GEN(04 Limited Sazabys)山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)田邊駿一(BLUE ENCOUNT)|終わりではなく始まりになった「ONAKAMA2021」

5年の間にパワーアップしたこと

──音源では演奏力の高さが大切になってくるかと思いますが、ライブではそれに加えて人間力が肝になると思っていて。パフォーマンスの表現力やMCで発する言葉を聞いて、3組ともそれが以前より高まっているなと感じたのですが、前回の「ONAKAMA」から約5年経って、精神的に成熟したという感覚はありますか?

GEN 自覚はないですけど、さすがにそうなっていてくれよと思いますね。さっきも2人のMCについて話しましたけど、今回は本当に言葉選びが難しかったと思うんですよ。言いようによって、捉え方によっては議論を呼ぶだろうなと。でも2人のMCを安心して見られるようになったというのがそういうことなのかなと思います。ちゃんとエンタテインメントとして成立しているし、自分の考えを上手に伝えているなと。そこは5年の間にパワーアップしたんじゃないですかね。

山中 俺、めっちゃ覚えてることがあって。「列伝」ツアーのファイナル(2015年3月に東京・赤坂BLITZで行われたライブツアー「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2015 supported by uP!!!」の最終公演)のときに、GENちゃんと「MCでちょけて笑かしたり盛り上げたりすることはできるけど、真面目なことは言いづらい。真面目なことを伝えるのは難しい」という話をしたんです。今回の「ONAKAMA」でGENちゃんのMCを聞いて「『列伝』のときに話してたことを意識してこの5年間やってきてたんやろな」とすごく感動して。感慨深くなりましたね。

田邊 個人的には3人ともまだまだがむしゃらな部分というか大人になりきれてない部分もあると思うんですけど、やっぱりいくらか大人にはなったと思います。2016年に「ONAKAMA」をやったときは3バンドとも地固めの時期で、「ちゃんと生き残るぜ俺ら!」みたいな感覚でバンドやってたと思うんですよね。そういう姿を表には見せてなかったかもしれないけど、心の中で腹くくって覚悟を持って活動していたというか。今年出られたフェスに来年出られなくならないようにがんばったり、今年はこのステージだったから来年はあそこのステージに立つんだと目標を立てたり。そうやって生き残る術を培ってきた3バンドなんだろうなと。たぶんフォーリミもオーラルもこれまでの経験を踏まえてMCやセットリストを考えているから、「今日はこういう戦い方なのね!」みたいな感じがわかるようになりましたね。そういう意味でも大人になったというか、戦い方が増えたんだろうなと。3組ともこの5年でMCの空気感はできてきたと思います。フォーリミだったらGENちゃんのMCの“ここからもう曲に行きますよゾーン”があったり、ギターの音圧が変わってきたりとか。

GEN バンド内で感覚が一致してるときは、俺がMCで気持ちが入って熱くなってきたときにピタッと演奏もハマるんですけど、うまくハマらないときもあって。けど今回の「ONAKAMA」はメンバー全員同じ緊張感、同じテンションで臨めた気がしますね。5年前のMCはもう別の流派みたいな感じだったかも。対バン相手に噛み付いたり煽ったり、そういうパターンのMC。今回どこもそういうMCにならなかったのは、お客さんや会場の雰囲気の影響かなと思います。

田邊 噛み付くMCというかいわゆる“デンジャーボタン”みたいなものは押さなかったよね。それで面白くなるときもあるんだけど、間違えると本当に変な爆弾みたいになっちゃうから。

左から山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)、GEN(04 Limited Sazabys)、田邊駿一(BLUE ENCOUNT)。

自らセンブリ茶を飲む田邊

──ライブDVD / Blu-rayに収録される企画映像「打ち上げBBQ」の話も聞かせてください。各バンド対抗で食材を賭けて「ONAKAMAクイズ」などで競い合いながらバーベキューを楽しむという企画で、クイズはツアー後に実施されたアンケートの回答をもとに出題されていました。

山中 共通項で言うと、みんなアンケートを雑に書いてたなって。

田邊 クイズを出題されたときに、「そんなこと書きましたっけ?」感が出てたよね(笑)。

山中 よっちゃんくらいだよね、ちゃんとやってたの。

田邊 そうそう。よっちゃんが一番クイズ楽しんでた。なんかバンドの性格が出てたよね。ドラマーが一番真面目にアンケートに答えていた気がする。

GEN ドラマーが一番アンケート戻すの早いし真面目なんだけど……面白くはないんだよね(笑)。

田邊 真面目すぎて笑いがついてこない(笑)。

GEN 俺らは話題の広がりとかを想定して書くじゃん。使われるか使われないかとか。

田邊 そういう変なところに頭を回す大人になっちゃった感ね。

GEN でもそういうとこもプロ感増したなって思った。当日の収録に向けての準備とか。

田邊 ただあの収録の日、実は俺すっげえ二日酔いだったんですよ。バレないように大声を出してごまかすという。

山中 じゃあ最初のセンブリ茶(田邊が「打ち上げBBQ」で飲んだ乾杯ドリンク)は二日酔いに効いた?

田邊 すげえ効いた。

山中 あれ、絶対番組側がブルエンの誰かというか田邊が取るように仕組んでたと思う。

田邊 そうそう。

山中 あと映像観たけど、クイズの下ネタ部分はほぼ全カットされてたね。

GEN あれめっちゃ面白かったのに! あのときだけめっちゃ本気だったし、頭フル回転させたのにな。

田邊 そこでがんばりすぎて後半疲れるというね。

山中 あと最後に食材の合計金額を当てるクイズがあったんですけど、台本に答え書いてあったの知ってた?

田邊 え!?

GEN イージーミスすぎでしょ! そして同時に俺らが台本を見ていないことがバレる!

山中 最初に台本もらったときにバーッと見てたら値段が書いてあることに気付いて。回答するときにあきらと「台本に書いてあったよな? ちょっとだけ外して書いておこう」みたいにひそひそ話をして。

田邊 全然知らなかった。スタッフさんも疲れてたのかな(笑)。

左から山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)、GEN(04 Limited Sazabys)、田邊駿一(BLUE ENCOUNT)。

To be continue

──最後に今後の「ONAKAMA」について聞かせてください。今回で「ONAKAMA」は終わりにしようかという意見も出ていたそうですが、福岡公演では田邊さんが「また全員でツアーをやりたい」とおっしゃっていました。

田邊 2人がどう思っているかはわからないですけど、3カ所でライブを観て、ライブをやって、俺の中でこのツアーは「ONAKAMA」のエピローグではなくプロローグになったと思います。世の中が元通りになって、フルキャパでできるようになったときに何をするのか、という展望はありますね。そのときに3バンドでやったら今度はどんな景色が見えるのか気になるし、まだまだこの3バンドでいろんな景色を見たいなと思いましたね。最終日のMCは……これはもう大トリの特権と言うか、MCで言ったもんがちだなと(笑)。

山中 GENちゃんと2人で裏で「ずるー!」って言ってた(笑)。

GEN 「うわ言ったー」ってね(笑)。

田邊 それはもうキョードー西日本さんからも言われた(笑)。俺としては最後の最後で啖呵を切るというか、「To be continue」な感じで終われたらという思いがあって。ただまあ、ここからまた3バンドそれぞれの長い道のりの先だとは思いますね。

GEN たぶんまたやると思うんですけど、そのときはブルエンがハルカミライに変わってるかも。

山中 ハルカミライ、ライブ観たけどめちゃくちゃよかったわ……。

GEN もしくはSUPER BEAVERに相談するかも。

田邊 せめてパネルだけ置いといて? ね?

GEN 舞台挨拶で使ったパネルね(笑)。

山中 余計虚しい(笑)。しかも田邊がツアーやろうっていったのにアイツいねえのかよっていう。

田邊 なんなんこれ(笑)。締まらんわ!

GEN 今回は来たくても来られなかった人がたくさんいる状況の中で開催したので、いつも通りやれる状況になったらまたやりたいという気持ちは俺もありますね。ツアー中にもやっぱりまたやらなきゃいけないなと思ったし。あとはハルカミライいいバンドだなって。

田邊 最後おかしいな? このハルカミライのやりとり、1年くらいやってる気がする。

GEN 最初にハルカミライって言い出したのお前だからね!(笑)

田邊 (ハルカミライの橋本)学がいいヤツだからね。

山中 俺もまたやりたいですけど、「ONAKAMA」というタイトルを変えたいです(笑)。あと大々的な告知なしでフッと開催したいですね。急に地方のライブハウスでやるとか。

GEN いいね。沖縄とかね。遊ぶ気満々やけど(笑)。

全員 ははは(笑)。


2021年7月16日更新