音楽ナタリー Power Push - Slow LIVE'16 in 池上本門寺

トータス松本 × 田島貴男

同い年だから語れる2人のソウル

9月2~4日の3日間、東京・池上本門寺 野外特設ステージにて音楽イベント「Slow LIVE'16 in 池上本門寺」が開催される。「大人のミニフェス」をコンセプトに2004年にスタートした「Slow LIVE」は、都心で実施されるイベントながら自然に囲まれたロケーションで音楽をゆっくり楽しむことのできる野外フェスティバルだ。

今回音楽ナタリーではイベントを盛り上げるべく、「Slow LIVE」の一環として9月2日に行われるライブ「THE SOUL NIGHT」に出演する田島貴男とトータス松本の対談を実施。2人は共に第一線を駆け抜けてきた日本を代表するシンガーであり、実は1966年生まれの同級生でもある。ディープなソウルとR&Bを音楽的ルーツに持つ2人の“夢の共演”を前に、音楽、人生、そして仲間について語ってもらった。

取材・文 / 平山雄一 撮影 / 上山陽介

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「渋谷系」って呼ばれたかった

──お二人の出会いは?

トータス松本 デビューしたレコード会社は2組とも東芝EMIやったのに、当時はしゃべったことなかったからね。

田島貴男 そう、実はレーベルメイトだった。

トータス ウルフルズがデビューしたての頃、レコード会社に行ったらロビーにORIGINAL LOVEのポスターがバーッと貼ってあって。「うわあ、これがORIGINAL LOVEかあー!」って思ったのは覚えてる。

田島 でも、ついに移籍するまで会わなかったねえ。

──僕はそれぞれのデビュー当時からお二人に取材していたので、お話を聞けば聞くほど音楽的に合うはずだと思っていたんですが。当時の2組は“ジャンルが違う”という感じでしたね。

トータス そう、ルーツ的には近いはずなんやけどね。勝手に周りが棲み分けさせてた部分もありますよ。

──ORIGINAL LOVEは「渋谷系」で、ウルフルズは「なにわ系」(笑)。

トータス松本

トータス 俺は「渋谷系」って呼ばれたかったけどね(笑)。

田島 ほんとに?(笑)。

──では、実際に初めて会ったのは?

トータス 10年前、40歳のときかな。

田島 そうだね。「僕らの音楽」っていう音楽番組にスガ(シカオ)くん、斉藤(和義)くん、トータスと俺の4人で出演して。

──濃い4人ですね(笑)。

トータス 濃いよー! しかもあの番組は、わりと向かい合わせにさせたがるよね。お互いの距離がめっちゃ近いんですよ。

田島 そうそう! あれ、照れるよね。みんな微妙に目線を外しながら歌ってた (笑)。

トータス 俺の正面が田島くんで。4人で「バンザイ~好きでよかった~」を歌ったんです。

田島 そのときに、トータスって見た目のイメージといろいろ違うところがあるなって思った。「不器用で情熱的」みたいな感じだけど、実は手先がめちゃくちゃ器用でいろいろと芸が細かい(笑)。例えばカレーを作るのがめっちゃ上手だったり、彼が描く絵も面白いんですよ。

トータス それは田島くんもそう。やっぱり話してみるとイメージと違う部分っていっぱいあるよ。

同い年だけが持っている共通項

田島  「僕らの音楽」のあと、「ROOTS66」(2006年に大阪・大阪城で開催された、「1966年生まれ」のアーティストが集結したライブイベント)の打ち上げで一緒に飲んだじゃない。あれで一気に仲良くなったよね。

トータス あっという間に打ち解けて。「同い年というのはこんな気楽で話しやすいのか!」と。

──やっぱり音楽の話で盛り上がったんですか? 

トータス いや、もっとどうでもいい話。アニメの話とか。

田島 くだらない話をしてたよね。生きてる時代が同じなので。

トータス 俺らは66年生まれで、65年生まれの(奥田)民生くんのバックボーンとは微妙に違うんですよ。1年下のYO-KINGともまたちょっと違う。同い年だけが共通して持ってる何かがあるんですよ、不思議と。

田島 ほんとにもう、ただの同級生。音楽性とかどうでもいいんですよ。

──いやいや、ここでは音楽の話もしてもらわないと(笑)。

トータス グループのLINEでもいろんな話をしてるけど、音楽の話ってほとんど出なくて。観てきた映画とか読んだ本とか、メシの話とかばっかり。で、やっぱり似たようなもん見てるんよね、「宝島」とかの世代だから。

田島 そうそう! 幼少期に同じような体験をしてるからか、グッと来るポイントというか、琴線がかなり似てる。

トータス ヒーローものってたいてい2クールで回っていくでしょ? だからその半年の差がでかいんですよ。僕ら65年組が見てた半年と、65年、67年が見てた半年は違ったりして。それが面白いよね。

──「ROOTS66」は今年3月にも開催されました。そこで田島さんとトータスさんは、怒髪天の増子直純さんと3人でツイストの「銃爪」を歌われて。歌い出し「あいそづかしの」の「アーッ」の部分に命を賭けているようなパフォーマンスが印象的でした。

トータス ははは!(笑)「銃爪」はまいったわ、ほんと。

田島 もともとトータスと増子くんが2人でやる予定だったところに、「俺にもやらせて」って言って混ぜてもらったんです。

トータス 田島くんは最初、ギターで参加するっていうことになって。「ん? ギターかよ?」と思ってたら案の定「歌わせて」って。内心「よしよしよし!」って思いましたよ(笑)。

50歳の今が絶頂期

トータス 去年はORIGINAL LOVEの弾き語りライブを観に行ったりもしたね。俺もソロで弾き語りをやったりしてるけど、あれはすごかった。で、田島くんのお客さんってきれいな女の人が多いのよ。

──なんですか、それ(笑)。

田島 そういうとこを見てるから、トータスは。

トータス やっぱり歌詞の世界が反映されてるのよ。ちょっとエロくて……何か隠し事がありそうな。

田島 ははは!(笑) なんだそれ!

トータス いやいや、ホンマに。なんかそういうお客さんが多いんよね。

田島 やらしいなあ、トータスは。

トータス でも田島くんは、そういうのも関係なくうわあーって歌っていて。それがすごくよかった。声もよく出てるし、もう圧倒的で。

田島貴男

田島 「ひとりソウルショウ」をやり始めてから、前よりもっと声が出るようになりましたね。

トータス マジで!? すごいなあー。

田島 弾き語りをやって声の出し方がわかったところがあって。「がんばろう」と思って力むことで、逆に声を押し殺してしまうことがあるじゃない。

トータス ああ。

田島 バンドでやってるときは音が大きいから気付かないんだけど、ギター1本でやるとわかることがある。「あ、体に力を入れないほうが声が出るんだ。これだけ伸びるんだ」っていうさ。

──それは、デビュー25周年目で気が付いた真実?

田島 ここ10年でわかってきましたね。弾き語りはそういうことを確認するのにいい場なんだよね。俺、歌はね、今が絶頂期ですね。

Slow LIVE'16 in 池上本門寺
2016年9月2日(金)
東京都池上本門寺 野外特設ステージ
出演者 ORIGINAL LOVE(アコースティックセット) / トータス松本 / and more
2016年9月3日(土)
東京都池上本門寺 野外特設ステージ
出演者 Char / 中納良恵(EGO-WRAPPIN') / OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND / ましまろ / GLIM SPANKY(アコースティックセット) / 土岐麻子 / and more
2016年9月4日(日)
東京都池上本門寺 野外特設ステージ
出演者 ハナレグミ / 奇妙礼太郎 / 堀込泰行 / 野宮真貴 / チャラン・ポ・ランタン / NakamuraEmi / and more

田島貴男 ライブ情報
「ひとりソウルツアー 2016」
  • 2016年10月15日(土)石川県 vanvanV4
  • 2016年10月16日(日)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
  • 2016年10月22日(土)岩手県 Club Change WAVE
  • 2016年10月23日(日)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2016年10月29日(土)北海道 cube garden
  • 2016年10月30日(日)北海道 CASINO DRIVE
  • 2016年11月3日(木・祝)東京都 東京キネマ倶楽部
  • 2016年11月5日(土)京都府 磔磔 
  • 2016年11月6日(日)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2016年11月8日(火)富山県 Soul Power
  • 2016年11月10日(木)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
  • 2016年11月12日(土)香川県 DIME
  • 2016年11月13日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
  • 2016年11月17日(木)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
  • 2016年11月19日(土)鹿児島県 CAPARVO HALL
  • 2016年11月20日(日)宮崎県 SR BOX
  • 2016年11月22日(火)熊本県 熊本B.9 V1
  • 2016年11月23日(水・祝)静岡県 LIVE SPOT WOW!
  • 2016年11月27日(日)東京都 TSUTAYA O-EAST
  • 2016年12月3日(土)沖縄県 桜坂セントラル
田島貴男(タジマタカオ)

1985年結成のバンド・THE RED CURTAINを経て、1987年よりORIGINAL LOVEとしての活動を開始。1991年7月にアルバム「LOVE! LOVE! & LOVE!」でメジャーデビューを果たす。同年11月発売の2ndシングル「月の裏で会いましょう」がフジテレビ系ドラマ「BANANACHIPS LOVE」の主題歌に採用され全国的に注目を集めた。その後も「接吻 kiss」「朝日のあたる道」などのシングルでヒットを記録し、1994年6月発売の4thアルバム「風の歌を聴け」はオリコン週間アルバムランキング1位を獲得。以降もコンスタントに作品を発表し、柔軟な音楽性を発揮している。近年はバンドスタイルでのライブのみならず、田島貴男1人での「ひとりソウルツアー」や「弾き語りライブ」も恒例化している。2016年6月には、メジャーデビュー25周年記念シングル「ゴールデンタイム」をリリース。10月に「ひとりソウルツアー2016」をスタートさせる。

トータス松本 ライブ情報
「クリアアサヒPresents OSAKAウルフルカーニバル ウルフルズがやって来る!2016ヤッサ! 20年目のバンザイ~やっててよかった~」
2016年8月27日(土)
大阪府 万博記念公園 もみじ川芝生広場
OPEN 13:30 / START 15:30
トータス松本(トータスマツモト)

1966年生まれ、兵庫県出身。トータス松本(Vo)、ウルフルケイスケ(G)、ジョンB(B)、サンコンJr.(Dr)からなる4人組ロックバンド・ウルフルズのボーカリストとして1992年5月にシングル「やぶれかぶれ」でメジャーデビュー。1995年発売のシングル「ガッツだぜ!!」が注目を集め、翌1996年にリリースした3rdアルバム「バンザイ」が100万枚を超える大ヒットを記録する。その後も「明日があるさ」「ええねん」など数多くのヒット曲を発表するが、2009年8月のライブを最後に活動休止。2014年2月に約4年半の沈黙を破り再始動を果たす。2015年9月に13thアルバム「ボンツビワイワイ」をリリース。2016年8月27日、大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場で「クリアアサヒpresents OSAKAウルフルカーニバル ウルフルズがやって来る!2016ヤッサ! 20年目のバンザイ~やっててよかった~」を開催する。