は4人がそれぞれ別の場所で、今までスフィアとして使っていた時間を自分のために使ってもいたんです。スフィアの活動をしていたからこそ見られた景色は山ほどあるんですけど、逆にスフィアをやっていたからできなかったことも当然あって。だから各々が充電期間中に見てきた景色にすごく興味があったし、その話を聞くのもすごく楽しかったんですよ。やっぱり長くスフィアとしての活動を続けていくには、個人がいろんなものを見聞きしてくるということもすごく大事なんじゃないかなと思ったんですよね。

寿 はるちゃんと愛生ちゃんの歌詞を受けて、私は「待ち合わせ」というワードが合いそうだなと。それはお客さんも含めてみんながまた集まるという意味でも。あと「sphere」という単語は「球体」や「天球」を意味するんですけど、そこに私たちは“輪っか”のイメージを重ねていて、ユニットを組んだときから「スフィアの輪を広げていきたい」と4人で話してたんです。で、rinoさんの歌詞には「幕開け」と書いて「ストーリー」と読むようなパターンがちょくちょく出てくるんですよ。だから私もそういう……。

豊崎 rinoイズムをね。

寿 そう、rinoイズムを継承して「笑顔の輪(リング)繋いで」というフレーズを「待ち合わせ」と組み合わせました。

高垣 みなちゃんが書いてくれた「待ち合わせ」の場って、1つはライブでもあると思ったんです。スフィアのライブって、お客さんと共鳴して、みんなで一緒に作り上げている感覚がものすごく強いんですね。お客さんの熱量が私たちに伝わって、それに私たちも応えることでお互いに高め合っていくというか、エネルギーのキャッチボールみたいなことが行われていて。

戸松 この間のライブもそうだったよね。

高垣 そうそう。だから、これからもそういうライブをお客さんと一緒に作っていきたいという願いを込めて「君となら 響き合える」という歌詞を書きました。と同時に、愛生ちゃんが1番Bメロで書いてくれた「届けられるかな」を回収するというか、再始動する私たちの気持ちとして「きっと 大丈夫だよね」と。