Conton Candy インタビュー
1人ひとりの人柄や人生観がしっかり描かれている
──まず、「SAKAMOTO DAYS」という作品にどんな印象を持ちましたか?
紬衣(Vo, G) 主人公だけじゃなくて、ほかのキャラクターたちも1人ひとりの人柄や人生観がしっかり描かれているので、あっという間に読み進めていけました。もともと作品タイトルはよく耳にしていましたし、「すごく面白い」という評判も聞いていたんですけど、読むには至っていなかったんですよ。今回のお話をいただいてすぐに「これは運命だ」と思って読み始めて、一気に読んじゃいました。
楓華(B, Cho) 家に全巻あります。
彩楓(Dr, Cho) お話をいただいてすぐにそろえました(笑)。
紬衣 私、基本的にどの作品でもそうなんですけど、敵キャラを好きになっちゃうんですよね。なので、キャラクターで言うと×(スラー)がすごく好きです。あの闇を抱えている感じがよくて……。「呪術廻戦」だったら真人とか、「七つの大罪」だったらヘンドリクセンとかを好きになるタイプなので、そういう意味ではちょっとひねくれてるのかもしれません(笑)。
楓華 私はストレートに主人公の坂本(太郎)が好きです。
紬衣 あははは。
楓華 つむ(紬衣)とは真逆なんですけど(笑)、ずっと最強の殺し屋だった人が「愛する家族を守っていくぞ」と決意するという、あの人柄が刺さりました。読むたびに惚れ続けています。
彩楓 私はみんな好きなんですけど、あえて挙げるとすれば(眞霜)平助ですね。平助とピー助のコンビが好きです。最初は敵として坂本の懸賞金を目当てに首を狙いに来るけど、坂本のひと言で自分が才能あるスナイパーだと自覚して、しかもめっちゃ素直な性格だから、それを受け入れるじゃないですか。そんな平助が花ちゃん(坂本の娘)と触れ合っているところを見ると、心が温かくなります。
──作品がアニメ化されるにあたり、エンディングテーマのオファーが届いたときはどんな心境でしたか?
紬衣 いや、まさかのお話で……。
楓華 まさかだったね。
彩楓 確か、スタジオに入ってたときにマネージャーさんから3人そろって聞かされたよね。
紬衣 そう、「実は大事な話があって」みたいな。みんなでワーキャー言いながら喜び合いました。すごく光栄ですし、うれしかったです。
彩楓 アニメの曲を担当すること自体が初めての経験だし、しかも話題作ということで、話を聞いた瞬間は「責任重大だ!」と思いましたけど、すぐに「よっしゃ、やるぞ!」って気持ちに切り替わりました。特にプレッシャーとかを感じることもなく、制作に集中できたと思います。
普通ってなんだ?
──この「普通」という楽曲は、どんな取っかかりから生まれたんでしょうか?
紬衣 原作を読んで気になったキーワードや、「こういうメッセージを伝えたい作品なのかな」というところを読み取っていきながら、まずベースになる歌詞を作って、それを元に楽曲にしていった感じです。いつもは歌詞とメロディを同時に作るタイプなんですけど、今回は「普通」とか「ただ隣で笑っていて」というのがキーワードとして最初に浮かんだので、そこから膨らませていきました。
──「SAKAMOTO DAYS」という作品から最も強く感じ取ったものが、「“普通”とは?」というテーマだった?
紬衣 そうですね。葵さん(坂本の妻)は坂本の“普通じゃない”ところがすごく好きなんですけど、坂本自身は元殺し屋という過去がありながら、今は家族とともに“普通”に暮らしているわけじゃないですか。それを見ていて「普通ってなんだ?」ということをすごく考えさせられました。
彩楓 原作にある結婚記念日のエピソードで、葵さんが坂本に「あなたと過ごす、普通だけど普通じゃない日常が大好き!」と言うシーンがあって。それがもう自分にすごく刺さったセリフだったから、そこをテーマにした曲を作れてよかったです。
──なるほど。ただ、「普通とは?」がテーマとはいえ、曲タイトルを「普通」にしちゃうというのはなかなか普通じゃないセンスですよね。
楓華・彩楓 あははは。
紬衣 確かに(笑)。潔い感じで。
──しかも「普通」と言いつつ、急に3拍子になったり、Bメロに至っては5拍子になったり……。
彩楓 全然普通じゃないですよね(笑)。
紬衣 これはわざとそういうふうに作ったわけではなく、気付いたらそうなっていたんです。でも結果的にはそこがこの曲ならではのフックになったので、そのときの自分の発想に感謝ですね。
彩楓 いやでも、最初にデモが来たときは……。
楓華 「ヤベえの来た!」と思った(笑)。
彩楓 「普通じゃないの来た!」って焦ったんですけど、なんとか「これだ!」というものを見つけ出してアウトプットできたと思います。
楓華 つむが持ってきたデモを何度も何度も、体に染みつかせるぐらい聴いてね。
──その拍子が変わるパートに限らず、全編を通してドラムのリズムパターンが全部違いますよね。これもなかなか普通じゃないアプローチというか。
楓華 確かに(笑)。
彩楓 それは意識しました。普段から自分たちの曲ではセクションごとにビートに変化をつけることを意識しているんですけど、この曲では本当に「同じところはないんじゃないか?」というくらい展開を変えていますね。アニメのオープニングやエンディングって曲の展開がめちゃくちゃ変わる印象が幼い頃からずっとあったので、それを自分でもやってみたいなという思いがありました。
楓華 血が騒いだんだ。
彩楓 血が騒いで(笑)。アニソンならではのアプローチができたなって思います。
──一方ベースも、基本はオーソドックスなプレイが中心なんですけど、急に暴れだしたりするところが聴いていて楽しいです。
楓華 楽しく弾きました。落ちサビくらいのところでベースがソロっぽくなるんですけど、私たちはベースソロが入ってくるようなタイプのバンドでもないので、こういうのを今まであんまりやったことがなくて。3人で話し合いながら「ここはちょっとベース、ガンガンいっちゃおうよ!」みたいな話になったので、移動中とかにも必死で考えて、電車の中でこのフレーズが生まれました。
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いい意味で肩の力を抜いた制作ができた