自分の作った曲を客観的に聴く方法

剛力　「DREAM」は、自分ががんばっていくのは周りの支えがないとできないっていうことを改めて感じさせられるし、勝手にですけどこの曲を聴くと「翔太さんが一緒にがんばってくれてる」って思えるんです。私だって周りの人の支えがあるからこそ夢に向かっていけるし、自分も周りの人を支えられるようになりたいなって、パワーをもらいます。

──リスナーにこんな気持ちになってほしい、みたいなイメージは固めてから書きますか？

清水　作るときはあんまり考えてないかもしれない。聴いてくれる人たちの姿は浮かんではいるんですけど。でもできあがってから自分がリスナーになってみるんですよ。僕、いつも曲ができあがったらまず15分くらい違うことをするんですね。で、「どんな曲だっけな？」ってちょっと忘れてから曲を聴く。そこでリスナーとしても「いい曲だな」とか「グッとくるな」と思えたら、そこで初めて完成するんです。

剛力　へえー……。

清水　逆に、ちょっと経ってから聴いてみたら別にいい曲じゃないなってボツにすることもあります。自分が1番目のリスナーとして聴いて、そのとき作った人間としてもその曲の意味合いが初めて見えてくるんですよね。骨組みをやってると自分じゃよく意味がわかんなくなってきますから。それに、単純に楽しみなんです、自分の作った曲を客観的に聴く瞬間っていうのは。

剛力　もともとそうなんですか？

清水　ずっとそうです。

剛力　私はまだ自分の曲をフラットに聴けないというか……歌うための曲として聴くことが多いです。自分の歌は「誰かに届けたい」っていう思いが強くて、まだ客観的に聴けないでいる気がします。

清水　僕の場合、ソングライターとかプロデューサー的な視点の自分が作って、ちょっと経ってから今度はそれを歌うアーティストとしての自分が判断するっていうことなので。剛力さんが曲をもらって最初に聴く、その瞬間と同じだと思います。

お互いを動物に例えると……

剛力　あと「美しき日々よ」も好きです。

清水　ありがとうございます。

剛力　ってこれ、1曲ずつ言っていっちゃいそう……（笑）。あ、翔太さんは「旅」っていう言葉を使うことが多いと思うんですけれども。

清水　そうですね。「美しき日々よ」の場合は人生を旅に例えてるんですけど。というか僕自身、例えるのが好きなんです。普通に話してても「それってあれみたいだね」っていう例え話をするのがすごい好きで、それが歌にも表れてるんですね。

剛力　そうなんだー。

──じゃあ突然ですが、お互いを動物に例えるとしたらなんですか？

清水　動物ですか。あんまり内面を知らないからビジュアルと想像でしか例えられないんですけど、なんでしょうね……僕のイメージでは、剛力さんはけっこう強いんですよ。強いけど常に焦ってるというか、その強さで周りに嫌な思いをさせないように、自分が苦しんででも周りを喜ばせたいって一生懸命な感じ。だから、僕の大好きなアニメの「ぼのぼの」に出てくる、シマリスくんで（笑）。

剛力　あははは（笑）。

清水　小動物系じゃないですか。

剛力　よく言われます。性格も確かに……強いといえば強いと思います。それに、周りが楽しんでくれるのが一番うれしい。それは常に思ってますね。女優のお仕事のときも、ドラマとかって過酷な現場が多いので、なるべくスタッフさんとも話したりして、みんなが楽しめる現場にしたいなって思ってます。

──逆に、清水さんはなんの動物のイメージですか？

剛力　えーっ。私こういうのすごい悩んじゃうんですよ（笑）。……（しばらく黙って考え込む）。キリン！ 優しいんだけど、実は強くて、360°物事を見渡してるっていうところがピッタリだと思います。

清水　お、うまいじゃないですか。僕よりうまい（笑）。

剛力　こうやって自分の発想を言葉にするの、ホント苦手なんです。表現するのは好きなんですけど、言葉にするのがすごい苦手で。でも翔太さんの曲は、例えてるんだけどすごいストレートというか、むしろオリジナリティのある言葉でしっかり伝わるんですよ。だから好きなんだって思いました、今。