中国版「PRODUCE 101」として人気のアイドルオーディション番組「創造営2021」が2月17日よりWeTVで配信されている。この記事では日本人練習生の活躍を中心に、第1回順位発表を終えたエピソード5話までのハイライトを振り返ってみたい。
文・構成 / 中川麻梨花
映像プラットフォーム・WeTVが制作・配信を手がけるアイドルオーディション番組「創造営」の第4弾で、全10回配信予定。90名のアイドル練習生がさまざまな課題に挑み、視聴者投票で生き残った11人のみがグループとしてデビューできる。今年は“国際化”をテーマとしており、中国のみならず日本、ロシア、タイなど多数の外国人練習生が参加。日本からは17名が参加している。
番組のメンター(先生役)は中国の人気俳優の鄭超(ダン・チャオ)、女優の寧静(ニン・チン)、韓国のアイドルグループ・f(x)出身のAmber、歌手の周深(ジョウ・シェン)、「創造営2019」で1位に輝き、ボーイズクループR1SEのメンバーとして活躍する周震南(ジョウ・ジェンナン)、「創造営2020」で5位となり、ガールズグループ硬糖少女303に所属しているタイ出身の鄭乃馨(ネネ)の6名が務めている。
- 視聴方法
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WeTVの公式サイトまたは公式アプリから無料で視聴可能。日本語字幕付き。
公式サイトの場合はトップ画面の右上の球体マークにカーソルを合わせると言語を選択できる。
アプリの場合はインストールした時点で日本語表示が設定されている。字幕の設定を変えたい場合は、動画の右上の「ZH-CN/JA」ボタンをクリック。 - 投票方法
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WeTV公式サイトまたはアプリから投票サイトにアクセス。
- 投票ルール
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- 誰でも無料で、毎日最大11名の練習生に投票可能。
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1名の練習生につき、投票できるのは1日1票まで。VIPユーザーに登録すると、練習生1名につき、1日2票まで投票できるようになる。
無料会員:1名の練習生につき最大1票、合計11票、11名に投票可能。
VIP会員:1名の練習生につき最大2票、合計22票、11名に投票可能。 - VIPユーザーは練習生応援キャンペーンに参加することができ、投票権などの練習生応援アイテムを獲得できる。
- 未使用の投票権は当日の24:00にリセットされ、翌日への持越しはできない。
01ランク分けチームパフォーマンス
まずは90人の練習生がグループに分かれて、自由曲でパフォーマンスを披露。メンターの判断によって、練習生によっては追試と呼ばれる個人パフォーマンスの機会も与えられる。この課題では1人ひとりのパフォーマンスに対して、メンターと練習生が手元のボタンで評価を下す。全員がボタンを押せば、94点満点。点数に応じて練習生が上からA、B、C、Fのランクに分けられる。また練習生の希望やメンターの呼びかけによって、練習生たちによるパフォーマンスバトルが行われるのもこの課題の見どころだ。
この課題でもっとも注目を浴びたのは、エイベックスに所属する日中混合ボーイズグループ・WARPs UPのメンバーでもあるサンタとリキマルのコンビ。世界の著名なダンスバトル大会で優勝し、世界チャンピオンのタイトルを持つサンタと、コレオグラファーとしてSHINeeやNCTなどトップアーティストの振り付けも担ってきたリキマルは、ワールドクラスの圧巻のダンスパフォーマンスでメンターと練習生を圧倒。サンタは番組史上初の満点(94点)、リキマルも93点という高得点をそれぞれ叩き出した。
ボーイズグループ・INTERSECTIONで活動するケーレン、ミカ、和馬は、One Directionを彷彿とさせるさわやかな佇まいでステージに登場。追試ではそれぞれ高い歌唱力やラップスキルを披露してインパクトを残す。ミカが歌唱バトルに参加した際には、中国語の楽曲にも関わらず完璧に歌いこなすミカの姿に思いが募ったのか、ケーレンが涙を流す場面もあり、家族のような固い絆を感じさせた。
アイドルとしての活動経験のある羽生田挙武は、中国でも有名な吉川晃司の「モニカ」を日本語で歌唱。ショーのような華やかなステージングに、ほかの練習生も思わず席から立ち上がって踊り、大きな歓声を上げる。デビューを賭けて争うオーディション番組でありながら、にぎやかでどこかアットホームな空気感が漂うのは「創造営」の特徴の1つだ。
02宿舎の部屋割り決め
クラス分けを経て、いよいよ練習生は宿舎に入居。宿舎にはバス・トイレ別の2人部屋から2段ベッドが多く並ぶ12人部屋までさまざまな部屋が用意されており、どの部屋に入るかは早いもの勝ち。ベッド争奪戦の鍵となるのは、宿舎の入口で練習生に配られた“創造営豆”という豆だ。Aクラスの練習生は4粒、Bクラスの練習生は3粒、Cクラスの練習生は2粒、Fクラスの練習生は1粒の創造営豆をそれぞれ入手。合計が22個になるように宿舎の入口でグループを作り、早く組んだグループから順に宿舎に入れるというルールだ。
03第1回公演
部屋決めを終え、次なるパフォーマンス評価がスタート。この評価では90人の練習生が14組のチームに分かれて競い合う。バトルは有観客で行われ、勝敗はオーディエンスの投票によって決定。1位に選ばれたチームのメンバーは、全員Aクラスとなる。課題曲はジャスティン・ビーバーの「Yummy」からLAY(EXO)の「蓮(Lit)」、ジャッキー・チェンの「酔拳」、テレビアニメ「デジモンアドベンチャー」のオープニングテーマ「Butter-Fly」までさまざま。各曲には6、7名の定員が設けられており、定員が埋まり次第、チームメンバーが確定する。練習生たちはAクラス、Bクラス、Cクラス、Fクラスの順番に1人ひとり希望曲を選択していく。定員があふれてしまった場合は、バスケットボールのフリースローでその枠を争った。
公演当日はメンターに加え、中国でも知名度の高いモデルのKōkiが特別応援ゲストとしてリモート中継で参加。練習生たちを温かい目で見守り、英語や日本語でパフォーマンスの感想を語った。1組目として登場したのは“美しすぎるタピオカ屋店員”としてSNSで有名になった胡烨韬をセンターに擁する「モンスターとして」チーム。初回評価で注目を浴びた胡烨韬や刘彰のほか、元ダンス教師の曹左(ツァオ・ツオ)、井汲と同じく「PRODUCE 101 JAPAN」出演経験のある田口馨也らが集まる実力派のグループだ。番組では各グループのパフォーマンス前に、それぞれのグループの練習の様子が挟まれた。「モンスターとして」の練習中には、体調を崩してしまいベッドに横たわる田口のそばで、ダンスレッスンのときは厳しい曹左が兄のように優しく付き添う場面も。曹左は音声翻訳機能を通して田口に「私たちはヒーローが戻ってくるのを待っています」と温かな言葉を送った。田口もすっかり回復し、本番では7人が息の合ったパフォーマンスを披露。流麗なダンスで観客とメンターを釘付けにして高評価を得た。
14組の中で特に注目を浴びたのは、リキマル率いる「蓮(Lit)」チーム。経験の浅い練習生もいる中、一流のダンス講師としてNI-KI(ENHYPEN)らを育ててきた経験もあるリキマルは、メンバーに的確にダンスをレクチャーする。その教えっぷりは、メンバーも「6万円の価値があるレッスンを僕たちは無料で受けている」と喜ぶほど。Aクラスの注目の練習生・刘宇も兄のようにメンバーをサポートし、2人でチームを引き上げていく。チームの雰囲気も明るく、7人は結束を深め、本番では鬼気迫るパフォーマンスでほかのグループを圧倒した。
「Butter-Fly」チームはペンライトを使った“ヲタ芸”を披露して会場を沸かせる。「女の子」チームのパフォーマンスでは、練習でうまくいかずに涙していた原部凌がチームメイトに支えられて本番で元気いっぱいのダンスを見せ、メンターから「ダンスが上手」「大好き」と好評価を受ける。「Yummy」チームの練習では、センターのサンタがストイックであるがゆえにチームのメンバーと練習方針でぶつかってしまう場面も。「Yummy」チームは本番でセクシーなダンスを披露するも、メンターから「1人ひとり才能があってカッコいいけれど、チームワークがまだ足りない」という指摘を受け、悔しい結果となった。
ミカをセンターに据えた「酔拳」チームは、力強い眼差しで迫力のあるダンスを展開した。「Lover Boy 88」では井汲が中国語でラップを披露し、観客からの人気投票でグループ内最多得票を獲得。「ネオンハニー」では上原一翔、羽生田挙武、佐藤永翔、隅田隼平らが鮮やかなパフォーマンスで観客を魅了した。
全グループの中で1位に輝いたのは、抜群のチームワークとダンススキルで会場を沸かせたリキマル率いる「蓮(Lit)」チーム。7人全員でAクラスに昇格し、メンバーは円になって肩を組み喜び合った。
04「創造営2021」テーマ曲披露
次に練習生たちが挑んだのは、「創造営」の大きな見どころでもある、90人全員でのテーマ曲のパフォーマンス。中国語バージョンと英語バージョンの2種類が用意されたテーマ曲「Chuang To-Gather, Go!」を、練習生たちは両方習得しなければならない。練習生たちは第1回公演の評価にもとづいてA、B、C、Fとそれぞれのクラスに分かれて特訓。その後、練習の成果をメンターたちが評価して再度クラス分けし、そのクラスによって「Chuang To-Gather, Go!」のパフォーマンス収録の各練習生の立ち位置が決まる。仲間と一緒に夢に向かって突き進んでいく「創造営2021」の参加者たちの心情が描かれた明るくさわやかな楽曲だが、激しいダンス、キーの高いメロディ、2言語での歌唱につまずく練習生が続出。そんな中、彼らは同じオーディションに参加するライバル同士でありながら、大切なチームメイトとしてお互いにダンスや言語を教え合った。
また春節には少し肩の力を抜いて、ひさしぶりに手にした携帯電話で家族と連絡を取り合う。テレビ電話を通して「創造営2021」で出会った友人を1人ひとり家族に紹介する練習生もいれば、家族の温かい声を聞いて涙を流す練習生も多くおり、各々思いを噛み締めながら貴重な時間を過ごした。
練習生たちは寝る間も惜しんでレッスンし、審査に挑む。全員のパフォーマンスを経て、彼らは新たにAクラス11人、Bクラス22人、Cクラス22人、Fクラス35人に振り分けられた。中でも会場を沸かせたのは、Fクラスだった赖耀翔(ライ・ヤオシャン)のAクラスへの飛び級昇格。オーディションのために台湾から家族と離れて1人で中国にやってきた彼は、強い信念を胸に、休む間もなくずっと努力し続けてきたのであった。
クラス分けが終わったところで、次はテーマ曲のセンターを決めることに。センターはAクラスの伯远、胡烨韬、林墨、リキマル、刘宇、赖耀翔、ミカ、吴宇恒(ウー・ユウハン)、俞更寅(ユウ・ガンイン)、パトリック、サンタの11名の中から練習生たちの投票によって選ばれる。テーマ曲のセンターは「創造営2021」の顔を担うゆえに練習生たちも真剣に投票。その結果、華があってダンスも歌も総合的にスキルが高い刘宇がセンターを務めることとなった。テーマ曲の収録本番、練習生たちは磨き上げたパフォーマンスを披露。1人ひとりカメラに抜かれていくその表情はどの練習生も輝きに満ちあふれていた。
05第1回順位発表
にぎやかな雰囲気で番組は進んできたが、第1回順位発表の日、練習生の間にはこれまでにないほどの緊張感が漂っていた。第1回順位発表では視聴者投票にもとづいて1~11位がAクラス、12~33位がBクラス、34~55位がCクラスとなり、Fクラスは廃止。55位以降の練習生は脱落し、宿舎から去らなければならない。まずはCクラスに入るメンバーから発表され、名前が呼ばれるたびに練習生たちから祝福の声と拍手が上がった。37位にランクインした曾涵江(ゼン・ハンジャン)は喜びのあまり咆哮し、親友のミカと固く抱き合う。41位となった于洋は「『創造営2021』で思ってもみないほど友達がたくさんできました」と述べ、「405号室のルームメイトありがとう」と同じ部屋で絆を深めてきたサンタ、リキマル、刘彰に言葉を贈った。「脱落しちゃう可能性が高いと思うけど、帰りたくない」と語っていた上原一翔は44位となり、「みんなに希望をあげたいです。『一翔ができるなら僕もできる』ということをみんなに思ってほしいです」と明るい表情を見せる。中国語が堪能な佐藤永翔は49位にランクインして安堵の表情を浮かべるも、家族思いな彼は「この番組に参加して以来ずっと『弟が自慢できる兄になりたい』と言ってきました。しかし今のままでは自慢できる兄とは言えません」と愛する弟を思い、より高い順位を見据えて背筋を伸ばした。
続いてBクラスのメンバー発表へ。32位にランクインしたLailaiこと一ノ瀬飛鳥は「こんなに大きな翼をくれてありがとうございます。もう前のLailaiではありません。僕は今勇敢なLailaiです。今にも大空に羽ばたこうとしているLailaiです」と堂々とコメント。27位で呼ばれた羽生田挙武は「みんな優しくて、日本から来た私たちはみんなに尊重されています。自信がつきました。ここが好きです。ありがとうございます」と朗らかに語った。ずっとAクラスの座を守ってきた胡烨韬の名前が25位で呼ばれると、意外な結果に練習生たちは戸惑いを隠せない。胡烨韬自身もまさかの順位に悔しさをにじませるも、「胡烨韬という名前をデビュー席に刻み込んでみせます」と闘志を燃やした。井汲大翔は17位にランクイン。懸命に中国語を使いながら自身を支えてくれた仲間に感謝の思いを述べ、「僕の目標はデビューです」と1位の席を指差した。日本語を話せて、練習生の間で通訳の役割も担ってきた刘彰は13位に。警戒心が強く、これまで自分の周りに厚くて硬い殻があって他人になかなか心を開くことができなかったという刘彰は、「創造営2021」に来てから練習生たちとの生活を通して「その殻にひびが入っていっている気がします」と自身の変化を明かし、「この春に僕はやりたいことがあります。皆さんのサポートがなければ絶対にできません。僕がデビューできるよう、応援よろしくお願いします」と自分の意思を明確に示した。
いよいよここからはデビュー圏内のAクラスのメンバーが発表されていく。8位となったケーレンは、「僕はもう6年前にINTERSECTIONに入った子供ではない。僕の友達、家族、ファン、ここにいるチームメイトたち、INTERSECTIONのメンバーが、僕が成長してきた糧です。今は彼らに僕の努力してきた結果を見せるタイミングだと思ってます」と力強く述べた。聴き心地のいい柔らかな歌声で視聴者を魅了してきたミカは、4位にランクイン。彼は「創造営2021」でトップクラスの実力を持っており、注目を浴びているが、実は昨年音楽の道をあきらめようとしていたという。そんなときに番組出演の機会があり、見事にこうして結果を出したミカは「トップに立てるまでがんばっていきます。ありがとうございます」と希望を胸に語った。
3位となったリキマルは、これまで圧倒的なパフォーマンスでほかの練習生のお手本になってきたが、本当はいつも自信をなくしてしまいがちだったと明かす。中国に渡る前に「Aクラスに行けないよ」と人から言われたこともあったというが、彼は3位という結果を受けて「とてもうれしいです。応援してくださる方々にこの幸せとパワーを届けたいと思ってます」とチャーミングな笑顔を見せた。順位発表の前日に「僕たちは中国にファンがいない」と不安を口にしていたサンタは、卓越したダンススキルとカリスマ性で視聴者の心をつかみ、見事に2位にランクイン。サンタは「ここ数年間はよく言われました。『あなたはストリートダンサーであって、アイドルになるのは無理だ』って。『違う』って言い返しました。でも、僕の声には自信がなかった。だから『創造営2021』は自分にとって、もっとも貴重な機会です」と述べ、「今、本当にデビューしたいです。皆さんに本当のサンタのことを知ってもらいたいです。本当のサンタはサンタクロースのように皆さんにサプライズを届けます」とまっすぐに語った。
第1回順位発表で1位の座に輝いたのは刘宇。テーマ曲のセンターを務め、練習生たちを代表する存在となっている彼は「90名の練習生の方々にも感謝したいです。皆さんが情熱的で有意義な競争環境を作ってくれました。優秀な方々ばかりです」とすべての参加者に言葉を贈る。そして「多くの人が私を超えてここに立って、チームの力を最大限発揮できるようにがんばってください」と練習生たちを激励するも、「私がここに立っている限り、次の瞬間の刘宇は、必ずさっきの刘宇を超えていきます。刘宇を超えられる人は刘宇しかいない」とストイックに努力し続ける彼ならではの言葉を口にした。
順位の発表が終わり、脱落者が決まると、練習生たちは互いに歩み寄り、抱き合って言葉を交わした。「創造営2021」にはさまざまな国籍の練習生が参加しているため、すぐに再会することは叶わないかもしれない。ここで残念ながら脱落してしまった門脇慎剛、喜内優心、隅田隼平、田口馨也、都築雄哉、原部凌、林豆の7名の日本人練習生も別れを惜しまれ、それぞれの表情、流れる涙は国境を超えて芽生えた絆と、異国の地での彼らの絶え間ない努力を物語っていた。
「創造営」第5話までの累計再生回数は全世界で10億回を突破(3月8日時点)。中国外からの投票は前回と比べて70%以上も増えている。WeTVでは本編のほか、宿舎での生活日記、練習室の様子、各練習生のVLOG、各話1時間越えの人狼ゲームといった豊富なコンテンツが配信されており、さまざまな角度から練習生の魅力を知ることができる。彼らの物語はまだまだ中盤。これからますます白熱していく練習生たちのバトルをWeTVで目撃しよう。