大城美友|“世界一素直”なシンガーソングライター、沖縄から大海原へと漕ぎ出す

沖縄出身の女性シンガーソングライター・大城美友が、メジャーデビューミニアルバム「MI-POSITION」をリリースした。

2014年に開催された世界的オーディション番組の日本大会「X-FACTOR OKINAWA JAPAN」にて、約2000組ものエントリーの中からトップ6に入ったことで注目を集めることとなった大城。幾度かの挫折を味わいながらも「歌手になりたい」という思いをあきらめなかった結果、昔から敬愛していたという清水翔太や加藤ミリヤが所属する音楽事務所・YARDに見いだされ、今回念願のメジャーデビューを果たすこととなった。

ミニアルバム「MI-POSITION」には、素直な思いをナチュラルに吐き出したバラエティに富む全7曲を収録。この作品で大海原へと漕ぎ出した大城美友は今何を思い、未来にどんなビジョンを描いているのか? 本人にじっくりと話を聞いた。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 星野耕作

きっかけはサンタさんがくれたキーボード

──大城さんはこれまでどんなふうに音楽と触れ合ってきたのでしょうか?

父と母が音楽好きだったので、幼い頃からずっと音楽を聴く環境ではありましたね。おじいちゃんの弾く三味線もよく聴いていたし。で、ある年のクリスマスに、サンタさんにキーボードをプレゼントしてほしいとお願いして。それをポロポロ弾くようになったっていう。

──音楽のレッスンを受けたりもしていたんですか?

いや、習ってはいないです。独学。キーボードの音が好きだったし、触るのが楽しかったんですよ。そうしたらいつの間にかコードも押さえられるようになって。で、「♪ラララー」って歌ってたらなんとなく曲っぽくなったから、そこに歌詞を乗せたらポンと曲が作れたんです。「君がいない夜」みたいなありふれたポップスっぽい曲が(笑)。それが16歳のときでした。

大城美友 大城美友

──その時点でもう歌手になる気持ちは固まっていた?

小学生くらいからカラオケに行くようになったんですけど、そこでお母さんに「歌えるね。ちゃんと音程取れてるね」って言われたんです。さらに友達にも「美友、歌うまいね」って言われたりもしていたので、なんとなくそういう気持ちにはなっていて。で、16歳の頃に曲が作れるようになったことで本格的に「歌手になろうやないか!」と思いました。

──物心がついてから自分の意志で聴いていたのはどんな音楽でしたか?

清水翔太さんとか加藤ミリヤさん、絢香さんのような声がいい方々の曲を好んで聴いてましたね。気付いたら声に惹かれていることが多かったです。基本は邦楽だったけど、たまたま耳にして好きになった洋楽を聴いたりもしてましたよ。アリアナ・グランデとか大好きですし。で、20歳くらいの頃にロックと出会うんですよ。初めてONE OK ROCKを聴いたときに「ヤベーな!」と思って、自分の作る楽曲もロックな方向に持っていくようになったところもあったんですよね。「大城美友の声はロック向きかも」って感じたので。

大城美友

──そういったルーツをしっかり感じさせつつも、大城さんの楽曲にはジャンルレスな魅力もあると思います。ソングライティングの幅が広いと言うか。

あー、そうですね。今作ってるのは「中島みゆきです!」みたいな雰囲気の曲だったりもしますからね(笑)。曲ごとに色は全然違ったりはします。

過去は引きずらない(ただし恋愛は除く)

──いろんな音楽を分け隔てなく聴けて、それを自分の音楽性にもフィードバックできる感性はある種、沖縄のチャンプルー文化のようですよね。ご自身が生まれた土地からの影響を感じるところもあります?

どうですかねー。サウンドとかに関しては沖縄の要素をあんまり入れないようにはしてるんですよ、意識的に。でも、歌詞には少し影響はあるのかも。いきなり戦争の歌詞を書いたりしちゃうんですよ。「戦場に咲いた花」っていう仮タイトルの曲があったりもしますし。そこは沖縄に生まれ育ったことが影響してるのかなって気はしますね。

──では、現段階で感じている“大城美友らしさ”とは?

素直! 「世界一素直」って自分では言ってるんですけど、ほんとに素直なんですよね、私。だから恋愛ではすぐだまされちゃってどうしよう、みたいな(笑)。人を見る目がないなって反省もするんですけど。

──楽曲には自分から出てきた感情を素直に、ストレートに注ぎ込んでいるわけですね。変に飾ったりせず。

はい! その通りです! 日々、生きているといろんなことを体が自然と吸収するものじゃないですか。だからそれを自然に曲として放出している感じで。ただ、私は常に“Now”な人なので、振り返ったりする歌詞はかなり苦戦するんですよね。今回の曲で言うと、「オレバタ(オレンジバタフライ)」なんかは時間がかかりました。過去には忘れたいイヤな思い出もあるので、そこを改めて思い出すのが大変で。

──過去を引きずってウジウジするタイプじゃないんでしょうね、性格的に。

うん。恋愛以外に関しては。

──あははは(笑)。本作には「声が枯れるまで」という終わった恋への未練を歌った曲も入ってますしね。

そうなんです。恋愛は引きずるなー。すーぐ昔のこと思い出しちゃって「もうムリ!」みたいな。「声が枯れるまで」を歌うと当時の自分に戻っちゃうから体力を持っていかれて大変なんです(笑)。

大城美友

──恋愛に関しては置いておくとしても、大城さんの楽曲は基本的にすごくポジティブだと思うんです。しかも、過去に味わったさまざまなネガティブな感情を乗り越えたことで生まれたポジティブさがあるような気がしました。

あ、それはほんとに正解です。私自身、学校にあまり行っていなかった時期もあったし、音楽に関しては本当にいろいろなことがあったんですよ。でも、そこをちゃんと乗り越えたからこそ今、こうやって歌えているわけで。だからね、例えば家からなかなか出られない子とか、いろんな悩みを持っている子たちを1人ひとり抱きしめるつもりで歌ってるところがあるんですよね。

──生きる中でつらい思いをしている子たちを、自らの音楽で救いたいと。

うん。美友もいろんなことを乗り越えたからね。みんなも絶対乗り越えられるぞっていう。そういう気持ちを常に持って音楽をやっていますね。

大城美友「MI-POSITION」
2018年10月10日発売 / 日本クラウン
大城美友「MI-POSITION」

[CD]
2000円 / CRCP-40562

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収録曲
  1. MI-POSITION
  2. オレンジバタフライ
  3. 一帆風順
  4. 声が枯れるまで
  5. 飛べ!ヘイ!
  6. ニャン・ドン・ゴン
  7. この空
イベント情報
大城美友「MI-POSITION」
リリースパーティー
  • 2018年11月2日(金) 東京都 clubasia
    出演者 大城美友 / MAY'S / SHUN / Mii / and more
大城美友「MI-POSITION」
発売記念ミニライブ&特典会

内容:ミニライブ&特典会(握手&サイン&ツーショット撮影)

  • 2018年10月10日(水) 東京都 タワーレコード池袋店 6FイベントスペースSTART 19:30
  • 2018年10月13日(土) 沖縄県 タワーレコード那覇リウボウ店 店内イベントスペースSTART 12:30
  • 2018年10月14日(日) 沖縄県 サンエー那覇メインプレイス 2階オープンモールテラスSTART 17:30
  • 2018年10月27日(土) 大阪府 あべのHoop 1F オープンエアプラザ第1部START 13:00 / 第2部START 15:00
    ゲスト:Mii
  • 2018年10月28日(日) 愛知県 イオンモール大高 3F タワーレコード前イベントスペースSTART 13:30
    ゲスト:Mii
大城美友(オオシロミユ)
大城美友
沖縄出身のシンガーソングライター。2014年に沖縄で行われた世界的なオーディション番組の日本大会「X FACTOR OKINAWA JAPAN」で、エントリー総数約2000組の中からトップ6まで勝ち残った。2015年12月にはSPICY CHOCOLATEのアルバム「渋谷純愛物語2」の収録曲「I LOVE YOU feat. RUEED & 大城美友」に参加。2018年10月にミニアルバム「MI-POSITION」(10月10日発売)で日本クラウンよりメジャーデビューした。