ナタリー PowerPush - room12

5人の上で音符が踊る── 注目バンドの成り立ち

わかりにくい言葉を使いながら風景や感情を想像しやすい歌詞

平野太樹(Vo)

──音を聴いてもそうですが、話を聞いていて、美意識が強いバンドだなって思います。

武内 強いと思います。歌を歌って歌詞を書く太樹さんは特に強いと思う。なんか、太樹さんの声は混じりっ気がないというか、きれいなんですよね。

平野 声は聴きやすくないとダメだと思っているんです。その中で感情をどう出していくかっていう。たぶんメンバー各々にこだわりがあって、それが合わさってバンドの美意識になっているのかもしれない。

高山 でもね、太樹さんの歌詞の内容はわかりにくいと思いますよ、独特なので。そこが魅力なんですけど。

──じゃあ歌の世界観も知りたいんですが。どういうこだわりがありますか?

平野 僕の中で「音源の視覚化」って勝手に言ってるんですけど、僕らの曲を聴いて風景が浮かんでくるようだったらいいなって思っているんです。それから僕はわかりやすい言葉で視覚化させるのがなんとなく嫌で。今はわかりやすい言葉を使う人が多い気がして、それがつまらないとは思わないんですけど、なんか、そうじゃない歌詞の可能性を見てみたい気持ちがあるんです。それで僕なりに比喩を使ったりして詩的な表現を目指していて。例えば「空蝉」って曲はサビの部分に「八日目の朝日が照らした空蝉が」っていう歌詞があるんですけど、空蝉ってセミの抜け殻で、セミは死んじゃってるわけで。そこに人がいなくなったあとの残り香というか、そういう意味を重ねていて。もちろんそんな説明が歌詞にあるわけじゃないからわからないと思うし、僕が思ったこととは違うことを思ってくれていいんです。各々で解釈するのが歌詞の面白さだし。僕は日本語って素晴らしいと思っていて。日本語って1つのことを表すのに無数に表現がある。それをいかに引き出していけるかっていうのが、たぶん僕の、歌詞を書く人間のやることだと思うので。だからわかりにくい言葉を使いながら、もっとわかりやすく、風景や感情を想像しやすい歌詞を目指しています。

高山 歌詞の中にある文字を噛み砕いていただいて、それでイメージが広がっていけばいいなって思ってます。今作もそういうものだと思うんですよ。何度も聴いて噛み砕いていただいて、それで1つの物語が感じられる作品でありたいなって。

五線譜という5人の上で音符が踊っている

──これから5人で作るパズルはどんどん大きくなっていきそうですね。

高山 でも刹那的ですけどね。一瞬一瞬を生きてるバンドなので。

平野 刹那的ってキメの言葉だよね(笑)。

高山 そうです(笑)。でもホント、ライブは特に1回1回が最後のようなつもりで思いきりやっています。

──では最後にタイトルの「五線譜で踊る」に込めた思いを教えてください。

飯沼 五線譜は僕ら5人のことなんです。僕、ルーズリーフに落書きしていたら、そのルーズリーフの1本1本の線がメンバーに見えてきて、落書きは音符が踊っているように見えてきたんです。五線譜という5人の上で音符が踊っている、そういう感じのタイトルです。あと5人になって初めての音源ということも込めて。

高山 ホント、この5人でやれるとこまでやりたいです。いろんなことがやれる5人だと思うので。

1stフルアルバム「五線譜で踊る」 / 2013年8月7日発売 / 2000円 / Natural Hi-Tech Records / NHCR-1112
1stフルアルバム「五線譜で踊る」
収録曲
  1. カタルシス
  2. 改造彼女
  3. 空蝉
  4. 時に暴走
  5. 輪廻
  6. 廻る洋梨
  7. Rugen
  8. Fake
  9. 僕らは…
  10. epilogue
東京・Shibuya O-WESTにてroom12企画イベント2年連続開催決定!
room12 presents.
「弱イ犬ホドヨク歌ウ vol.15」

2013年12月12日(木)
東京都 Shibuya O-WEST

<出演者>
room12 / ピストル・ディスコ(仮) / and more
料金:前売 3000円 / 当日 3500円(ドリンク代別)
一般発売日:2013年10月12日(土)

room12(るーむとぅえるぶ)
room12

平野太樹(Vo)、飯沼亮太(G)、武内亮(G)、高山和久(B)、官野舎(Dr)による5ピースバンド。2009年に東京都立川市で結成され、コンスタントにシングルやミニアルバムを発表。現代の孤独をリアルに表現した轟音ギターサウンドとエモーショナルなライブパフォーマンスを武器に、都内を中心に活動している。2013年8月には1stフルアルバム「五線譜で踊る」をリリースした。