“毛色の違う6人が折り合う”というイメージはブレていない
──メンバーが決まってからの、デビューに向けての準備はどのように進んでいったのでしょうか?
マネジメントがVOYZ ENTERTAINMENTなんですが、そこでダンス、ボイストレーニング、ラップとカリキュラムを組んで毎日トレーニングしています。これはスキルを上げる、クオリティを担保するためのもので、あとは曲作りを進めるにあたって、メンバーの“表の人格”と“裏の人格”……願望と現実みたいなところにつながるものだと思うんですけど、その両方をしっかりと把握することに時間を費やしていました。本人たちと会って話したり、日記を書いてもらったり、いろんな手法を取りましたね。
──現状ODDLOREの皆さんと、宮本さんが最初に想定されていたキャラクターとの“融合具合”はいかがでしょう?
あまり設定に寄り切ってはなさそうだな(笑)。あくまでも初期設定は指針程度で、本人たちのリアルな部分がちゃんと出ていると思います。でも、なんとなくでも枠組みありきでメンバーを採用しているので、当初目論んでいた、内面的にも外見的にも“まったく毛色の違う6人が折り合う”イメージ自体はブレていないです。ただ、これからどうなっていくのかは全然わからないですね。この活動を通してそれぞれが自分のコンプレックスに立ち向かっていくのか、途中で挫折するのか、最終的には本人たち次第です。
──デビューが発表されて以降、SNSを通じて徐々に明らかになっていったメンバーのビジュアルやデビュー曲のティザーがまだまだミステリアスな雰囲気に包まれているのも気になりました。プロフィールなどの情報も少なくて。
プロジェクトの趣旨的に、のっけからすべてを曝す感じでもない気がしたんですよね。少しずつメンバーのキャラクターを理解してもらえたらいいなと。徐々に作品を通して吐露していくので、それぞれのメンバーを段階的に理解してもらって、そこで共感できたら応援してほしい。文脈が存在するぶん、プロジェクトの進行自体は遅いと思います。あえてそうしているというか、この1年はODDLOREのことを知ってもらう期間になればいいと思っています。
6人には特別な何かがある
──2月18日に1stシングル「Hazed Reality」、2月25日に2ndシングル「Lucid Dream」と、デビューから2週連続で曲を出されるのも珍しいケースだと思います。
メンバーと話していて感じ取った“表の人格”と“裏の人格”、その二面性を1曲で表現するのが難しかったんです。デビュー曲2曲は、わかりやすく言えば「現実」と「夢」。「Hazed Reality」は今モヤモヤとしたものを抱えている彼らのリアルな気持ちをそのまま落とし込んだ曲、「Lucid Dream」は「明晰夢」という意味の言葉なんですが、夢の世界であれば何にでもなれるという、彼らが思い描いている理想を詰め込んだ曲になっています。ダウナーな曲と派手な曲、2曲で今の彼らの人格を形成しているという、そんなイメージですね。
──なるほど。
もちろんそれだけでは全員を表現しきれないので、もうちょっと個々にスポットを当てた楽曲が、ゆくゆく出ていくことになるかと思います。
──現時点で宮本さんが感じ取っている、ODDLOREのポテンシャルはどのような感じでしょう?
カメラの前に立ってダンスや歌を録ったり写真を撮影したりと、制作を進める中でひと通りの作業は経験してもらいましたが、まだまだ課題は多いと思います。もともと「どうしてもデビューしたい」という人たちではなかったので、火が点くのも遅いというか……。でも、出会ったときから6人には特別な何かがあることは確信しているので、ここからが戦いだと思います。
──では今後の展開について、言える範囲で大丈夫ですのでお伝えいただければ。
メンバー個々を掘り下げる作業については、しっかりとやりたいと思っています。それぞれ個人にフィーチャーした曲を6曲作ることは決まっていますね。デビュー曲2曲と合わせると8曲できるので、これらを1つの流れの中でどのようにパフォーマンスして表現していくかが課題になってくると思います。あとは、基本的に楽曲や映像作品を通じてグループのことを理解してもらおうと思っていたんですけど、お客様の反応を見ながら、この活動に向き合っている彼らの姿を見せる場所を新たに作ってもいいのかもしれないですね。
──そのあたりは応援してくれる方の反応を見ながら、臨機応変に。
そうですね。なので、計画はカッチリと作ってはいません。何にせよ本人たちと噛み合わないと前に進めないので。
──今大いに盛り上がっているボーイズグループシーンに、ODDLOREにはどのように切り込んでいってほしいですか?
男女問わず共感してくれる人が増えてくれたらいいなと思います。メンバーやスタッフが制作していてカッコいいと思える、リアルでザラついた質感を追求していきたいですね。そういう意味ではコンセプチュアルなスタートを切りましたが、シンプルなマインドで取り組んでいます。
プロフィール
ODDLORE(オッドロア)
特撮やももいろクローバーZといったアーティストが所属するEVIL LINE RECORDSと、音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク –Division Rap Battle-」や超人的シェアハウスストーリー「カリスマ」を開発・運営する株式会社Dazedが立ち上げたボーイズグループプロジェクト。グループのマネジメントは学芸大青春、VOYZ BOYが所属する株式会社VOYZ ENTERTAINMENTが担当している。2月18日に1stシングル「Hazed Reality」、翌週25日に2ndシングル「Lucid Dream」を配信リリースした。