ピエール中野(凛として時雨)
プレイリストテーマ「ライブ観たい!」
- 742617000027
- (sic)
- Wait and Bleed
- The Heretic Anthem
- Eyeless
- Liberate
- People = Shit
- Eeyore
- Duality
- The Blister Exists
ピエール中野のドラムスタイルを確立するまでに、Slipknotの存在なしには語れないほどの影響を受けました。あまりに速く、テクニカルなのに、熱量と感情の溢れるドラミングに衝撃を受け、自身の奏法を1から見直して、現在に至ります。今回のプレイリストは「ライブで観たい!」と思える楽曲をセレクト。結果、初期曲が多くなりましたが、花瓶を投げつけられて演奏したドラム(ライナーノーツに書いてある)にはグッとくるものがあります。あらためてものすごいバンドだと実感しました。知ってる人も、知らない人もぜひ再生してみてください!
プロフィール
ピエール中野(ピエールナカノ)
埼玉県越谷市出身のドラマー。凛として時雨に2004年に加入し、2008年12月にシングル「moment A rhythm」でメジャーデビューを果たした。自身のバンドでの活動のほか、GLAY、星野源、ももいろクローバーZなどの楽曲に参加。近年では自身監修のイヤフォン「ピヤホン」の開発に携わるなど幅広く活躍している。
ピエール中野 凛として時雨 ピヤホン監修 (@Pinakano) | Twitter
響(摩天楼オペラ)
プレイリストテーマ「超王道ブチ上がりソング10選」
- (sic)
- The Heretic Anthem
- Spit It Out
- Duality
- Before I Forget
- Eyeless
- The Blister Exists
- Psychosocial
- People = Shit
- Unsainted
10曲に絞るのがこんなに難しいとは。どんな方向性にするか迷いに迷いましたが、「自分もここからSlipknotにハマった」と言えるような王道曲を選ばせて頂きました。
Slipknotとの出会いは高校3年生。ドラムを初めて少し経った頃、とにかく速くて激しいドラミングがカッコいいと思っていた僕は、今は亡きジョーイのドラミングに辿り着きました。そのとき聴いたのが「People = Shit」だったのですが、イントロのツーバスとブラストビートにとんでもない衝撃を受けました。しかし当時の僕はシャウトなどに耐性がなかったため、「この工事現場みたいな音楽は果たしてカッコいいのか?」と疑問を感じていましたが、気付いたらどハマりして、今となっては完全にメタルドラマーになってしまいました(笑)。
そして初めて観に行った海外のバンドもSlipknotでした。ジョーイのドラミングを目に焼き付けようと前のほうに行ったのですが、案の定とんでもないモッシュピットに巻き込まれ命の危機を感じるようなライブでした(笑)。でもそんな状況の中で「Before I Forget」のサビのシンガロングを叫んでいたら、自然と涙が出てきたのを10年近く経った今でも鮮明に覚えています。これまで数多くのライブを観て来ましたが、泣いたのはそのときの1回だけ。そのくらいSlipknotのライブは衝撃的なものでした。
プロフィール
響(ヒビキ)
大学時代よりドラマーとして音楽活動を開始し、2019年に摩天楼オペラの正式メンバーとしてメジャーデビュー。自身のバンド以外にもBREAKERZなど数多くのアーティストのライブやレコーディングに参加。2020年よりドラムカバー演奏を中心に投稿するYouTubeチャンネルを開設し、テクニカルなドラム演奏を披露している。
別所隆弘(カメラマン、文学研究者、関西大学講師)
プレイリストテーマ「可能な限り重たく、速く、重たく、重たく、鋭く、そして繊細」
- (sic)
- People = Shit
- Spit It Out
- Before I Forget
- Psychosocial
- Unsainted
- The Blister Exists
- Eyeless
- The Heretic Anthem
- Wait and Bleed
あれはそう、私がまだ大学生で、ちょうどKornあたりにハマってた頃だ。
もともとHRが大好きで、フレディ・マーキュリーとアクセル・ローズを心の師匠と崇める少年時代を送ったあとに、さらに激烈な音楽を求めてメタリカ、スレイヤーと、視野狭窄の厨二病系20代特有のスラッシーなパトスを激重音楽にぶつけていた頃のことだ。Korn大好きコミュニティに「ヤベえのがやってきた」と、出どころ不明の怪奇文書のように奇怪なメンバーの画像とともに伝わってきたのがSlipknotという天啓だった。
ジャケットを見た瞬間「あ、これ、あかんやつや」と脱落しかかった。ゲテモノロックと勘違いした。でも待てよと、Kissだって音楽は最高じゃないか。とりあえずターンテーブルにCDを乗せた。あの激重かつ超絶テクニカルでソリッドな音が空間を、耳を、脳髄の神経回路を駆け抜けた瞬間、いつだって時代遅れのルッキズムは、雲散霧消、どこかへ綺麗さっぱりなくなった。
秒で魂の底の底まで届く重さへの憧憬、獣の咆哮、この世界の全てを拒否し包み込む侵食性ATフィールドが、当時住んでいた四畳半の狭い部屋に領域展開された。Slipknotとの出会いだ。
プロフィール
別所隆弘(ベッショタカヒロ)
滋賀県在住の風景写真家、文学研究者。2017年に行われたナショナル・ジオグラフィック社による自然写真コンテスト「2017 Nature Photographer of the Year」の「AERIALS(空中)」部門で準優勝を獲得した。Instagramアカウントでは美しい風景写真を多数投稿している。
milet(シンガーソングライター)
プレイリストテーマ「milet的 無人島に持って行きたいSlipknotプレイリスト」
- People = Shit (Live in London 2022)
- Duality
- Vermilion
- Unsainted
- The Heretic Anthem
- Surfacing
- Prelude 3.0
- Wait and Bleed
- Pulse of the Maggots
- Vermilion, Pt.2
なんでこんなに彼らが好きなのか自分でもわからないくらいSlipknotが好き。
Slipknotは、ずっと孤独の中にいた私を飾らない言葉と勢いで肯定してくれ、私にとって怒りを吐き出すことを肯定してくれたはじめての音楽でした。
フルートを演奏してクラシック音楽ばかり聴いていた小、中学生の頃の私にはこの激しいヘヴィメタルがすごく開放的で自由に聴こえました。新しい世界と出会えたのを感じました。
メタルというジャンルや定義がわからなかった私に、Slipknotは「そんなのどうでもいい、曲聴けばわかる」と言わんばかりの音圧で殴りかかってきました。それを抵抗せず受け入れてみたら、知らない間にSlipknotなしじゃ生きられなくなっていました。クラシックが大好きだった私がメタルを聴き始めて親には「頭でも打ったか」と本気で心配されましたが、今思えば確かに、Slipknotの音楽という凶器で頭を高速BPMで殴られていたのかもしれないですね。
好きなメンバー(主にマスク)はクレイグのウニ頭。でも恋人にするなら最新のコリィ。クレイグは付き合っても近付けないので。
プロフィール
milet(ミレイ)
ハスキーかつ重厚感のある歌声が特徴の女性シンガーソングライター。思春期をカナダで過ごし、現在は東京都内に在住している。2018年に本格的に音楽活動を開始し、2019年にデビュー。2020年に「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たす。2021年には東京2020オリンピック閉会式に歌唱出演し、同年末に2年連続で「NHK紅白歌合戦」に出場した。クラシックからメタルまで幅広い音楽を愛聴しており、2022年8月の「SUMMER SONIC 2022」ではイギリスのKula Shakerと共演した。
シンガーソングライター milet(ミレイ) Official Web Site
milet(ミレイ) (@milet_music) | Twitter
山岡晃(作曲家)
プレイリストテーマ「緊張と緩和」
- (sic)
- Metabolic
- Prelude 3.0
- Welcome
- Vermilion, Pt.2
- The Nameless
- XIX
- Skeptic
- Unsainted
- Spiders
今から20年ほど前「またしてもコメディバンドの登場か~」という印象で始まったSlipknot。往々にしてこのビジュアルの切り口は、そうであり、そうあるべきという既成概念が自分にはあって、そのコメディバンドには、今のゾッコンぶりは発揮できなかったことを覚えている。ただ、その1stアルバムのクレジットに書かれたRoss Robinson(音楽プロ デューサー)の名前を目にして「ひょっとして本気?」というところからのサウンドを一聴し一転。これが今日に至るSlipknot愛の始まりだった。1stアルバムにおける「742617000027」から「(sic)」への繋ぎは、とてつもない緊張感に塗れ、そんな冷や汗を感じさせる音楽づくりにも嫉妬をした。それは3rdアルバム収録の「Vermilion, Pt.2」からの「The Nameless」も同じく。そう緊張だけではない。彼らなりの緩和策も存在する。そんな彼らが描く緊張と緩和が欲しくて、毎度アルバムを脳内へ注入する日々が現在の日常でもある。
プロフィール
山岡晃(ヤマオカアキラ)
1968年生まれ、新潟県直江津出身の作曲家、音響監督、ゲームデザイナー。ホラーアドベンチャーゲーム「サイレントヒル」や「Dead by Daylight」シリーズの楽曲を手がけたことで知られる。2022年制作のNetflix独占アニメ「サイバーパンクエッジランナーズ」では劇伴音楽を担当している。
プロフィール
Slipknot(スリップノット)
アメリカ・アイオワ州で結成された1995年結成の9人組ヘヴィメタルバンド。メンバー全員がグロテスクなマスクを被った奇怪なビジュアル、暴力的なヘヴィサウンド、強烈なライブパフォーマンスで注目される。1999年にKornやLimp Bizkitを手がけたロス・ロビンソンのプロデュースによって1stアルバム「Slipknot」でデビューを果たした。2001年発表の2ndアルバム「Iowa」は、前作以上にバイオレントな「People = Shit」などを収録し、本国アメリカで100万枚以上のセールスを記録。2004年発表の3rdアルバム「Vol. 3: The Subliminal Verses」ではプロデューサーの意向でそれまで排除されていたギターソロを積極的に取り入れ、コリィ・テイラー(Vo)がデスボイスのみならずバラードで美しい歌声を聴かせるなど、バンドの新境地を開拓した。活動休止を挟み、2008年に4thアルバム「All Hope Is Gone」を発表。日本で開催されたメタルの祭典「LOUD PARK 08」の初日でトリを飾った。2010年にオリジナルメンバーのポール・グレイが亡くなり、しばらくは沈黙を貫いていたが、2011年6月に活動を再開させ、2012年には自身主催の大規模メタルフェス「KNOTFEST」を初開催した。2014年に5thアルバム「.5:The Gray Chapter」を発表し、「KNOTFEST」の日本版である「KNOTFEST JAPAN」を行った。2019年に6thアルバム「We Are Not Your Kind」をリリース。2022年9月に通算7枚目となるアルバム「The End, So Far」を発表した。
Slipknot / スリップノット | Warner Music Japan