「音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2018」 PR

「音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2018」特集|クレイ勇輝が語る14年続く夏の風物詩「OTODAMA」の魅力

神奈川県・三浦海岸に期間限定でオープンする海の家ライブハウス「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」。2度目の三浦海岸での開催となる今年は6月30日から9月30日まで、OTODAMA史上最長の93日間にわたり、さまざまな出演者によるライブが繰り広げられる。

最終的に400組にものぼる出演アーティストが続々と発表される中、音楽ナタリーでは2005年にOTODAMAをスタートさせた発起人であり、全出演者のブッキングを担当しているクレイ勇輝(ex. キマグレン)にインタビューを実施。これまでの歴史の中で生まれた数々の“伝説的アクト”のことから今年の見どころまで、OTODAMAでしか味わえない多彩な魅力について語ってもらった。

取材・文 / もりひでゆき インタビューカット撮影 / 須田卓馬

「OTODAMA」で新たにカルチャーを

──今年で14回目を迎える「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」。開催まで1カ月を切りましたが、今のお気持ちはいかがですか?

クレイ勇輝

出演依頼をしまくるブッキングマシンと化していた大変な時期がようやく落ち着いたので(笑)、今は開催が純粋に楽しみ。とは言え、なんでもそうですけど続けていくことの難しさは毎回実感しているので、実際にイベントが始まるまでいろいろと考えながら過ごしている感じです。変えちゃいけないもの、変えていかなきゃいけないものの精査が課題だよなって。

──変化という意味では、昨年から会場が由比ヶ浜海岸から三浦海岸に移りました。

三浦海岸は駅から歩いて5分なんですよ。しかも最寄りの三浦海岸駅までは品川から電車1本で行けちゃうので、みんなが持っているイメージよりは近いというのが選んだ理由の1つ。あとはOTODAMAとして新たなカルチャーを、新たな場所で作りたい気持ちもあった。

──それはどういうことですか?

一昨年まで開催していた由比ガ浜海岸は知名度もあるし、鎌倉市を含めたブランディングもしっかりしているというよさがあったんです。でも、すでにできあがっている土地でイベントを開催するっていうのは、超有名なデパートにテナントとして入るようなものなんです。だったら違う場所に移って、そこで新たにカルチャーを作っていくことがOTODAMAには必要だなと思ったんですよね。

──今年は海岸で新たな試みもされるそうですね。

今年は海岸にライブハウスを含めたビレッジ、要は村みたいなものを作って、フードショップやビーチスポーツを楽しむエリアなど、 いろいろなコンテンツを盛り込んでいこうと思ってるんです。そのビレッジ全体がエンタテインメントスペースとなって、新しいカルチャーを作っていけたらいいかなと。それは敷地がふんだんにある三浦海岸に移ったからこそできる挑戦でもあるし、来年迎える15周年に向けた準備の1つでもありますね。そういう意味でも今年は大事な1年になるのかなって。

2000組くらいに声をかけてる

──先ほどクレイさんがお話していた「OTODAMAとして変えてはいけない部分」はどういうところですか?

自分が観たいもの、お客さんが観たいものをしっかり作っていくこと。そして、アーティストのやりたいことがちゃんと叶うステージにすること、ですかね。OTODAMAは1000人キャパの会場にしては、ステージとお客さんの距離感が近いんですよ。で、環境的には海岸にあるっていうのが一番デカい。そういう強みを生かしながら、OTODAMAならではのものを作っていくことはやっぱり大事だと思っています。期間が長いイベントなので、願わくばお客さんにはシーズン中に何度も足を運んでもらいたいなと思っているので。

──OTODAMAは毎年、面白い対バンをたくさん実現させている印象があります。通常では考えられない組み合わせのアーティストが1日のステージでたっぷり観られたりもしますし。そこが大きな独自性のような気がするんですよね。

昨年行われた「OTODAMA SEA STUDIO 2017」の様子。

そうですね。環境的な面白さがあるとは言え、あくまでも1000人キャパの会場でしかないからそこにメリットを見出してくれるアーティストって案外少ないんですよ。だからブッキング面で何かしらの付加価値をつけることはやっぱり重要で。アーティストサイドから、「誰々と一緒にやれるなら」ってリクエストをされることもあるし、もっと言うと「クレイさんが出るんだったら」みたいなことを言われることもありますね。

──で、その付加価値はそのままお客さんに対してのアピールにもなるわけですよね。

うん。だって普通に観られるような対バンだったら、わざわざ海まで行かないで都内のライブハウスでいいやって話になる。そうならないためには、僕がブッキングマシンになるしかないっていうね(笑)。今年で言うとトータルで400組くらい出るんですけど、そこに至るまでには2000組くらいに声をかけてますから。ライブに足を運んでみたり、事務所やレコード会社にオススメの新人を紹介してもらったり、YouTubeでいろんなアーティストの動画を観たり、それこそナタリーを毎日細かくチェックしたりしながら、気になった人にどんどん声をかけていく。で、出演が決まったらそれを日程の中にパズルのように当てはめることで、OTODAMAってイベントがなんとか毎年開催できているんです。

──そうやって組まれたライブが、今年は93日間に渡って開催されます。OTODAMA史上、最長期間ですよね。

そう。間に5日休みがあるから、期間で言えば6月30日から9月30日までの93日間。最長ですね。“世界一期間の長いフェス”みたいな感じで何度かギネスに申請してるんですけど、共通定義がないから認定しにくいらしくて(笑)。要は比べる対象がないってことなので、これもある意味OTODAMAがちゃんとほかにはないイベントになっているからかなって気はします。

サプライズを生む空気感

──出演者のブッキングを自ら行うことで、音楽シーンに対して何か感じることってありますか?

シーンの中でのトレンドが毎年変わっていくのを肌で感じられていると思います。最近で言うとアイドルがジャパニーズカルチャーの1つとしてもちゃんと根付いきてる実感はあるし、バンドで言えば踊れるロックが大きな軸になっているところもある。あと今年感じたのは再結成や復活を遂げるアーティストが多いかな。先日、ELLEGARDENが10年ぶりに復活するニュースが流れていましたけど、OTODAMAでもね、SURFACEが再始動して8月25日に出てくれたりもするし。それと同時に活動休止や解散するアーティストも多い。Aqua Timezや、キマグレンと同期のジェロとかね。そういう音楽業界の流れをOTODAMAを通して感じられるのは面白いかな。

──大きくブレイクしていくアーティストもいるでしょうしね。

そうそう。今や大きな会場も埋められるback numberやindigo la Endがブレイク前にOTODAMAに出てくれたこともありましたから。

──音楽シーンの流れを汲みながら14年間続いてきたOTODAMA。その中で記憶に残る伝説的なアクトってあります?

クレイ勇輝

なんだろうなあ。OTODAMAでしか見られないという意味では、突発的なコラボがありますよね。たまたま遊びに来てたアーティストがステージに飛び入りすることもあるんです。いつだったかスキマスイッチと大塚愛さんが対バンしたときに、みんなでRIP SLYMEの「楽園ベイベー」をセッションしたんですよ。そうしたら会場にいたSUさんが乱入して。あとスターダストレビューの(根本)要さんとギタリストの佐橋(佳幸)さんが一緒にライブをやったときに、佐橋さんの奥さんである松たか子さんが飛び込みで1曲歌ったこともありました。

──レアなコラボが実現するのは、開放的な環境だからこそでしょうね。

だと思います。OTODAMAにしかない空気感がさまざまなサプライズを生んでしまうっていう。Skoop(On Somebody)のライブを観ていた僕とさかいゆうくんがステージに上げられて、「8小節あげるから自由にどうぞ」って言われたこともあったなあ。「えー! リハもなしで!?」みたいな(笑)。

──最高ですね(笑)。

キマグレンの2人と小田和正(写真右)。

小田和正さんのライブ中、隣町の花火大会の音が聞こえてきて。小田さんが演奏を止めて「バスドラ鳴らしてるの誰だ? あ、花火か」って言ったんですよ(笑)。それでみんなでしばらく花火を眺めたりしたこともありましたね。台風が近づいてるとき、ライブ中に会場の中まで波がザバーンって入ってきたこともあったし、なかなかほかでは味わえない経験ができるのもOTODAMAならではかも。あと、そうだ。伝説と言う意味ではBoyz Ⅱ Menが出てくれたのは一番デカかったんじゃないですかね。彼らを1000人キャパの会場で観られるなんてなかなかないことですから。

──それってどうブッキングしたんですか?

キマグレンのライブでマカオに行ったとき、現地のカジノで本人たちと知り合ったんですよ。「僕、日本の浜辺でライブハウスやってるんですけど、出ないっすか?」って言ったら、「じゃ8月に」みたいな感じで。「本当に来るのかなあ?」って思ってたんですけど、呼びかけてみたらちゃんと来てくれましたね(笑)。清水翔太くんとAIちゃんとの対バンでやったんですけど、あの日は本当にすごかったです。

音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2018
2018年6月30日(土)~9月30日(日)
神奈川県 音霊 OTODAMA SEA STUDIO
  • 今年も夏はじめました!
    - OTODAMA SEA STUDIO 2018 初日-
    2018年6月30日(土) OPEN 13:30 / START 14:00 出演者 哀川翔 / クレイ勇輝 / DJ To-i(from DISH//) / DJ Hello Kitty / みやかわくん / Leola / チョコレートプラネット / マヂカルラブリー
    オープニングアクト:MINAMI
  • やっと夏が来た!
    - OTODAMA SEA STUDIO 2018 2日目-
    2018年7月1日(日) OPEN 14:00 / START 15:00 出演者 Amaryllis Bomb / カイワレハンマー / クレイ勇輝 / THE BEAT GARDEN / FlowBack / PrizmaX / おばたのお兄さん / ネルソンズ
クレイ勇輝(クレイユウキ)
クレイ勇輝
2005年に幼馴染のISEKIを誘い、神奈川・逗子海岸にライブハウス「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」を設立。設立と同時に2人でキマグレンを結成し、夏季限定のライブハウス運営と並行してアーティスト活動を始める。キマグレンとして2008年2月にシングル「あえないウタ」でメジャーデビューを果たした。2008年12月にはキマグレンとして「NHK紅白歌合戦」に出場した。2015年7月に行われたライブイベント「キマグレン FINAL CONCERT 2015 ~LAST SUMMER DAYS~」をもってキマグレンを解散させ、現在はソロでアーティスト活動を行いながら「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」の運営を続けている。2017年7月には「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」の会場限定CDとして、ソロ名義の音源「SO LIFE GOES ON」をリリースした。