現在の自分たちの姿を収めたアルバムになった

──「スキャンダラス」は1980年代のディスコサウンドをモチーフにした曲だとか。現代的なEDM、エレクトロとはテイストが違いますよね。

西野入　岩田が曲を持ってきたときは「いい曲できた！」くらいの感じだったんですけど、アレンジの段階で1980年代のディスコのようなイメージがハマるなと思って。ライブで盛り上がれる曲を作りたいという気持ちもあったんですよ。その中で流れや波を作ったり、いろんな味が楽しめるほうがいいと思うので。

外山　スタジオで演奏するだけでも楽しいですからね、「スキャンダラス」は。ライブでもすでにやっていて、みんなすごく盛り上がってくれるんですよ。もうセットリストから外せない曲になってます。

岩田　うん。歌モノと言っても、僕らがやっているのはただ聴かせるだけのライブではないですからね。

──「LOVE不眠SHOW」は激しく歪んだギターサウンドが印象的でした。

西野入　だいぶ重めのサウンドになりましたね。曲の世界観が憂鬱で、気持ちが重くなるような雰囲気だったから、こういうアレンジになったんだと思います。

岩田　夢と現実の間で揺れているような歌詞ですからね。決してきれいな気持ちを歌った曲ではないし、それをどう表現するかと考えていくうちに、ギターもどんどん歪んでいったっていう。

西野入　しかもかなり粒が粗い歪ませ方をしているんですよ。最近のバンドはキメが細かくて、きれいなディストーションサウンドが多いと思いますけど、この曲はもっと粗い感じがいいなと思ったので。

──やはり歌を中心にしたアレンジになってるんですね。リフレクト・リフレインの今の個性がしっかり表現された作品だと思いますが、皆さんにとってはどんなアルバムになりましたか？

岩田　このバンドは全員、出身地が違うんですよ。外山が宮崎、僕が三重、田丸が広島、西野入が長野から上京してきて、東京で出会って、バンドを組んで。デビューのきっかけをもらって、このアルバムを出すことができたわけですけど、今まで経験してきたことを含め、まさに現在の自分たちを描けたんじゃないかなと。旅立ち、新しい始まりというテーマも込められた作品だと思いますね。

──メンバー全員が地方出身ということも、音楽性に影響している？

岩田　そうだと思いますね。誰かが東京出身で実家暮らしだったりしたら、また違う感じになっていただろうし。全員が音楽をやるために東京に出てきて、そこで組み合わさったバンドなので。だから息が合ったところもあると思うんですよね。

外山　結成当初はそこまで強くこのバンドに入れ込んでいたわけではないんですけどね（笑）。僕もバンドを掛け持ちしていた時期があったし……。でも活動を続けていく中でドラマの主題歌の話をいただいて、「このバンドでやっていけるんじゃないか」と思い始めて。意識の変化があったというよりも、自然と気持ちが固まっていった感じなんですよ。

西野入　僕は「このバンドでずっとやっていきたい」と思ったきっかけがあって。去年の夏にメンバーの地元でライブをやったんですよ。車で三重、宮崎、広島、長野を回る長旅だったんですけど、それが終わったときに「ずっとこのバンドでやるだろうな」と思って。

──それくらいライブに手応えがあった？

西野入　というよりも、各メンバーが育ったところを見られたことが大きいですね。「こういう友達がいて、こういう両親がいて、こういう場所で育ったんだな」って。

岩田　しかも、メンバーそれぞれの家に泊まらせてもらったしね。

西野入　そうそう。おいしいものをたくさん食べさせてもらいました（笑）。

──「こういうバンドをやってます」って、両親に報告できたわけですね。

岩田　そうですね。確かにメンバーの親御さんに会えたのはよかったです。家族ぐるみではないけど、「1回、全員の家族を集めたい」と思えるようになったし。大きい会場でライブをやるときは、ぜひ全員に集合してもらいたいなって。

頭の中でリフレインする歌詞

──アルバム「愛は止められない」によって、リフレクト・リフレインのことを知る音楽ファンも多いと思います。

岩田　そうなってくれたらうれしいですね。目標はすごく高くて、サザン、ミスチルみたいなレベルになりたいと思っているんですよ。生意気かもしれないけど、最初から見据えている場所はそこなので。

西野入　うん。

岩田　2016年はアルバムの制作もあって、思ったほどライブがやれてなくて。今年はライブの数をもっと増やしていきたいですね。地方を飛び回って、リスナーに向けてどんどん発信していきたいので。そこで僕らの曲を知って、好きになってもらいたいなって。もちろん制作も続けますけどね。

──岩田さん以外のメンバーも曲を作るんですか？

岩田　今はほとんど僕が作ってますけど、ほかのメンバーも作りますよ。

西野入　「こういうのはどう？」ってフレーズを渡したり。田丸も作曲するし。

田丸　でも、採用されないんですよ（笑）。いい曲だと思うんだけど……。

岩田　あはははは（笑）。メンバーにもどんどん曲を作ってほしいですね。1人で曲を作るカリスマみたいな方もいますけど、僕はそういう人ではないし、みんなで力を合わせてやっていかないと。

──こうやって話をしていても、メンバーが一致団結していることが伝わってきます。

西野入　自分たちではそんなに思ってないですけど、周りの人から「仲いいよね」って言ってもらうことは多いですね。もともと友達だったわけではなくて、音楽をやるために集まった4人なんですけど。

田丸　確かに友達から始まった感じはないですね。最初はそんなに仲よくなかったし。

岩田　よくわからない関係です（笑）。

──最後にリフレクト・リフレインというバンド名の由来を教えてもらえますか？

岩田　なかなか決まらなかったんですけど、あるとき「“サイサイ”（SILENT SIREN）とか“ワンオク”（ONE OK ROCK）みたいに呼んでもらえる名前がいいね」という話になって。そのときに外山が「例えば“リフレクト・リフレイン”とか」って言って、そのまま決まっちゃったんですよ。

外山　岩田が書く曲って、同じフレーズが繰り返し出て来ることが多いんですよね。それがリフレインしている感じというか。

岩田　1番と2番でサビの歌詞が少し違ってたりするのが苦手なんですよ。だから自分が書く曲は、同じサビを繰り返すことが多いんですよね。メロディに関しても、すぐに覚えられるようなものがいいなと思っていて。ぜひ、僕らの曲を頭の中でリフレインしてほしいですね。