アニメ「つうかあ」とリンクするスフィアの“以心伝心”感
──では、ニューシングルについて聞かせてください。表題曲の「Heart to Heart」もカップリングの「Endless Anniversary」も、スフィアからファンに対するお手紙みたいな曲になっていると感じたのですが。
寿 「Heart to Heart」はアニメ「つうかあ」という作品があったからこそできあがった曲で、個人的には「Endless Anniversary」のほうがより“お手紙感”が強い印象ですね。「Heart to Heart」の歌詞には「つうかあ」じゃなければ出てこなかったであろうワードも多くあるので。もちろんどちらの曲にもスフィアからのメッセージは込められているんですが、「Heart to Heart」では作詞のこだま(さおり)さんが私たちの選択に対して「いいね!」って言ってくれているようにも感じます。
高垣 「つうかあ」という作品は2人1チームで競うサイドカーレースに青春を捧げる女の子たちの物語なんですけど、そのレースに勝つには2人の心を1つにしなきゃいけなくて。
──高垣さんと戸松さんは、声優として作品に出演なさってもいますね。
高垣 はい。こだまさんから「Heart to Heart」という曲名は“以心伝心”をイメージしてつけたとお聞きして、ぴったりだなと思いました。それと同時にその以心伝心感って、私たちがスフィアとして過ごしてきた年月にも通ずるものがあって。例えば「次の約束まで…」や「この今日は間違いじゃない 未来で証明しよう」という歌詞は作品とリンクしつつ、今みなちゃん(寿)が言ったみたいに、スフィアに代わってこだまさんが未来に向けて宣言してくださってるようでもあるんですよね。
戸松 「つうかあ」の世界観を踏まえて歌詞を見ると、やっぱり一緒にレースを走るパートナーとの絆がまず思い浮かぶし、作品から切り離しても、自分にとって大切な誰かとの心のつながりを感じさせてくれるんですよね。それはスフィアの間柄にしてもそうだし、皆さんにも親友だったり仲間だったり、大切な人を思い浮かべながら聴いていただきたいですね。
豊崎 「Heart to Heart」はサウンド的にも、最初にデモを聴いたときから「ああ、スフィアらしいな」って感じたんです。今の心境のまま何かを纏うことなく歌うことで、「つうかあ」というアニメにもリーチできると言うか。自然体で声を出すとそれが正解になる、そういう素敵な曲をいただきました。
──曲調としては「Non stop road」(2012年4月発売)や「Sticking Places」(2013年11月発売)のような、目線を上向かせるようなキラキラしたアップテンポな曲ですね。おっしゃる通り、多くの人が共有しているであろう“スフィアらしさ”があふれています。
豊崎 未来へ向かってみんなを引っ張っていけるような明るい曲です。で、カップリングの「Endless Anniversary」は引っ張っていくと言うよりは、みんなに寄り添うような優しい曲。この“明るさ”と“優しさ”っていうのは私の中でスフィアの2本柱になっていて、それをうまいことこのシングル1枚で表わせたんじゃないかなって思っています。
「We are always ONE」
──ファンの立場で「Heart to Heart」を聴いたとき、曲が始まってからの第一声が「終わらない」って、ものすごくホッとするんじゃないかなと。
全員 あはは(笑)。
──「終わらない」し、「続いていく」し、「約束」しますって。それが手紙っぽいとも思ったんですよね。
高垣 まあ充電期間に入るといっても、わりとあっという間だとは思うんですけど(笑)。
──ははは(笑)。
高垣 ただ、寂しさは絶対にあると思うんです。そこで決してネガティブにならずに「また会おうね」って、再会を楽しみにしてもらえる期間であってほしいという気持ちがあって。それをこだまさんが汲み取って、「We are SPHERE!!!!」というツアータイトルに呼応するかのように「We are always ONE」というフレーズを入れてくださったり、「どこにいたって ココロはつながってるよ」みたいなメッセージを散りばめてくださったんじゃないかと思います。
──そこはこだまさんの粋な計らい。
高垣 粋です。
戸松 粋だよね。
寿 こだまさんはたまたま福岡公演を観にいらして、その直後にこのシングルのオファーを受けられたとおっしゃっていたんです。なので「もしかしたらツアータイトルに引っかけてくださったのかな」とか、想像してました。
豊崎 私たちの1stシングルは「Future Stream」(2009年4月発売)という曲だったんですけど、「Heart to Heart」にも「Future」というワードが散りばめられていて。サビにしても「Future Stream」では「遠くの空に流れる夢の風」と歌っていたのを、「Heart to Heart」では「いつか描いた憧れはもう 次の夢を 見つめているよ」と。アンサーソングとまではいかないんですけど、デビュー曲のことを彷彿させる出来事がこの「Heart to Heart」に関わる過程にもあり。
寿 ミュージックビデオとか?
豊崎 うん。この曲のMVで、私たちは黒をバックに白い衣装でダンスをしているんですけど、それって「Future Stream」のMVと同じシチュエーションなんです。しかも、監督さんをはじめスタッフさんたちも当時と同じで。そのとき、スフィアというのはいろんな人たちの思いが集まった、大事な居場所みたいなものなんだと改めて実感したんですよね。なので聴いてくださる皆さんも、そういうふうに思いを重ねてもらえたらなって。
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レコーディングはあくまでも「いつものスフィア」で
- スフィア「Heart to Heart」
- 2017年11月8日発売 / Lantis
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初回限定盤 [CD+DVD]
1944円 / LASM-34183 -
通常盤 [CD]
1296円 / LASM-4183 -
期間限定生産盤 [CD]
1296円 / LASM-34185
- CD収録曲
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- Heart to Heart
- Endless Anniversary
- Heart to Heart(off vocal)
- Endless Anniversary(off vocal)
- 初回限定盤DVD収録内容
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- 「Heart to Heart」Music Video
ライブ情報
- 2017年11月11日(土)千葉県 幕張イベントホール
- 2017年11月12日(日)千葉県 幕張イベントホール
- スフィア
- ミュージックレインに所属する声優の寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生からなる4人組ユニットとして、2009年4月にシングル「Future Stream」でメジャーデビュー。メンバーそれぞれ声優やソロアーティストとして精力的に活動しながら、コンスタントにCDリリースやライブ活動を行っており、2010年11月には東京・日本武道館での単独ライブを成功に収めた。2015年2月にはデビュー5周年を記念したファンセレクトのベストアルバム「sphere」をリリース。また同年に「情熱CONTINUE」「vivid brilliant door!」「DREAMS, Count down!」と3枚のシングルを発表した。2016年4月にはHoneyWorksとのコラボレーションによる「HoneyWorks meets スフィア」名義で、HoneyWorks原作の劇場版アニメーション「ずっと前から好きでした。~告白実行委員会~」のエンディングテーマとなるシングル「一分一秒君と僕の」をリリースした。2017年5月に5枚目のアルバム「ISM」、同年11月にアニメ「つうかあ」のオープニングテーマを収録したニューシングル「Heart to Heart」を発表。同11月に千葉・幕張イベントホールで開催される全国ツアーの追加公演「LAWSON presents Sphere live tour 2017 "We are SPHERE!!!!!"」をもって、約1年半の充電期間に入る。