PlayStation®4の新作ゲームタイトルを紹介する動画「PlayStation®4 Lineup Musical『PLAY!PLAY!PLAY!』#banvox」がYouTubeで公開された。
前作「PlayStation®4 presents “GO! GO! LINEUP! RAKUGO!”」に引き続き、楽曲を手がけたのはプロデューサーのbanvox。彼は「ミュージカル」をテーマに、新作ゲーム全15作品の魅力をドラマチックに伝えるトラックを作り上げた。
今回音楽ナタリーではbanvoxにインタビューを実施。制作で得た発見やミュージカル音楽との意外な接点、そして彼の音楽に対する変わらない姿勢について話を聞いた。
取材・文 / 大橋千夏 撮影 / 大橋祐希
ミュージカル音楽で「どうしよう」
──今回のラインナップ動画のテーマは「ミュージカル」ということで、およそ4分半の映像の中にきちんと起承転結が用意されていて。まるで1つの作品を観ているかのようで非常に楽しかったです。
僕自身、すべてが新鮮で楽しかったです。テーマを聞いたときは正直「どうしよう」と思ったんですけど(笑)。
──確かに、banvoxさんとミュージカル音楽は意外な組み合わせですよね。
実は母親が宝塚(歌劇団)出身なので、幼い頃からミュージカル自体は身近な存在だったんです。なのでイメージを膨らませることには苦労しなかったんですけど、そこにどうやって自分らしい音を足していくかが難しくて。
──そうだったんですね。今回の制作にあたって、改めてミュージカル音楽を聴き直されたりは?
「美女と野獣」とか「アラジン」とか、ディズニー映画を観ました。音楽を作るようになってからディズニー映画を観たのはひさびさだったんですけど、改めて観ると本当にすごいなって。作り込み方が半端じゃないし、かなりヒントをもらいました。
新しいジャンルが作れるかも
──制作を通して、新たな発見はありましたか?
ミュージカル音楽で使われるような生音と僕のシンセ音って意外にハマるんだなというか、「合わさると新しい音が生まれるんだ」という発見がありました。これまで生音ってブレイク部分にしか入れたことがなかったんですけど、今回はシンセ音がうるさいくらいに鳴っているパートにも、ちゃんとピアノの生音を入れてあるんです。不思議な親和性みたいなものが生まれたと思うし、面白かったですね。
──なるほど。
あとは今回の楽曲はAパートからEパートまで5つのパートで作られているんですけど、Dパート(映像内2:36~)に入るとドラムパターンがかなり変わるんです。音色はダンスミュージックだけど打ち込み方はジャズドラム、というパターンで作ってみたら、それも意外とよくて。次に自分の曲を作るとき、このリズムを使ってドロップ部分を作ったら面白いかもって思ったし、「もしかしたら新しいジャンルが作れるかも」とさえ思いました。
──Dパートからクライマックスにかけての盛り上がりは聴きどころの1つかもしれませんね。ほかにも制作でこだわった部分はありますか?
小ネタをたくさん入れることですかね。例えば「パラッパラッパー」のシーンでは、「キックアンドパンチ」というセリフに合わせてキックとスネアの音を入れてみたり。各小節ごとに、歌に合わせてかなり細かく音を入れています。
──聴くたびに発見がありそうですね。
だから何度も聴いてほしいですね。あとは音楽だけじゃなく、とにかく映像が素晴らしいので、ちゃんと最後まで観てほしいなって。感情が揺さぶられる作品になっていると思います。
banvoxが気になるPS4®新作ソフトは
──ところで、banvoxさんは普段ゲームはされるんですか?
最近は忙しくてあまりできていないんですけど、オンラインゲームとかはけっこうやってました。好きなジャンルはFPS(ファーストパーソンシューティング)系とかRPG(ロールプレイングゲーム)かな。やり込むタイプなので、ハマるとけっこうやばいんです(笑)。
──そうなんですね(笑)。今回のPS4®新作ソフトの中で気になった作品はありましたか?
ガンダム好きなので「GUNDAM VERSUS」は気になりますね。あとは「New みんなのGOLF」は映像を観させてもらって、「ゴルフだけじゃなくて釣りもできるんだ!?」って驚きました。だから「みんGOL」のパートには、川のせせらぎとか鳥の鳴き声も入れたんです(笑)。
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「ファイナルファンタジー」シリーズの音楽は鉄板