OWV|唯一無二の色を紐解く、1stアルバム「CHASER」全曲解説インタビュー

04
Get Away

──4thシングル曲「Get Away」はそれまでのOWVのシングル曲にはないテイストで新鮮でした。ラフに聴けるような、さわやかなサマーソングで。

浦野秀太

浦野 この曲はかなり反響をいただきましたね。ティザーが出たタイミングから、ファンの方が気に入ってくださっている感じがあって。僕たちの中では「こういうOWVも好んでくれるんだ」という新しい発見がありました。

──1stライブでの「PARTY」や「What you waitin' for」のインパクトが強かったからか、「OWVの夏」というテーマだけ告知されたとき、実は個人的にパーティチューンのようなバキバキのEDMも予想していたんです。

浦野 そう思いますよね(笑)。

本田 でも「OWVで夏曲を歌うならどんな曲だろう?」って4人で話し合ったら、満場一致でワイワイ騒ぐよりはリラックスしてノレるようなイメージだったんです。

──「家でも外でもどこにいたって夏は楽しめる」というメッセージは、この夏、多くの方々の心に響いたかと思います。作詞のLauren Kaoriさんはデビュー当時からOWVの作品に携わっている方ですが、お話する機会はあるんですか?

浦野 まだ直接お話できていないんですよ。

佐野 ユニバーサルのスタッフさんを通してやり取りをさせていただいています。

浦野 「Get Away」に関しては「このご時世だから外には遊びに行けないけど、家の中でもバケーションを楽しめるよ」というテーマをお話しさせてもらいました。

佐野 僕たちがいただいているデモには英語の仮歌が入っていて、僕たちはその音源を聴いて「QWVの皆さんに届けたい」とビビッと感じて楽曲を選ばせていただいています。それが日本語になることによって、届けたい雰囲気とのズレが発生してしまわないよう、作詞家さんにはそういう点も含めてリクエストをお伝えさせてもらっています。

05
Ready Set Go

──2ndシングル曲「Ready Set Go」は情熱的に愛を歌う楽曲ですね。1stシングルの「UBA UBA」の取材のときに「アダルティな曲もやったほうがいいのか迷ったけど、今回は攻撃的な作品にした」とおっしゃっていましたが、2ndシングルでこういった艶やかな曲がきたか!と当時胸を突かれた記憶があります。

本田 まさに1stシングルで力強い意思を見せて、「Ready Set Go」ではOWVの色気を出せたかなと。僕たちの中で“大人の色気”を見せられる曲の代表は「Ready Set Go」なのかなと思っています。

浦野 OWVの中でも貴重な、恋愛系の曲ですね。

佐野 あと、ダンス面で言うと、このタイミングで初めて韓国のLOOKさんに振り付けをお願いしたんです。この曲では韓国の振付師さんならではの、4人でできる構成の幅広さや可能性を見つけることができました。

──確かにライブやダンス映像を観ていても、4人という人数だからこそのフォーメーションやダイナミックさをこの曲では一層強く感じます。

佐野 僕たちのことを知らない方がパッとパフォーマンスを見たときに、奇数でセンターがいる構成のほうが見栄えがきれいだと感じるのかなと思う部分も結成当初はあったんですが、「Ready Set Go」のタイミングで「そこにまったく劣らないパフォーマンスが4人でできるじゃん!」という手応えを感じました。むしろセンターがいないことが面白い。みんながセンターみたいな感じなので、センターに来る人によって空気感が変わるんです。例えば菱形のフォーメーションで、センターに本田くんが立つときと秀太が立つときでは雰囲気がまったく違う。

本田 4人という構成において、「Ready Set Go」は僕らが大きくステップアップできた曲だったと思います。1人ひとりが担う動きが多いからこそ、こうやっていろんな曲をやることによって個人個人の技量の器が大きくなっていってるのは感じます。

06
Slam Dog

──「Slam Dog」はヒップホップ色の強い曲ですね。歌詞も挑発的な感じがあって。OWVを“犬”に見立てているという認識でいいんですよね?

浦野 はい。荒れてるスラムの地でもOWVは強く生き残っていくぞという意思が込められています。

中川勝就

中川 「信じたものをブレずにがんばって追求していこう」という思いがこもってるよね。僕たちはシングルを出すごとに1曲ずつ、今までやってなかったことや「ちょっとこれ難しそうやな」という、チャレンジの曲を入れていただいています。グループとして成長したい思いがあるし、OWVの新しい一面をQWVの皆さんに届けたいという思いもあって。今回そのチャレンジ曲が「Slam Dog」だと僕は思ってます。意外とこういうガッツリとしたラップ曲って、今までやってきてなくて。例えばいつもメインボーカルをやっている秀太が、この曲ではラップを担当してるんです。ラップでどういうふうにリリックを表現するか、何を伝えたいか、4人とも声色をめちゃくちゃ研究してレコーディングに挑みました。

浦野 勝くんも今言ってくれた通り、僕は今までメロディアスなボーカルラインを歌うことが多かったので、「Slam Dog」は新しい挑戦でした。レコーディング中はラップが上手な勝くんにアドバイスをもらって、みんなに劣らないようにがんばりましたね。

──浦野さんのラップ、すごくカッコよかったですよ。

浦野 聴きました!?

中川 聴いてなかったらこの取材できないでしょ(笑)。

浦野 いざ人に聴かれると恥ずかしい(笑)。

──(笑)。Dメロの最後に一瞬音がなくなって、本田さんが「まだ足りないぜGotta take all」と言うところもゾクッとしました。

浦野 本田くんの低音が生かされてる曲ですよね。めっちゃカッコいい。

本田 みんなで試行錯誤しながら声の出し方やラップのフロウを考える時間はすごく楽しかったです。練習する時間も楽しかった。みんなで作り上げて、OWVはこういう曲もやれるんだと知ることができましたね。

07
Roar

──3rdシングル曲「Roar」は先ほどターニングポイントになった曲だとおっしゃっていました。

浦野 この曲を選ばせていただいたときのことは鮮明に覚えてますよ。

中川 決まるの早かったよな?

浦野 うん。「これだ!」って。

佐野 デモを聴いてファーストインプレッションでどれがいいと思うかは、いつもみんなそれぞれで。そこから話し合って、最終的にベクトルを合わせていき、リリースしてきたんです。でも「Roar」に関しては、初めて聴いた段階で4人満場一致でこの曲を指したんですよ。

本田 いつ聴いてもカッコいい!

浦野 本当にカッコいい。

中川 聴くとめっちゃスイッチ入るよね。

──「野生感」と「貴公子」を組み合わせた“野公子”のビジュアルを含めてものすごくインパクトがあって。トラック、歌詞のメッセージ、パフォーマンス、どれを取ってもこの曲でOWVの軸になるような色が1つ確立されたような印象を受けました。

本田 初めてOWVを聴く人に何を聴いてほしいかといったら、僕は「Roar」をおすすめします。そのくらいOWVの色が濃い曲ですね。今のOWVの音楽のテイストも、「Roar」からきているところが大きいです。

佐野 アルバムの4番バッターですね!