GENERATIONSが初めて誕生会を開いてくれた
──本の帯にコメントを寄せている三代目の今市さん、登坂さんとは所属アーティストの中でもかなり親交が深いんですか?
彼らは私にとって初めてできた事務所の後輩というか。オーディションも1次審査から見ていて、合格して、そこからどんどんスターになっていくさまをずっと間近で見ているんです。もうね、すげえ気持ちいい!って感じでしたよ(笑)。今回の帯も絶対に2人に書いてほしいと思ってお願いしました。
──そうなんですね。ほかのアーティストとの交流はどうですか?
GENERATIONSでいうと、佐野玲於はちょっと親的な見方をしてるというか。初めて会ったときがまだ本当に子供だったので、今も息子扱いな感じが抜けてないかもしれないです(笑)。あとGENERATIONSはこの前、3月の私の誕生日に初めて彼らだけで誕生会を開いてくれたんですよ。しかもみんなで私のことをすごい盛り上げようとしてくれて、昔から見ているだけに、その姿にグッとくるものがありましたね。
──感慨深いものがあったんですね。
すごくありましたね。(片寄)涼太とか「コイツらバカだから、いつも小竹さんの優しさに気付いてなくてすいません!」とか困ったような顔で言ってて。本当に成長したんだなあとしみじみ思いました。
──片寄さんが言いそうなセリフですね(笑)。
でしょ? ちなみに涼太はすごく頭がよくて、こっちが言うどんな難しい言葉もすぐ理解して返してくれるんです。だから会話がポンポン弾むし。あと、私が最後に朝まで酒を飲んだ相手は彼なんですよ。私は年齢的にもう深酒はキツいんですけど(笑)、片寄と飲んだときは話が盛り上がりすぎて「うわっ、朝になっちまった!」って。
──そんなエピソードを聞いて、改めて小竹さんはアーティストたちに好かれてるんだなって思いました。
あはははは(笑)。そうだとうれしいですね。でも私からしても、みんな本当にいい子たちなんですよ。こっちがなんにも言っていないのに、今回の本もみんなSNSで宣伝してくれたり、直接「買いました!」とか「どこどこの本屋で売り切れでした!」って画像付きで報告してきてくれて。玲於とかはもう何冊買ったんだ?ってくらい発売日に写真をアップしてたんですよ。
──「買いすぎましたw」って投稿してましたね(笑)。(参照:佐野 玲於 (@sanoreofficial) | Twitter)
「買い占めたらほかの人が買えないじゃん! そんなに買わなくていい!」っていう(笑)。でもそういうのも素直にうれしかったですね。HIROさんをはじめ、小林直己や岩田剛典や石井杏奈が素敵すぎる感想を長文で送ってくれたのもすごく感動しましたし。
歌詞を書いているときは誰の声も聞こえない
──小竹さんの今の作詞ペースや作詞スタイルについても聞かせてください。今、めちゃめちゃお忙しいですよね?
ありがたいことに、この先のリリースはけっこう決まってますね。今の受注の仕方としては、制作チームのほうで「これ小竹さんっぽいね」ってなったトラックが回ってきたり、あとFlowerの歌詞に関しては今のところ私が世界観を描くと決まっています。作詞のスタイルは、曲をもらったらまず部屋で適当に流して、こういう感じだなってイメージが固まったうえでパソコンに向かいます。ちなみに私は、いまだに作詞の際に音源を聴くときはCD Walkmanで。「ここを聴き直したい!」って思ったときに、昔のカセットテープ感覚でウーッて巻き戻せる感じがないとダメなんですよ。歌詞は早ければ1時間くらいで書けることもありますね。一度入り込むとものすごい集中力で、誰の声も聞こえないって感じです。
──いわゆる生みの苦しみとか、行き詰まることってないんですか?
これがないんですよね。歌詞を書くのは本当に楽しいです。嫌味な感じやつまんない感じに聞こえたらアレなんですけど。
──いやいや。先ほどのアーティストとの関係性を聞いているので納得です。
よかった(笑)。どのグループもプライベートの親交が生かされるっちゃ生かされるんですけど、もっと細かく言うと、三代目はそれプラスもっとも“プロの作詞家目線”で書いてる感じ。Flowerは自分のつらい恋愛や過去を歌詞に絞り出してるところがあって(笑)、GENERATIONSは自分の若かりし日と今の彼らを重ね合わせながら……みたいな。そういう目線の違いはありますね。あと直接メンバーに歌詞のヒントになるエピソードを聞いたりもするんですよ。
──「三代目 J Soul Brothersの『スノードーム』は登坂さんの実体験をもとに書いた」と本にもありましたね。
はい。登坂に高校時代の話を聞いたとき、臣はとにかくオシャレなので、きっとBURBERRYのマフラーとかしてズボンをちょっと腰で履いて……みたいな感じだったんだろうなって。そういう姿が簡単にパッと想像できて、それ浮かんでからはちゃんとプロの作詞家としてスラスラと書いていけましたね。私は口が堅いのが自慢なんですけど、「そこまで言わなくていい!」ってくらい、LDHの所属アーティストたちは自分の体験談を話してくれるので助かります(笑)。
──この先も小竹さんが生み出す歌詞を楽しみにしている人は多いと思います。歌詞でどんなメッセージを伝えていきたいですか?
私の歌詞って、バラードで切ない恋愛……みたいなイメージが強いと思うんですよ。それは間違いなく自分の体験から来ているんですけど、タチの悪いことに昔から片思いが好きだったり、恋が成就した瞬間もう別れのことを考えるような性格で(笑)。もちろん書くのは悲しい歌詞ばかりじゃないですけど、私のいろんな思いが歌詞になって、誰かがその感情に寄り添ってくれたらもうそれで十分。喜怒哀楽って、人が成長していくうえでちゃんと平等に感じていかなきゃバランスの取れた大人にはなれないと思っていて。私の詞を通してでも、それを感じてもらえたらうれしいなって。
──「小竹さんの歌詞で人生が変わりました」といったメッセージを送ってくる人が多いそうですね。
はい、ありがたいことに。そういう言葉をもらうと改めて作詞家としての責任を感じますし、これからも誰かの心を楽しませたり、ときには癒したりラクにもしてあげられる歌詞を書いていけたら本望だと思っています。
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2017年3月29日発売
648円 / 幻冬舎
小竹正人作詞の最新作
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- 2017年4月26日発売 / Sony Music Associated Records
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初回限定盤 [CD+DVD]
1620円 / AICL-3328~9 -
通常盤 [CD]
1080円 / AICL-3330 -
期間生産限定盤 [CD]
500円 / AICL-3331
- 青柳翔「そんなんじゃない」
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宛先
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-9-7
幻冬舎「あの日、あの曲、あの人は」係
- 小竹正人(オダケマサト)
- 新潟県出身の作詞家。EXILE、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE、E-girls、GENERATIONS from EXILE TRIBEといったLDH所属アーティストのほか、中山美穂、小泉今日子、久保田利伸、中島美嘉、藤井フミヤなど多数のアーティストの歌詞を手がけている。2015年に発表された三代目 J Soul Brothersのシングル「Unfair World」は「第57回日本レコード大賞」を受賞した。2013年には「空に住む」、2014年には「三角のオーロラ」と、2冊の小説も出版している。