音楽ナタリー Power Push - 映画「オアシス フジロックフェスティバル’09」公開記念特集

SCANDALが語るロックバンドoasisの魅力

立って歌いたくなる体験型映画

──サウンド面はいかがでした?

TOMOMI 1つひとつの楽器がそれぞれちゃんと分離して聞こえたし、アンサンブルにもなっていて、その場にいるかのようなサウンドでした。タンバリンの音までちゃんと聞こえましたね。

左からRINA(Dr, Vo)、TOMOMI(B, Vo)。

RINA だいぶライブ感あったよね。お客さんが合唱してるのもキレイに拾えてたし、本当に同じ空間でライブを観てる感じでした。

──「Don't Look Back In Anger」の大合唱は圧巻でしたね。

RINA すごいですね、やっぱり。1サビにいく前にノエルがお辞儀したんですよ。ああいうのもうれしいですよね。MCで過剰にサービスしなくても思いが伝わったし、お客さんを置いていかないところが素敵だなって思います。

TOMOMI この映像を観てたらみんな立って歌っちゃうんじゃないかな。私も立って歌いたくなりましたもん(笑)。

──劇場のみんなで歌いながら手を左右に振ったら一体感が生まれて気持ちよさそうですよね。

TOMOMI そうですね。体験型映画だと思います(笑)。

水飲んでるだけでそんなにカッコいい?

──リアムやノエルの表情などがよく見えるのも、この作品を劇場で観賞するだいご味の1つですよね。

RINA その通りだと思います。

左からTOMOMI(B, Vo)、RINA(Dr, Vo)。

TOMOMI リアム、タンバリン2回客席に投げてたね。何個あるんだっていう。

RINA リッチなパフォーマンスだよね。

TOMOMI ピックで精一杯ですよ、SCANDALは(笑)。

──タンバリンを何回も投げるバンドはそうそういないと思います(笑)。

RINA あと、ドラムの後ろからステージを捉えたカットのときに、リアムがドラムのほうを向いて水を飲むシーンが2、3回あったんですけど、「水飲んでるだけでそんなにカッコいい?」って思いました。

TOMOMI しかもストローっていう(笑)。

RINA そう! ちょっとかわいいんだよね(笑)。

目が離せないし、もっと知りたいって思っちゃう

──カメラワークも印象的だなと思いました。ステージ横から捉えた映像で、リアムがちょっと上向きで歌っていて、奥のほうでノエルがギターを弾きながら俯き加減でコーラスを歌うっていう2ショットが何度もあって。がなるように歌うリアムと、きれいな歌声を聴かせるノエルという。

左からRINA(Dr, Vo)、TOMOMI(B, Vo)。

TOMOMI 対象的でしたね。

RINA 落ち着いてしっかり歌を届けるノエルと、エモくなってライブ感ありまくりに歌うリアムと(笑)。

TOMOMI リアムの歌、めっちゃ走ってましたからね。さっき言った「Live Forever」も……。

RINA 「Wonderwall」もね(笑)。それも含めてよかったですね。熱い言葉とか言わないんだけど、歌がどんどん前のめりに走っていって、すごいエモーショナルな気分になってるのがそこでわかるというか。でも楽器隊はどしっと構えていて。

──ちなみにお二人はリアムとノエルだとどっちが好きですか?

RINA リアムですね。

TOMOMI 私もリアムです。

──その理由は?

TOMOMI やっぱり存在がカッコいいというか、存在してるだけで成り立ってしまう感じ。好きですねえ。

「FUJI ROCK FESTIVAL '09」でのoasisのライブの様子。©Masanori Naruse
©Masanori Naruse

RINA 本当にやんちゃな街の不良なんですよね。それが音楽というものに出会って、そのままの自分でステージに立ってるところ。「何を言うんだろう」「どう動くんだろう」って目が離せないし、もっと知りたいって思っちゃう人なんだと思う。生まれ持ったスター性がありますよね。

TOMOMI あと単純に声が好きです。ノエルの声もきれいだけど、リアムのふてぶてしい歌声、好きですね。

──あの声は出そうと思って出せるものじゃないですからね。しかも体をちょっと傾けて、おそらく発声しやすい歌い方じゃないと思うんですが。

TOMOMI そうだと思います。けっして上手に届けようとはしてないですよね。それでああいう佇まいになってると思うんですけど、そこがまたいいんですよね。

「オアシス フジロックフェスティバル’09」

2017年3月4日(土)東京都 新宿ピカデリーほか
配給:ローソンHMVエンタテインメント / カルチャヴィル
※期間限定上映

セットリスト
  1. Fuckin' In The Bushes
  2. Rock 'n' Roll Star
  3. Lyla
  4. The Shock Of The Lightning
  5. Roll With It
  6. Waiting For The Rapture
  7. Cigarettes & Alcohol
  8. The Masterplan
  9. Songbird
  10. Slide Away
  11. Morning Glory
  12. My Big Mouth
  13. Half The World Away
  14. I'm Outta Time
  15. Wonderwall
  16. Supersonic
  17. Live Forever
  18. Don't Look Back In Anger
  19. Champagne Supernova
  20. I Am The Walrus(※The Beatlesカバー)
SCANDAL(スキャンダル)
SCANDAL

2006年8月に大阪のボーカル&ダンススクールで出会ったHARUNA(Vo, G)、MAMI(G, Vo)、TOMOMI(B, Vo)、RINA(Dr, Vo)の4人で結成したガールズバンド。結成直後から大阪城公園でストリートライブを始め、キュートなルックスと力強いバンドサウンドを武器に瞬く間に人気を獲得する。2008年10月、シングル「DOLL」でメジャーデビューを果たし、2009年末に「第51回輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞した。2012年3月に初のベストアルバム「SCANDAL SHOW」を発売。2013年3月にメンバーの念願だった大阪・大阪城ホールにてワンマンライブを開催し、2014年6月に神奈川・横浜アリーナにてガールズバンドとして23年ぶりとなる2DAYSのワンマンライブを成功に収めた。同年12月にニューアルバム「HELLO WORLD」をリリース。2015年1月からは全31公演の国内ホールツアーと、フランス、イギリス、アメリカ、香港、台湾、メキシコ、ドイツ、シンガポールといった国での初単独公演を含むワールドツアーを開催する。結成10周年記念日となる2016年8月21日には地元大阪の泉大津フェニックスで野外ワンマンライブを開催。2017年2月には10周年を記念したベストアルバム「SCANDAL」をリリースした。

oasis(オアシス)
oasis

ノエル・ギャラガー(G, Vo)とリアム・ギャラガー(Vo)兄弟を中心としたロックバンド。1994年4月にシングル「Supersonic」でデビューし、同年8月にリリースした1stアルバム「Definitely Maybe」はイギリスのチャート1位を獲得。その1年後の1995年10月に発表された「(What's The Story) Morning Glory?」は全世界で2200万枚以上を売り上げ、名実共にイギリスを代表するロックバンドとなる。1996年8月にイギリス・ロンドン郊外のネブワースにて、当時としては最大規模となる2日間で25万人動員の野外ライブを実施した。1998年に東京・日本武道館公演を行い、2001年の「FUJI ROCK FESTIVAL」では初日のヘッドライナーを務める。2009年の「FUJI ROCK FESTIVAL」でもヘッドライナーを務めるが、その1カ月後にノエルが脱退を表明し、バンドはその活動に終止符を打った。発表したフルアルバム全7作が全英チャート1位に輝き、アルバムは全世界で7000万枚以上を売り上げている。