「Re:ゼロから始める異世界生活」4th season主題歌特集|KIHOW(MYTH & ROID)×高橋李依 (2/2)

1年後の自分が歌ってる姿を見たい

高橋 4th seasonのエンディング「Ender Ember」も、ここまで“リゼロのエンディング”という役割をまっとうできる楽曲になっているのはすごいなと感じました。イントロからゾクゾクする感じですし、あっという間に世界へ引きずり込まれちゃうというか。「リゼロ」の物語を追いかけてズブッと入ったところから、さらにズズズズズ……みたいな感じで。

KIHOW ずっと表現が独特(笑)。そう言ってもらえてうれしいです。今回は「リゼロ」10周年ということもあって、音楽でさらに盛り上げたいという思いから「コラボをやってみようか」という話になりまして。その中で本当に運よくといいますか、TKさん(凛として時雨)にご参加いただけることになったんです。実はこれスタッフとかにもあまり言ってきてないことなんですけど、私はもともとTKさんの曲が好きで、たくさん歌ってきたほうでして……。

KIHOW(MYTH & ROID)

KIHOW(MYTH & ROID)

高橋 えー! そうなんだ!

KIHOW だからコラボの話が決まったときは「え?」みたいな(笑)。さらにデモを聴いて「TKさんがいる……?」という驚きをやっぱり感じつつ、「これ、聴いて終わりじゃないんだ! 自分でも歌うんだ!」と我に返ったりもしました。

高橋 うわー。確かに、デモからすごそう!

KIHOW という感じで、私としてはテンションの上がる制作でした。MYTH & ROIDが作った土台をもとにTKさんとラリーしながら最終的に今の形になったんですけど、そもそもMYTH & ROIDとしてほかの方とのコラボで楽曲制作をする経験がほとんどなかったので、それ自体がすごく新鮮で楽しかったです。もともとあるMYTH & ROIDの音楽性の中に、TKさん特有の要素がどんどん入ってくるような感覚だったんですよ。“見えざる手”のように。

高橋 あははは。

KIHOW おかげですごくカッコいい曲になりました。ただ、MYTH & ROIDのメロディにはもう体が慣れているので、どんな曲が来てもだいたい問題なく対応できるんですけど、TKさんのメロディとなると「これを生かすためにはどう歌えばいいだろうか」という試行錯誤が必要になる部分もあって。普段はなかなか考えないことなので、それは新たな挑戦になりましたね。

高橋 KIHOWさんの新たな表現をTKさんが引き出してくれた、ってことですよね。

KIHOW だから、今後この楽曲をライブで歌うのが怖くもあり(笑)、楽しみでもあり。たぶん、1年後くらいには何も思わなくなっているはずなんですよ。逆に「何ができなかったんだっけ?」と思い出せないくらいになってるはず。今までもだいたいそんな感じだったので。

高橋 ああー、それめっちゃわかります。

高橋李依

高橋李依

KIHOW なので、今すぐ1年後の自分が歌ってる姿を見たい(笑)。どう解決したのかを知りたいです。

高橋 そのお話で思い出したんですけど、私もエミリアを最初に演じた第1話のアフレコにはかなり苦戦したんですよ。もうリテイクの嵐で、のちの私をお手本として見せてあげたいくらい(笑)。

KIHOW お話を聞いていて、最初の大変さが伝わってきて、改めてすごいなと思いました……!

高橋 オーディションには受かったものの、いざアフレコに臨んだらエミリアのお芝居としてなかなかOKが出なくて。特に最初の頃って、今の私たちがイメージするエミリアとはちょっと雰囲気が違ったじゃないですか。

KIHOW 確かに! 1話時点でのエミリアは、今の強さとは別の強さをまとっていたというか。

高橋 けっこうツンケンしてましたからね。だってあの子、スバルに「サテラ」って名乗っちゃうんだよ? ダメだよそんなこと言っちゃ!

KIHOW あははは。ホントですよね。

高橋 そんなエミリアを必死にあがいて演じていた当時のことを思い返すと、我ながら成長したなあと思えるんですよね。

4th seasonは“めっちゃ「リゼロ」”

KIHOW 1st seasonからずっと観てきた方や原作を追っている方だったらわかると思うんですけど、4th seasonって相当「リゼロ」じゃないですか?

高橋 そう! めっちゃ「リゼロ」!

KIHOW なので、「この4th seasonを観ないでどうする!」という思いが私はけっこう強いです(笑)。

KIHOW(MYTH & ROID)

KIHOW(MYTH & ROID)

高橋 確かに、ここまで来て4th seasonを観ないのはもったいない!

KIHOW 3rd seasonまで観てきた方々は当然4th seasonも観ると思うんですけど、「なんとなく作品名は知ってるけど観てはこなかった」という人がもしいたら、今からでもぜひ追いかけてほしいなと思います。まだ追いつけますよね?

高橋 追いつける追いつける! 「リゼロ」のいいところって、毎話ラストの引きがすごく強いところだと思っていて。リアルタイムで観るときはそこから次の話まで1週間待たなきゃいけないんですけど、今から配信などで観る方は待たずに一気に観られるんだから、絶対に観たほうがいい!

KIHOW 1st seasonから3rd seasonまでの話もちょっとだけ4th seasonで触れられたりもするので、観ておいたほうが「ああ、これはあのことを言ってるのか」と理解も深まりますしね。

高橋 “10年続いた長期コンテンツ”という印象が先行し始める時期に差しかかっていると思うので、今から入るのはハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかもOVAシリーズなどもあったりするので、観るべき順番に迷う方もいらっしゃることでしょう。なので、「この順番で観ましょう」というガイドを記事内に掲載しておいてください(笑)。

KIHOW そうですね! もう、こちらから全部手ほどきしていきましょう(笑)。

高橋李依とKIHOWのおすすめ視聴順

  1. テレビアニメ1st season(全25話)
  2. OVA「Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow」
  3. OVA「Re:ゼロから始める異世界生活 氷結の絆」
  4. テレビアニメ2nd season(全25話)
  5. テレビアニメ3rd season(全16話)

どうにもならなかったことなんて一度もなかった

高橋 ところで、KIHOWさんにちょっと歌の方面でアドバイスいただきたいことがあるんですけど……。

KIHOW え、そんなそんな! 高橋さんのような歌のお上手な方にアドバイスなんて、できる身分じゃないです。

高橋 そうおっしゃらずに(笑)。1曲を歌っている途中で「どうも思うように歌えていないな」と感じた場合、どうすれば軌道修正できるんだろう?と悩んでおりまして……まあ、KIHOWさんはそんなことはないと思うんですけど。

高橋李依

高橋李依

KIHOW それはライブでのお話ですか?

高橋 ライブとかの生モノ、途中で止めることができない状況のときですね。私、1曲目、2曲目がとにかく苦手で。

KIHOW 1曲目は確かに、私もすごく緊張していることが多いです。ただ最近、「どうにもならなかったことなんて一度もなかったな」ということに思い当たったんですよ。高橋さんも絶対ないと思うんですよね。うまく歌えなかったせいで大事故になって、最終的に会場が崩壊した経験とか(笑)。

高橋 確かにない! どの会場も存続してる!

KIHOW ですよね(笑)。もちろん体調面の問題など、その時々でいろいろあるとは思うんですけど、逆にその瞬間にしか歌えない歌というものがあったりもするので。どんな状態であっても自分がやれることを尽くしてさえいれば、きっとみんなの心には届くと思うんです。心が通ってさえいれば、「このフレーズが不本意な形になっちゃった」みたいなことって意外と誰も気にしていないというか……もちろんそれを言い訳には絶対したくないですけど、自分がしっかり歌と向き合って、お客さんと向き合っていれば、みんなはちゃんと大切に聴いてくださいますから。

高橋 なるほど、めちゃくちゃ響くお言葉です……!

左からKIHOW(MYTH & ROID)、高橋李依。

左からKIHOW(MYTH & ROID)、高橋李依。

KIHOW 観ている側はただただ高橋さんのことが大好きで、高橋さんの歌を生で聴けることがうれしくて来てくださっているわけだから、とにかくその人たちに喜んでもらうことだけを考えて歌えば、皆さん絶対に喜んでくださると思います。

高橋 そうですよね……今後、その考え方で走りたいと思います! ただやっぱり、いざその状況に直面するとついつい見失っちゃいますよね。「ここができなかったー!」とか。

KIHOW そういう瞬間ももちろんあります。でも結局のところ、やるしかないという……最終的にすごい根性論みたいになっちゃって申し訳ないですけど(笑)。

高橋 やるしかないよなあ……。

KIHOW 私は逆に、歌うのを忘れるときとかありますよ。みんなの喜んでいるところを見てたら「あ、歌ってなかった」みたいな(笑)。

高橋 わー! すごい! 究極じゃないですか!

KIHOW やっぱり自分が楽しめないことにはライブ会場の空気も楽しいものにならないし、みんなで楽しい空間を共有することで、結果的に自分自身もリラックスできていい歌が歌えるんです。高揚すると体温が上がって、身体機能も向上する。それを実感してからそう考えられるようになったので、これはみんなから学んだことですね。

高橋 素敵、最高ー! いい話すぎる……。

KIHOW いやでもホント、自分はこんなことを人様に言える立場ではないんですけど。自分に言い聞かせていることですね、これは。

高橋 いえいえ、ありがとうございます! めちゃくちゃ参考になりました!

左からKIHOW(MYTH & ROID)、高橋李依。

左からKIHOW(MYTH & ROID)、高橋李依。

プロフィール

MYTH & ROID(ミスアンドロイド)

プロデューサー&コンポーザーのTom-H@ckを中心にしたクリエイターユニット。2015年8月発売の1stシングル「L.L.L」がテレビアニメ「オーバーロード」のエンディングテーマとして話題を呼んだのを皮切りに、「ブブキ・ブランキ」「Re:ゼロから始める異世界生活」「幼女戦記」といった作品のテーマソングを担当する。2017年よりボーカリストにKIHOWを迎えた体制で活動中。「感情の最果て」をテーマに、音楽、映像、ビジュアルなど、あらゆる側面から国籍や時代にとらわれない普遍的な人間の感情を描いて世界的な評価を得ており、これまでに20カ国以上でライブを開催している。ユニット名は、過去を想起させる「Myth(神話)」と未来を想起させる「Android」を組み合わせた造語。

高橋李依(タカハシリエ)

2月27日生まれ。埼玉県出身。主な出演作に「Re:ゼロから始める異世界生活」(エミリア役)、「【推しの子】」(アイ役)、「この素晴らしい世界に祝福を!」(めぐみん役)、「からかい上手の高木さん」(高木さん役)、「魔法つかいプリキュア!」(朝日奈みらい / キュアミラクル役)、「あかね噺」(高良木ひかる役)など多数。ソロアーティストとして音楽活動もしている。