ナタリー PowerPush - SHUN

僕がヒップホップの入り口に

このたびミニアルバム「DA NOVΛ」でメジャーデビューを果たすSHUNは、2009年から4年連続で清水翔太のツアーに参加し、インディーズですでに3枚のアルバムをリリースするなど、弱冠21歳にして経験豊富な要注目のラッパー。そんな彼はナタリーの初取材に対し、ラップに目覚めたきっかけ、ヒップホップの魅力、自身の音楽活動を通じて伝えたいことを真剣なまなざしで語ってくれた。

取材・文 / 鳴田麻未 インタビュー撮影 / 佐藤類

 
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ダボい服着て、金のチェーン首から下げてラップしてる姿にやられた

──新作の話題の前に、まずはSHUNさんのプロフィールからお聞きしたいと思います。現在21歳ですが、ラップを始めたのはいつ頃ですか?

SHUN

16歳のときです。

──最初にラップに興味を持ったきっかけを教えてください。

僕は小学5年生ぐらいからダンスを習ってて、いろんなジャンルの踊りをやってたんですけど、その中でヒップホップを習う機会があって。そのときにヒップホップの音楽にすごく魅力を感じて好んで聴くようになって、曲を探していく中で、アメリカのラッパーのライブ映像を観ることがあったんです。ダボい服着て、金のチェーン首から下げてラップしてる姿にやられたっていうか、すごいカッコいいなって思いました。それからはダンスよりもラップのほうに興味を持って、ラッパーになりたいっていう思いが生まれました。

──ラップそのものというより全体のスタイルにカッコよさを感じた?

けっこう見た目から入るタイプで(笑)、最初はファッションの部分も大きかったですね。ああいういかついファッションして、アクセサリーいっぱい付けて、ちょっと生意気そうに立ち振る舞うっていうのがすごく好きになって、自分も見よう見まねでマネしてるうちに、ラップをやってみようかなって。

──いきなりリリックを書き始めるのは難しくなかったですか?

最初はすでにある曲に、テーマもそのままで自分なりに歌詞やフロウを変えてというやり方でした。ほんとに何もわからず……という感じでしたね。当時、RIP SLYMEやKICK THE CAN CREWを聴いてたんですけど、自分がラップする立場になってからはさらにいろんな日本語ラップを聴き出して、書き方、日本語でのラップの仕方を僕なりに勉強しました。

自分の日本語ラップの価値観を壊したKREVAさん

──特に好きで聴いていたアーティストは?

一番影響を受けたのはKREVAさんです。聴きやすさや、パフォーマンスなど、それまで自分の中にあった日本語ラップの価値観をよい意味で壊されたっていうか。僕はUSヒップホップが好きで日本語のものをあんまり聴いてなかったんですけど、その中でこの人のラップすごいカッコいいなって思ったのはKREVAさんでした。特に聞き取りやすさという部分ではすごい影響を受けました。

──なるほど。

でもラップのみじゃなくてトータル的に言ったら、カニエ・ウエストも。自分もああいうファッションも楽しんでるアーティストになりたいなといつも思ってます。

──逆に、刺激し合えるライバルのような存在というと?

SKY-HIさんだったりSALUくんだったり、最近ラッパーがメジャーシーンに出てくることも多いので、それはすごいうれしいですね。やっぱり競う相手がいたほうが自分もやる気になります。やるからには自分もがんばりたいなって思ってます。

普段ラップを聴かない人にも好きになってもらいたい

──SHUNさんは若手と言えど、Zepp Tokyoや東京国際フォーラム ホールA、横浜アリーナといった大きなステージでのパフォーマンス経験もありますし、表舞台で活動を始めてもう4年ほどになりますよね。ラップを始めた当初と、メジャーで作品をリリースするような今では、音楽表現に対する思いはどのように変化してますか?

SHUN

一番変わったのは、普段ラップを聴かない人にも好きになってもらいたい、と思い始めたことですね。大阪で高校に行きながら活動してた頃は自分が書きたいことを本当にバーッと書いていて、それがインディーズの1枚目のアルバム「AFTER SCHOOL」だったんです。それから新しい曲をリリースしたり、いろんな場所でライブをしていく中で、そう感じるようになって。

──より大衆性を意識するようになったと。

ラップは日本でまだそこまで知られてないというか、あまりなじんでない、慣れてない人が多いと思うんです。だから、ラップを聴く入り口を作れたらなと思って、J-POPを聴いてる人でも聴きやすい内容、そういう書き方に変わっていきました。

──その意識は、2009年から毎年参加している清水翔太さんのツアーなどで得たんですか? 彼のライブだと、本格的にR&Bを聴いている人から、友達に誘われて来てみたという人までさまざまなお客さんを目の当たりにすると思うんですが。

そうですね。ちゃんと大きいフィールドで多くの人に自分の言いたいことを伝えることも、すごくヒップホップだと思うので。今は、自分を知ってもらえる可能性があるならチャンスは全部つかんでいきたいです。

──そもそも清水翔太さんとの出会いというのは?

翔太さんとは地元が同じ大阪で、中学生のときから友達だったんです。僕にヒップホップ以外の音楽をいろいろ教えてくれて、じきに2人で曲を書いたりもしてて。

──なんだか、幼少の頃からダンスを習う環境があり、近しい友人に才能あるアーティストがいて……と、音楽的エリートだなあとも思います。

小さい頃から好きなことできてる、そういう環境を作ってもらえてるって、本当に恵まれてると思います。すごいありがたいなっていうのは常に感じますし、だからこそちゃんと結果を残したい、ちゃんとそれに応えていきたいっていう気持ちはあって。恵まれてるってわかるぶん、すごく気合いは入ってますね。

ミニアルバム「DA NOVΛ」 / 2013年7月10日発売 / SME Records
「DA NOVΛ」初回限定盤 [CD+DVD] 2500円 SECL-1328~29
「DA NOVΛ」通常盤 [CD] 2100円 SECL-1330
CD収録曲
  1. LOOKΛME
  2. Tokyo Chaser
  3. Teach Me Love
  4. Day'n Night,U
  5. BEST MAN
  6. Change My Life
初回限定盤DVD収録内容
  • 「LOOKΛME」Music Video
SHUN(しゅん)
SHUN

1992年生まれ、大阪出身のラッパー。インディーズデビュー前から清水翔太の客演を務めながら、2011年3月にアルバム「AFTER SCHOOL」をリリースし、オリコンインディーズ週間ランキングで2位を記録する。2012年には「SPRINGROOVE」「SUMMER SONIC」に出演を果たし、秋には初のツアー「TEEN SOLDIER TOUR 2012」を東京と大阪にて開催した。また、加藤ミリヤの楽曲「今夜はブギー・バック feat. 清水翔太&SHUN」に参加し話題を集める。2013年7月、ミニアルバム「DA NOVΛ」でSMEレコーズよりメジャーデビュー。