NOCTURNAL BLOODLUST|技巧派ギタリスト2名加入で進化したノクブラ「このアルバムでもっと治安を悪くしたい」

お利口さんはいらない

──「The Wasteland」というタイトルについても聞かせてくだい。Wastelandは“荒地”という意味ですが、尋さんの中ではどんなニュアンスなんでしょうか?

 僕としては……ライブの治安が悪い=褒め言葉なんですよ。ウチのジャンルのお客さんにお利口さんはいらなくて、暴れまくってほしくて。そういう場所を作っていきたいし、このアルバムでもっと治安を悪くしたいな、と。

Masa “治安が悪い”と言うと誤解を与えそうですけど(笑)、ルールを守らないとかではなくて、自分の感情に規制をかけず、心の赴くままにはしゃげる場所を作るということですね。お客さんの感情を揺さぶって、発散できる場所というか。

Natsu(Dr)

Natsu やる側も観る側もそうですけど、特別な1日にしたいですからね。時間を割いて、安くないチケット代を払って、地方から来る人は交通費もかかる。ワンマンだったら1時間半か2時間くらいですけど、お客さんはそこに何かを求めているわけだから、こちらは日常にはない場所を共有したい。コロナ前からそうだと思うんですけど、息苦しさを感じながら生きてる人も多いと思うんですよ。そういう人たちの解放区として、ノクブラがあればいいなと。

Valtz お客さん同士が変に空気を読み合うというか、「周りがこうやってるから、これはやっちゃいけない」みたいな状況が好きではなくて。やりたいことを自由にやれる場所にしたいですね。

Yu-taro まだノクブラとしてお客さんの前でライブをやったことがないので、楽しみですね。がんばります、としか言えないですけど(笑)。

──配信シングル3曲、ミニアルバム「The Wasteland」の収録曲が6曲。新曲がセットリストに入ることで、ライブ自体もさらに進化しそうですね。

Masa うん、新しい形のライブを観てもらえると思います。

 どうなるかわからないところもありますけどね。ライブは数を重ねて、お客さんと一緒に作っていくものなので。「こういう反応をしてくれるんだ?」ということもあるし、お互いにブラッシュアップできるのがライブの醍醐味なので。

“半分ライブ、半分作品”の初オンラインライブ

──12月20日にはノクブラ初の配信ライブ「NOCTURNAL BLOODLUST "SPECIAL ONLINE LIVE"」が控えていますが、どんな内容になりそうですか?

Masa めちゃくちゃカッコいい映像になると思います。ライブハウスにお客さんを入れられない以上、今は配信でやるしかない。だったら、ほかとは違う形でやりたいなと。作品としてクオリティの高いものにしたかったし、実際、しっかり作り込んだものになってます。

尋(Vo)

 俺は最初、配信ライブはやりたくないと渋ってたんですよ。しばらくブランクがあって、復活して最初のライブはお客さんの前でやりたいと思っていたので。でも周りのバンドの配信ライブを観ているうちに、「これも悪くないな」と思うようになって。今Masaが言ったようにしっかり演出した映像になってるし、お客さんには生のライブの手前というか、「こんな感じでやるよ。思い出しておいて」という感じで観てもらえたらなと。

Natsu 収録のときはめちゃくちゃ緊張しましたね。リハをやって、ゲネをやって、本番という流れもそうだし、普段のライブと同じような緊張感があって。もともと自分は最初緊張して、ライブが進むに連れてだんだんパワーを出せるタイプなんですけど、配信ライブのときもまったく同じでした。ステージ上での気迫は映像に入っていると思うし、反応が楽しみです。

Yu-taro ノクブラに加入して初めてのライブが配信形式というのは、不思議な感じでした(笑)。ライティングやカメラワークも普段のライブとは全然違うし、いいものになったと思います。

Valtz やりたいことが実現できましたね。お客さんがいる想定でただライブをやるだけの配信は絶対にやりたくなくて。みんなでアイデアを出しあって、“半分ライブ、半分作品”みたいな配信ライブになると思います。

ノクブラがノクブラであり続ける理由

──2021年2月には有観客ライブも決まり、いよいよバンドが本格的に動き出しますね。ノクブラは何度も苦難に見舞われてきましたが、不屈の精神で乗り越え、バンドを継続しています。何があってもバンドを続けるというモチベーションの源は、どこにあるんでしょうか?

 そうですね……。正直、モチベーションがとても下がった時期もあったんですよ。でも事務所の人たち、スタッフの皆さんに「がんばろう」と声をかけてもらって。お客さんからも「続けてほしい」という言葉をたくさんもらったし、少しずつ「続けなくちゃいけない」「終わらせちゃいけない」という気持ちになってきたんですよね。3人(オリジナルメンバーの尋、Masa、Natsu)とも負けず嫌いだし。

Masa 人との関わりは大きいですね。新しいメンバーが加入したこともそうだし、2人が新しい曲を作ってくれることで、さらにモチベーションが上がって。もちろん事務所の人たちやお客さんにも支えられてるし、自分1人だったら無理だったでしょうね。

Natsu 何かことが起きるたびに、「この理由でノクブラがなくなるのは許せない」と思うんですよね。なんとか続けようとしてきたし、「自分たちの選択は間違っていない」という気持ちもあって。実際、いいギタリストがバンドに入ってくれたし、周りの人たちも助けてくれて、作品を出したり、ライブ開催を発表したりするたびに「やっぱり間違ってなかった」と思える。気分が落ち込んだり、どうしたらいいかわからないこともあったけど、辞めないでよかったです。「Life is Once」をリリースしたときのファンの反応もすごくうれしかったし、あとはもう、結果を見せていくだけですね。

Yu-taro 加入したばかりで具体的なことは言えないんですけど、自分が作る曲はバンドに合っていると思うし、あまり考えすぎずやっていけたらなと。

Valtz 個人的には世界を見据えて活動したいという気持ちはありますね。あとは自分が一番カッコいいと思うことをやっていけばいいのかなと。そうすれば自然にバンドの形ができていくと思うので。

ライブ情報

「NOCTURNAL BLOODLUST "SPECIAL ONLINE LIVE"」
  • 配信日時:2020年12月20日(日)19:00〜