PIGGY BANKS|逆境から生まれた実験作

6月28日に5曲入りCD「ドゥ シュビドゥバイン」を発表し、7月よりレコ発ツアー「シュビドゥバインツアー」をスタートさせるPIGGY BANKS。昨年4月に1stアルバム「タイムスリラー」をリリースしてからはバンド初のツアー「時間泥棒ツアー」開催やフェスへの出演など、精力的にライブ活動を行ってきた。そんな中昨年8月、メンバーのakko(B)が産休のためアーティスト活動を休止。以降バンドは現在までサポートメンバーを迎えつつ、ライブ活動を継続してきた。今回のインタビューではyoko(Vo)にアルバム「タイムスリラー」発売後から現在までを振り返ってもらいつつ、「ドゥ シュビドゥバイン」制作時のエピソードについて語ってもらった。

取材・文 / 高橋拓也 メインカット撮影 / 奥本昭久

ピギバン、初のリリースツアーへ

──バンドにとって初のアルバム「タイムスリラー」がリリースされて1年経ちました。発売後の活動はいかがでしたか?

yoko(Vo)(撮影:奥本昭久)

PIGGY BANKS結成からリリースまで2年弱かかったので、「ようやく完成した」って感じでしたね。リリースツアーにもみんな手応えを感じていたし、なかなか行けない地方でもライブができてうれしかったです。ツアーが終わってからもフェスに参加することができて、けっこういい感じに動けたんじゃないかな。

──ツアーという形で各地を回るのは、「時間泥棒ツアー」が初ですか?

みんな別バンドでの活動でツアーは経験済みですけど、PIGGY BANKSでは初めてですね。ツアーとフェス以外にも、「東北ライブハウス大作戦」のスタッフさんにお願いしてDrop'sの中野ミホちゃんと公演を行ったり、沖縄のイベントに出たりもしました。

──アルバム制作を経て、ライブでの演奏に変化はありましたか?

各楽曲のアレンジはどんどん変わっていて、場数を踏むたびに進化してますね。毎回ライブの映像を残していたので、次の練習までに各々で確認しておいて、まめに話し合いました。ピギバンの音源ってシンセとか、ライブでは使わない楽器の音が入っているので、それをライブではどういうふうにアレンジしたらいいかよく相談します。あとはセットリストの構成を見て、楽曲の頭や終わりの部分は毎回アレンジしてます。

このバンドは止まらない

──昨年8月よりakkoさんが産休に入りましたが、その後もライブ活動は継続されていました。彼女がいない中での活動に戸惑いはありませんでしたか?

ちょうどツアーが一段落して、フェスとか秋に向けての活動を控えている状況だったので「ドヒャー!」って感じでしたよね(笑)。でもピギバン結成時にすでにakkoちゃんは結婚してて、お子さんも1人いる状況だったし、「将来的にはもう1人子供が欲しい」って言ってたんです。それに私もkemeちゃんも近い未来、もしかしたら同じ境遇になるかもしれないし。

──ある程度、考慮していたんですね。

yoko(Vo)

一旦1カ月半ぐらいライブをお休みして、周りの人からも「辞めるの?」って聞かれたんですけど、私の中ではピギバンの活動をストップするっていう考えはなかったんです。akkoちゃんも「赤ちゃんを産んで、ある程度落ち着いたら復帰したい」って話してくれたし、戻ってきたときに「yokoもkemeもありがとね!」って言ってもらえるよう、ライブ活動も音源リリースもするって決めました。すぐにkemeちゃんとサポートの高橋(浩司)さんと一緒にサポートベーシストを探して、akkoちゃんが出演する予定だったフェスではZ'sの(田浪)真悟さんにお願いして。その後のライブではScars BoroughのMARCHさんも参加してくれたんです。

──高橋さんも真摯に協力してくれたそうで。

高橋さんはお兄さん的な立場でアドバイスしてくれるので、精神的にもすごく助けられました。女性3人の中に高橋さんがいるおかげで、バンドの雰囲気もいい感じに和やかになりますしね。

PIGGY BANKS「ドゥ シュビドゥバイン」
2017年6月28日発売 / GARURU RECORDS
PIGGY BANKS「ドゥ シュビドゥバイン」

[CD]
2000円 / GRRC-70002

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収録曲
  1. シュビドゥバイン
  2. PVPHS
  3. Sweet Dreams
  4. アナボリック リアクション!?
  5. DASH
PIGGY BANKS(ピギーバンクス)
yoko(Vo)、keme(G)、akko(B)により2014年に結成。2015年に本格的にライブ活動を開始し「FUJI ROCK FESTIVAL 2015」「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2015」「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015」などのフェスにも出演した。2016年4月には1stフルアルバム「タイムスリラー」をリリースし、バンド初となる全国ツアー「時間泥棒ツアー」を実施。同年8月より産休のためakkoがライブの参加を休止するがバンドの活動は継続し、2017年6月に5曲入りCD「ドゥ シュビドゥバイン」を発表した。