音楽ナタリー Power Push - うたパス Presents「オトガタリ」

Vol.3 太田基裕

ジョージ・ウィリアムズ

さまざまな分野で活躍する著名人に、自身の思い出深い音楽体験を語ってもらう連載企画「オトガタリ」。3回目はゲストに俳優の太田基裕を迎え、ラジオDJでありタレントのジョージ・ウィリアムズが話を聞いた。

太田は「テニスの王子様」「弱虫ペダル」「幕末Rock」といったマンガやアニメ、ゲームなどの原作を演劇作品化した2.5次元ミュージカル・舞台を中心に活動し、注目を集めている。中学生の頃に「ロックのカッコよさ」に気付いたという彼は、学生時代に自分に衝撃を与え、そして夢を与えてくれたという音楽について話してくれた。

取材 / ジョージ・ウィリアムズ 文 / 石橋果奈 撮影 / 豊島望

自分に夢を与えてくれた音楽みたいな そんな存在になりたいと思った ──太田基裕

「ギリギリchop」のギターリフにしびれた

ジョージ・ウィリアムズ 太田さんは何がきっかけで音楽が好きになったんですか?

太田基裕 最初は別に自分から進んで音楽を聴くっていう感じではなかったんですけど、中学校に入学したときにバンドや楽器を始める人が周りに多くて。友達もギターをやっていたんですけど、バスの中で「ちょっとこれ聴いてみなよ!」ってB'zの金盤(ベストアルバム「B'z The Best "Pleasure"」)と銀盤(ベストアルバム「B'z The Best "Treasure"」)を聴かされたのが、音楽を好きになるきっかけですね。それで聴いたら、瞬間的に「超カッコいい!」ってしびれました。それまでは別に「音楽を聴こう」と思って聴いたことはなかったし、そのきっかけがなかったらたぶん聴き始めなかったと思いますね。今は舞台で歌う機会がけっこうあるんですけど、B'zの楽曲に出会わなかったら、もしかしたら仕事にするほど音楽に興味が湧いていなかったかもしれません。

ジョージ B'zに衝撃を受けたんですね!

太田基裕

太田 そうなんです。B'zに出会ってからいろいろなアーティストの楽曲を聴き漁るようになって。BOØWYも大好きになりましたし、Aerosmithみたいなアメリカンロックもガンガン聴くようになって。ロックのカッコよさに気付いてからは、自分でもやってみたくなって通販でギターを買ったりしました。

ジョージ ギターを買ってから弾いた最初のフレーズって覚えていますか?

太田 最初ではないんですけど、B'zの「ギリギリchop」っていう曲のギターのリフがめちゃくちゃカッコいいんですよ! それを弾けるようになりたくて、まずは簡単な曲からいろいろ練習していきました。最初に弾けたときはもう興奮しましたね! 舞い上がりました!(笑)

ジョージ 太田さんは左利きなんですよね。ギターも左で?

太田 いや、ギターは右なんです。左利き用のギターは右利き用より高いので、買えなかったんですよ(笑)。だからもう右で練習するしかない!みたいな。

ジョージ わあ、大変なものがさらに大変だったんですね!

太田 でもゼロからのスタートだから、まあ別に右も左も関係ないんじゃない?みたいな感じでひたすら弾いてました(笑)。

夜中2時に手に入れたLUNA SEAのチケット

ジョージ 音楽が好きになってからは、どのように新しいアーティストや曲と出会っていったんですか?

太田 学生時代は暇だったので、CD屋さんに行って試聴しまくる!みたいな感じでしたね。その頃はMDとかの時代でしたし、サブスクリプションサービスだったりとか、ネットで音楽を聴くっていう文化もそこまで普及していなかったので。「このアーティストが今人気らしい!」ってだけでジャケ買いしてみたりだとか。

左から太田基裕、ジョージ・ウィリアムズ。

ジョージ レコード店入ったりすると、何時間でもずーっといられるよね。

太田 楽しいですよね。

ジョージ で、ずーっと試聴機を独占してる人もいるんだよね!

太田 いますね(笑)。「もう、聴きたいんだから早くどいてよ!」みたいな(笑)。でもやっぱり最近自分自身もCD屋さんで試聴することが少なくなってきて、ふとしたときに「ちょっとさみしいな」って思いますね。今はインターネットですぐに試聴できちゃうし。

ジョージ 不思議だよね。今のほうが昔よりも試聴しやすくなったのに、昔のほうが試聴してた感じがしますよね。ライブも学生時代から行き始めたんですか?

太田 そうですね。やっぱり生で音楽を体感するっていうのが大好きなので、学生時代はたくさんライブに行ってました。フェスだとサマソニ(「SUMMER SONIC」)とか、「THE ROCK ODYSSEY」とか。そこでレニー・クラヴィッツやRed Hot Chili Peppersを観てめちゃくちゃ興奮した思い出がありますね。あとは代々木体育館(東京・国立代々木競技場第一体育館)でやったOasisの来日公演にも行きました。

ジョージ いいねー! どうでした?

太田 それがけっこうステージに出て来なくて(笑)。でもそういうのもひとつのOasisの楽しみ方じゃないですか。あと「喧嘩すんでしょ?」みたいな。始まったと思ったら1時間ちょっとで去っちゃうし(笑)。実はOasisの「Whatever」はこの業界に入るときにオーディションで弾き語りした曲なんです。

ジョージ すごく思い入れのある曲なんですね。太田さんのブログを見させてもらったんですけど、最近では大みそかにLUNA SEAのJさんのライブに行ってましたよね?

左から太田基裕、ジョージ・ウィリアムズ。

太田 そうなんです。Jさんのライブで年越しができて最高でしたね。僕、もともとLUNA SEAがすごい好きで、“終幕ライブ”(2000年に東京・東京ドームで行われたライブ「LUNA SEA THE FINAL ACT TOKYO DOME」)にも行ってるんですよ。当時そのチケットがどうしても取りたくて、でもすごい人気だったので「なかなか取れないよなあ」って頭を抱えてたらラジオで夜中の2時ぐらいにチケットの先行受付があるっていうのを知って。

ジョージ 夜中の2時に!?

太田 そうなんです。その頃実家の寝室にしか電話がなかったので、親が寝てるときにカタカタ! カチャ!って何十回も電話をかけまくるっていう(笑)。

ジョージ いいじゃーん!(笑)

太田 親に「あんたいつまでやってんの!?」って怒られながら。でも最終的につながってチケット取れたんですよ! 「諦めなければいいことあるんだな!」ってすごくうれしかったのを覚えてます。

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太田が舞台の稽古期間や本番前に、気持ちを高めるために聴く音楽を集めたチャンネル。

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太田基裕

東京都出身の俳優。1987年1月19日生まれ。2009年、初舞台となるミュージカル「テニスの王子様」に伊武深司役で出演し話題を集める。以後代表作に舞台「弱虫ペダル」今泉俊輔役、超歌劇(ウルトラミュージカル)「幕末Rock」高杉晋作役など。2015年の1年間の公演数は約150公演にのぼる。同年には五条颯真役を演じた映画「メサイア-深紅ノ章-」が公開された。2016年2月に舞台「ホテル・カルフォリニア~HOTEL CALFORINIA~」、3月に舞台「『弱虫ペダル』~総北新世代、始動~」に出演。さらに6月上演のバンド・The Four Seasonsを題材としたミュージカル「ジャージー・ボーイズ」ではボブ・クルー役を務める。

ジョージ・ウィリアムズ
ジョージ・ウィリアムズ

1970年生まれ。日本とイギリスのハーフ。ラジオDJ、VJ、タレント、ナレーターとして幅広い分野で活躍。InterFM「Ready Steady George!!」やTOKYO FM「COUNTDOWN JAPAN」など多くのレギュラー番組を抱える。