さくらシンデレラ|専用劇場から世界へ 365日ステージに立つ正統派アイドルの挑戦

入門曲は?

──専用劇場に関すること以外で、さくらシンデレラの強みを挙げるとしたらなんでしょう?

夏生 6年間の活動の中で、そのときそのときの私たちに合った曲を作っていただいていて。アイドル全開のキラキラした曲もあれば、心に突き刺さるようなエモい曲もあって、いろんなタイプの楽曲を楽しめること強みの1つかなと思います。

──では、入門としてまず聴いてもらいたい曲を挙げるとしたら?

夏生 「未来プロローグ」という初期のナンバーですね。夢を追いかけていて、つらいこともある中で光が見えてくるという歌詞が今のさくらシンデレラにもマッチしていると思います。あと「さくらシンデレラ」も入門にオススメの曲だと私は思うんだけど……みんなはどう? 「未来プロローグ」と「さくらシンデレラ」のどちらかかなって。

大嶋ひかり

大嶋 私は「さデラ」派ですね。私はこの中で一番遅くグループに加入したんですが、加入前からこの曲が好きでした。

美和 「未来プロローグ」は周年ライブなど、大切なライブで最後にみんなで歌うことが多い曲。「さデラ」も名刺代わりの1曲だと思うんですけど、自分たちの夢を重ねているという意味で私は「未来プロローグ」が代表曲かなと思います。

夏生 やっぱりその2曲だね。

大嶋 最近の曲だと、メンバー投票とファン投票で1位だった「刹那Twilight」がオススメですね。どういうジャンルの曲なのか言葉にしづらいんですけど、振り付けもカッコよくて人気なんです。最近のさくらシンデレラを知るにはぴったりの曲だと思います。

ダンスで歌詞をちゃんと表現したい

──さくらシンデレラのダンスは、これまでいろいろな方が手がけてきました。メジャー3rdシングル曲「ハロウィンモンスター」ではDA PUMPのTOMOさんが振り付けを担当しましたね。

美和 「ハロウィンモンスター」は小さい子でも踊れるような簡単な振り付けの曲で、サビの踊りはキョンシーをイメージしたものになっているんです。

夏生 学生のメンバーが学校で友達と一緒に踊ったと言っていたり、原宿の竹下通りで流れていたことがきっかけでこの曲を知ったという人がいたり。この曲のおかげでさくらシンデレラの輪が広がった気がします。

大嶋 私がアイドルをやっていることを知らない学生の頃の同級生が、「ハロウィンモンスター」を知っていて。いろんなところでこの曲を聴いている人がいるんだなと思ったら、感動しちゃいました。

──「ハロウィンモンスター」は踊りやすいタイプの曲だと思いますが、逆に振り入れに苦労した曲は?

夏生 最新シングル曲の「Daydream」ですかね。最近はアン・ヒョンソク先生が振り付けを手がけてくださっていて、「Daydream」のダンスは日本のアイドルにないようなものになっているんです。全員の動きがシンクロしたり、メンバーがメンバーをリフトしたり。見ていてハッとするような振り付けになっているので、そういうところにも注目してほしいです。今回はいつもより振り入れの期間が長かったよね?

美和花樺

美和 うん。ダンスで歌詞をちゃんと表現したいという気持ちがあり、先生が「こういう気持ちになったときはどうするの?」とかメンバーにいろいろ聞いてくれたんです。先生を中心に、メンバーの気持ちを皆さんにどう伝えるかを考えて作った振り付けになっているので、これから大切に表現していきたいです。

──日々劇場公演をやる中で振り入れをするのは大変では?

夏生 基本的に公演は夕方にあるんですが、お昼からレッスンしたあとにヘトヘトな状態でステージに立つ日もあります。本当に切羽詰ってるときは深夜に練習することもあるんですけど、最近はあまり大変だと感じなくなりました。慣れましたね。

大嶋 レッスンできること自体がうれしいので。

夏生 レッスンがある日の公演のほうが、メンバーが自信に満ちあふれてる気がします。「練習の成果を見てくれ!」と気合いが入っていて。

美和 ファンの方に「今日レッスンやってきた?」と言われることがあるんですよ。「なんでわかったの?」と聞くと、「みんなバキバキに踊ってたから」って(笑)。

「Daydream」MVで見せた新たな魅力

──「Daydream」のMVではダークな衣装で踊る屋内のシーンが展開されたのち、明るい衣装で踊る屋外のシーンに変わります。撮影はいかがでしたか?

夏生 まず屋上のシーンから撮ったんですよ。「笑いながら踊って」と言われて、「こんな激しいダンスを笑いながら踊るのか……」と思いながら一生懸命撮影に臨んだんですが、MVの全貌が見えてくるとこのシーンで笑う意味がわかってきて。今までのMVと比べて踊る回数が格段に多くて、びっくりするくらい大変でした。屋上のシーンでは風も吹いていて、せっかくうまく踊れても髪が顔にかかっちゃったりして。がんばった分、完成した映像もカッコよくなったと思います。

大嶋 「Daydream」の振り付けが完成したときに「これは1日2回踊るのが限界だね」とみんなで話していたんですけど、MV撮影では20~30回踊りました。体力的にキツかったのはもちろん、個人的にはいつもと違う立ち位置の中でフォーメーションや空間を把握するのに苦労しました。

美和 前半のダークなシーンは王道アイドルとして歩んできたさくらシンデレラのイメージとは対照的で。今までは白や水色の清楚系のかわいい衣装で踊る曲が多かったんですけど、今回初めて黒い衣装を着てメイクもばっちりしました。クールな表情とかセクシーな動きとか、今まで出せていなかったメンバーの魅力を映像として表現できたのがうれしかったです。

──こういう大人っぽい衣装に憧れはありました?

桜瀬もえ

桜瀬 ありましたね。さくらシンデレラでいる限りダークな衣装を着ることはないのかなと思っていたので、「やっとOKが出たんだ!」と驚きました(笑)。

夏生 「ハロウィンモンスター」のときでさえ白の衣装だったんです(笑)。

桜瀬 ハロウィンメイクとかするのかなと思っていたんですけど、そのときはさくらシンデレラのイメージの中でハロウィンを表現しました。それはそれで素敵なMVになったんですけど、今回の前半のシーンはまったく笑顔を見せずに撮影して。「どんなMVになるんだろう」と不思議だったんですが、結果としてストーリー性があるさくらシンデレラらしい映像になりました。