



楽曲のよさが“普通”に伝わってくるので
この3曲を聴いてほしい
──現在、リスナーの視聴環境は多岐にわたりますよね。ハイエンドなオーディオで聴いている人もいれば、スマホのスピーカーで聴く人もいる。各種サブスクによっても微妙に音質が違いますし、何を基準にミックスするのか、エンジニアの方々は難しいのではと思うんです。
こればっかりはもう想定しきれないですね。例えば、映画の主題歌の劇場用ミックスであれば、映画館で再生されることを想定してミックスできますけど、普通にリリースされる作品に関してはどういう環境で聴かれるのかまったくわからないので。なので、特定の環境に最適化するようなことは特にしてないですね。僕らが携わっている録音作品は、この先もずっと残っていくものなので、30年後とか50年後にどうやって聴かれているのかもわからないですし。信頼しているスタジオのちゃんとしたオーディオ環境でいい感じに聞こえるように作るしかない、というのが個人的な考えです。そうすれば長く聴ける音になるんじゃないかなと。歴史的な名作と言われているものも、やっぱりそういう音をしていることが多いと思います。「スマホでは地味に聞こえる」と言われても、それはスマホのスピーカーの能力の問題なので。
──時代にアジャストしすぎるのもよくないというか。
もちろんリリースした瞬間のインパクトも大事なんですけど、録音作品の魅力はやっぱり残っていくことでもあるので。自分としても、子供の頃からそういう作品が好きで、今もこの仕事をしてますから。ちゃんとした環境で聴いていい曲なら、何で聴いても大丈夫だと思っています。
──ちなみに「Soundcore Liberty 5」ではどんな楽曲をお聴きになりましたか?
最近自分が担当した藤井風さんの「真っ白」、米津玄師さんの「BOW AND ARROW」、Creepy Nutsさんの「doppelgänger」です。楽曲のよさが“普通”に伝わってくるので、皆さんにもぜひ聴いていただきたいですね。
ノイズキャンセリングの性能が高くてびっくり
──ノイズキャンセリング機能についてはいかがでしたか?
すごく性能が高くてびっくりしました。こんなにしっかりノイズキャンセリングされるのかと。飛行機や新幹線で長距離移動するときは、何も聴かずにイヤホンを耳栓代わりにもすることもあるんですけど、「Soundcore Liberty 5」はまったく問題なくそういう使い方ができそうですね。上の価格帯のイヤホンと比べても遜色ないと思います。しかも、IP55の防塵・防水規格なんですよね。濡れた手で触ったり、雨の中で使っても大丈夫ってことですか?
(アンカースタッフ) イヤホン本体なら大丈夫です。ケースは防水仕様ではないので、ご注意ください。
──ジョギングやジムなど汗をかくような場面でも心置きなく使えますね。
確かに。運動との相性はよさそうですね。
──Dolby Audioも搭載されていますが、いかがでしたか?
Dolby Audioは擬似的な立体感を作り出す技術なんですが、楽曲によっては逆に音響が狭まってしまったりするんです。これは「Soundcore Liberty 5」がどうこうというよりは、Dolby Audioのアルゴリズムの問題なんですが。すべての音楽がバッチリ立体的に聞こえるようになるわけではないですが、いろいろな曲を試してみるのは楽しいかもしれません。
──小森さんが録音とミックスを担当された宇多田ヒカルさんのライブ映像作品「Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」をDolby Audioで試してみたら、観客席にたくさんのマイクを仕込んで歓声を収録したこともあいまって、臨場感が増して聞こえました。
ライブ音源との親和性は高いかもしれないですね。映像と一緒なら没入感もさらに増すでしょうし。
──カラーバリエーションも5種と多めですが、小森さんのお気に入りは?
僕はやっぱり黒ですかね。でもブルーもいいな。これくらい種類があれば、どんな好みにも応えられますよね。
──個人的にはこのちょっと大きめのケースもいいなと思ったんです。これくらい存在感があるほうがなくしづらいんじゃないかなと。
僕も知り合いのミュージシャンが「イヤホンなくしてショック……」みたいなことをSNSに書いてるのをよく見かけます(笑)。けっこうな値段がするものだし、次のイヤホンを買うまでも不便ですから。イヤーチップも合計6サイズ入っているんですよね。僕はデフォルトのものがすごくしっくりきたのでほかのは試してないんですけど、これだけ入ってればどれかはピッタリくるものがあると思います。
かなりコスパは高い
──音質以外にもかゆいところに手が届くような機能もそろっていますし、コストパフォーマンス的にもなかなか優れているんじゃないでしょうか。
トータルで考えると、かなりコスパは高いと思います。どういうイヤホンを買うべきか迷ってる人に向けた入門機としても重宝するでしょうね。
──中高生の親戚に買ってあげるのに最適なんじゃないかと。
ああ、それはすごくいいですね。普通に聞こえるという意味でもいいし、ただの入門機じゃなくて、ちゃんと長く使えるのもいいと思います。
ベストセラー(※1)となった「Soundcore Liberty 4」の次世代モデル。音質の向上はもちろん、ノイズキャンセリング性能や外音取り込み機能のグレードアップ、最大48時間という長時間再生(※2)の実現など、すべての機能が進化。カラーは「ミッドナイトブラック」「パールホワイト」「ディープブルー」「アプリコットピンク」「シャンパンゴールド」の5色展開で、税込1万4990円というコストパフォーマンスの高い製品となっている。
※1. Soundcoreの完全ワイヤレスイヤホン内における単体製品での販売金額として過去最多(2025年4月時点でのアンカー・ジャパン調べ)。
※2. ノイズキャンセリングOFFの場合。再生時間は音量や使用環境によって異なります。

プロフィール
小森雅仁(コモリマサヒト)
1985年2月生まれ。バーディハウスを経てフリーランスのエンジニアに。米津玄師、Official髭男dism、藤井風、Yaffle、cero、TOMOO、浦上想起といったアーティストのレコーディングやミックスを手がけるほか、宇多田ヒカルの作品のボーカルレコーディングも担当している。