ナタリー PowerPush - SEBASTIAN X

春だから浮かれちゃえ!永原真夏が解説する新作&自主企画

SEBASTIAN Xが春の深まりとともに躍動を始めた。まず4月10日に2000枚限定の1stシングル「ヒバリオペラ」をリリースし、29日には昨年に続き自主企画イベント「TOKYO春告ジャンボリー」を開催。また、永原真夏が初監督を務めたドキュメンタリー映画「ミヤジネーション」も現在公開中だ。

今回のインタビューでは、永原に「ヒバリオペラ」と「春告ジャンボリー」に寄せる思いをじっくり語ってもらいつつ、そこから浮かび上がる彼女のソングライターとしての最新モード、そしてSEBASTIAN Xの現在地に迫った。

取材・文 / 三宅正一(ONBU) インタビュー撮影 / 上山陽介

 
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監督デビューはノリ

──4月は「ヒバリオペラ」のリリース、「TOKYO春告ジャンボリー」、監督を務めたドキュメンタリー映画「ミヤジネーション」の公開と、春だけど真夏祭りの様相ですね。

永原真夏

あはははは(笑)、たまたま盛りだくさんになっちゃって。確かに祭りだなあ。最初に、去年初開催した「春告」を今年もやりたいねという話があって。で、「春告」を盛り上げるためにイベントとリンクした季節感が強いシングルを限定リリースしようってなったんです。「ミヤジネーション」に関しては完全に偶然ですね。

──どうですか、映画監督は。

もちろん初めての経験だったんですけど、私はほとんど何もやってないですから。編集は映画の主役である映像作家のエリザベス宮地自身がやっていて、私は映画のテーマとロケ地に出向いて大まかな指示を出しているくらいで。あんまり監督した実感もないんですよね(笑)。

──昔から映画が撮りたかったわけでもなく?

そうですね。「ミヤジネーション」が出品した「MOOSIC LAB 2013」は、映画と音楽がコラボレーションする映画祭なんですけど。最初は宮地に監督の話がきて、彼は私を撮るつもりだったんですけど、一緒に食事をしていたらノリで「逆にしちゃえ!」ってなって、私が監督をやることになったみたいな(笑)。

──でも真夏さんも宮地さんが映画の被写体として面白いと思ったからその話に乗ったんですよね?

そうですね。宮地は数年前から仲のいい友人で。過去には世界一(2008年に宮地はアメリカで行われているマスターベーションのチャリティイベント「マスターベーターソン」において、絶頂回数男性部門の世界記録を樹立している)になってたり、映像作家的な動きはしてたりしたんですけど、端から見ていて現状に不満があるんだろうなと思っていたんです。なので、友人として過渡期にある宮地を映画にしたら面白そうだなというのはありましたね。

自分たちが観たいバンドを呼ぶ「春告」

──バンド的には「ひなぎくと怪獣」のリリースとレコ発ツアー以降は、「春告」に向けて動いていたという感じですか?

永原真夏

そうですね。10月にツアーファイナルをやって年末から年始にかけてはライブも抑えて、「春告」の準備と「ヒバリオペラ」の制作をやっていましたね。とにかく冬が寒くて嫌いなので、春を待ち焦がれる感じで(笑)。

──今年も「春告」を開催するのは、昨年の手応えがあってこそだと思うんですけど。そもそもこのイベントはどういう思いで立ち上げたんですか?

これまでいろんなイベントでライブをやらせてもらってきたんですけど、その中でもDIYなイベントに出演させてもらうことが多かったんですね。たとえば水戸にあるロケットダッシュレコードが主催している「つくばロックフェス」というのがあって。そのフェスの会場は、つくば市豊里ゆかりの森という自然に囲まれた場所で、楽屋もコテージみたいな感じなんですよ。東京からも若いお客さんが来たり、逆に地元のおじさんもいたりして、すごく幅広い客層なんですよね。あとは京都の「ボロフェスタ」だったり、DIYな精神を持ったイベントに出させてもらううちにメンバー内で「自分たちでも何かやってみたいね」という話が出るようになったんです。そこから少しずつ主催イベントの話が具体性を帯びていって。まずは春がいいということで、4月に開催することが決まって。次に会場はどうするかいろんな場所を検討したんですけど、東京感があって、屋根もあって、バンドとアコースティックの2ステージ制もできるということで上野の水上野外音楽堂に決めたんです。

──ブッキングも含めてどういう色を持ったイベントにしたいと思いましたか?

去年はあの場所であのバンドがこの時間帯に出たら最高だろうな、という想像だけでブッキングをしてタイムテーブルを組んだら、奇跡的にすべての流れがうまくいったんです。当日を迎えるまでは不安材料もいっぱいあったんですけど、アーティスト、スタッフ、お客さんがホントにすべて奇跡的に噛み合った。そんな去年を踏まえて「『春告』らしさって何かな?」って考えたときに、自分たちがあの場所で観たいバンドを呼ぶことに尽きるなと思って。4月の後半にあのステージで演奏するのが間違いなく似合う人たち。去年も今年もブッキングで共通しているのはそこですね。水上野外音楽堂ってやっぱり特殊なステージでもあるから、そのバンドやアーティストが立っているだけで成立しないと難しい場所なんですよね。ライブハウスのような照明があるわけではないし、会場の外にいる人の声も普通に聞こえてきたりするので。もちろん、そういう雑多な場所であるからこそのよさもあって。今年も「春告」ならではのラインナップになったと思います。

──SEBASTIAN Xとしてはどういうライブがしたいですか?

今年は主催者としても、トリを務めさせていただくバンドとしても、とにかく楽しいライブがしたいですね。

SEBASTIAN X presents「TOKYO春告ジャンボリー2013」

2013年4月29日(月・祝)
東京都 上野水上音楽堂
OPEN 13:00 / START 13:30
<出演者>
SEBASTIAN X / 踊ってばかりの国 / うみのて / 曽我部恵一 / BLACK BOTTOM BRASS BAND / oono yuuki(acoustic ensemble) / 平賀さち枝 / 音沙汰(永原真夏&工藤歩里 from SEBASTIAN X)
※チケット一般発売中
SEBASTIAN X(せばすちゃんえっくす)

永原真夏(Vo)、飯田裕(B)、工藤歩里(Key)、沖山良太(Dr)の4人からなるバンド。前身バンドを経て、2008年2月に結成される。同年6月に初ライブを開催し、その後定期的にライブを実施。2008年8月に自主制作盤「LIFE VS LIFE」を発表し、文学的な匂いを持つ詞世界やギターレスならではのユニークな音像が話題に。2009年11月に初の全国流通盤となるミニアルバム「ワンダフル・ワールド」を発表。その後も2010年8月に2ndミニアルバム「僕らのファンタジー」、2011年1月に配信限定シングル「光のたてがみ」とコンスタントにリリースを重ね、2011年10月に1stフルアルバム「FUTURES」を発表する。自主企画も積極的に行い、2012年4月には野外イベント「TOKYO春告ジャンボリー」を上野水上音楽堂で開催し好評を博す。同年7月に3枚目のミニアルバム「ひなぎくと怪獣」をリリースした。2013年4月に2000枚限定でシングル「ヒバリオペラ」を発表。